【95回高校野球 富山第一−延岡学園】 準々決勝の試合前、ベンチ前に整列する延岡学園の記録員・牧野直美さん=阪神甲子園球場で2013年8月19日、中村藍撮影 夏の甲子園第13日の21日、準決勝第2試合に登場する延岡学園(宮崎)マネジャーの牧野直美さん(3年)は、中学時代に付き合っていた野球少年の夢を抱き、記録員としてベンチ入りしてきた。3年前、水難事故で亡くなった藤井将宏さん(当時14歳)。牧野さんは球児にとって憧れのグラウンドに立ち、天を見上げて声をかける。「甲子園に来たよ」 同じ中学で野球部員だった藤井さんは中学3年の夏、部員と川遊び中、亡くなった。俊足で、生前、延岡学園で甲子園に出場する夢を牧野さんに語っていた。 牧野さんは高校で野球部に入るつもりはなかった。しかし、練習を見学するうち、「夢を受け継ぎたい」と思った。 ただ、入部してからがつらかった。選手の姿が藤井さんと重なって