少し前のことになりますが、飼い猫のみるくが亡くなりました。
享年、16歳と10か月。
亡くなる二日前までいつも通りに過ごし、最後は私と夫に撫でられながら逝きました。
大きな検査を2回して、ここ数年はずっと通院と投薬の日々だったけれど、静かに、消え入るように、命の蝋燭が燃え尽きたことを受け入れざるを得ないような、そんな最期でした。
それでもみるくと過ごした16年という時間は、私にとってとても大きくて、やっぱりまだ彼女のことを考えると、ちょっとメソメソしてしまいます。
気が強くて寂しがりやで、とんでもなく甘えん坊だったみるくには、正直色々と振り回されたこともありました。
でもそんなお姫様気質のみるくが、娘には何をされても怒りませんでした。
加減を知らない赤ん坊が、どこを掴んでも引っ張っても、決して爪を立てたり噛み付くことはありませんでした。
ねぇ、みるく。
ある日突然赤ん坊がうちにやってきて、私はそっちにかかりっきりで、きっとあなたはとても寂しかったよね。
それでもあなたは、私の娘にとても優しく接してくれた。
お陰で娘は、ネコが大好きになりました。
甘噛みされても引き倒されてもためらうことなく手を伸ばして、あなたにしていたように、今もよくアッシュをぎゅーっと抱きしめているよ。
いつかあの子が大きくなったら、あなたの話をするね。
生まれた時からずっと、ママの相棒の老ネコが自分を見守っていてくれたこと、あの子にちゃんと伝えるからね。
ねぇみるく、たくさんたくさん、色んなことがあったねぇ…
私達、随分長い間一緒にいたんだねぇ…
いつか私がそっちに行ったら、私の膝はまたあなただけのものだから。
だからそれまで、もう少しそっちで待っててね。