「体育会系は就職に強い」――誰でも一度は聞いたことがある俗説だろう。今現在、これはどの程度妥当な話なのか? 『就職と体育会系神話 大学・スポーツ・企業の社会学』(青弓社)を著した束原文郎・京都先端科学大学健康医療学部准教授に、体育会系神話の実像と変遷、そして現在の体育会系をめぐる中高大学の問題点について訊いた。 「高偏差値帯」かつ「体育会系」は今も就職に強い ――「体育会系は就職に強い」は今もそう言えるのでしょうか。 束原 部分的には今もそう言えると考えられます。全大学卒業生のうち、東証一部上場企業に行く学生の割合は約2割ですが、一部上場企業に行く学生全体のうち、高偏差値帯の体育会系学生はデータ上、そうでない学生よりも割合が高くなっています。 厳密に高偏差値帯の体育会系と非体育会系を比較したわけではないのですが、「高偏差地帯」大学で、かつ男性ではチームスポーツ、女性ではスキー、スケート、ゴ