Web OSについて調べてみよう
はじめに
2005年頃からWebブラウザ上でデスクトップライクなUI環境を提供するサービスが相次いで発表されています。
Wikipediaによれば、こうした動きは、1999年頃にも有りましたが、ブロードバンドが現在ほど普及していなかった事もあってか、幅広く普及するまでには至ら無かったようです。
「WebOS」といえば、University of California, BerkeleyによるWebOS Projectを指す事もあるようですが、ここでは、以下の条件を満たす技術やサービスを「WebOS」と呼ぶことにして、関連する技術について調べてゆきます。
- Webブラウザ上で実行されるUIを提供するサービス又は技術である。
- プログラムマネージャ、ファイルマネージャ、ウインドウマネージャ機能を提供する。
- ローカルOSへのプログラムのインストールを前提としない。(一般に普及したブラウザプラグインは除く)
それでは、この1年余りの期間に発表されているWebOSと呼べそうなサービスや技術とその解説記事を列挙してみましょう。*2007年3月20日「gooラボ ウェブデスクトップ」を追加しました。
Desktoptwo
JavaとFlashを利用したサービス。
Java版vncビューアを利用してOpenOfficeまで提供している点が特徴的です。
fluxiom
マルチユーザのファイルサーバ的な利用を意図した有償サービスです。
script.aculo.usを利用しているということです。
gooラボ ウェブデスクトップ *2007年3月20日追加
3月15日にgooラボから発表された実験サービス
AJAXライブラリとしてBindowsを使用
gooIDによるシングルサインオン(SSO)
マルチデスクトップ機能が特徴的
goowy
Flashベースです。アプリケーションウインドウは半固定的なデザインとなっています。
ストレージには、Box.netのサービスを利用しています。
なお、goowy.comがリリースした新サービスにyourminisというものもあります。こちらは、ファイルマネージャを持たないので、WebOSの分類には入れないことにします。(StartPageとかWebTopといった分類が適当かな?)
雑感
今回は12種類のWebOSを掲げました。(*2007年3月20日「gooラボ ウェブデスクトップ」を追加して、13種となりました。)このほかにも列挙すべきものがあれば、コメントをお願いします。*1
このように、サービスを列挙して眺めて見ると、いったいどれが有力な技術として生き残ってゆくのか、気になります。
しかし、WebOSは未だその役割がまだ世の中に認知されたとは言い難い状況です。「Web2.0」というキーワードとともに、再び注目されているWebOSですが、その将来は未だ不透明です。
そもそもの開発コンセプトや開発目的の違い、これまで投入されてきた開発リソースの規模、サービス提供実績の有無、セキュリティや運用管理に関するポリシーなどがそれぞれ異なるので、一概に甲乙をつけることは出来ません。
また、未発表の技術も多数存在するはずであることを思えば、近い将来に、まだ登場していない技術が覇権を握る可能性もあります。
次回以降は、WebOSの意味を考えつつ、個別の技術について掘り下げてみる事にしましょう。
ORCAのサイトによれば、WebOSapi.orgという団体が存在し、以下の団体が属しているとのことです。
Webサイトは存在しませんが、ドメインは確保済みのようです。
ORCA | http://www.orcadesktop.com |
EyeOS | http://www.eyeos.org |
YouOS | http://www.youos.com |
WinLike | http://www.winlike.net |
XIN | http://www.xinteleport.com |
SameDesk | http://www.samedesk.com |
Challenger | http://www.challenger.se |
DALB | http://www.dalb.com |
Forcewebs | http://www.forcewebs.com |
Fenestela | http://www.fenestela.com |
MyDrive | http://www.mydrive.ws |
ZeppOS | http://www.empoweredinternet.com |
参加団体を眺めてみると、ストレージサービスの提供事業者が複数含まれています。