日清食品ホールディングスは2017年1月28日、グループで利用してきたメインフレームを社内のコンピュータ室から撤去した(写真1)。2011年から進めてきたグループの基幹業務システム刷新プロジェクト「N-ERPプロジェクト」の総仕上げに当たる。
2013年にCIO(最高情報責任者)として入社しプロジェクトを主導した喜多羅滋夫執行役員は、「複雑なプロジェクトで苦労したが、何とかやり切ることができた」と振り返る。
1977年からメインフレーム使用
複雑なプロジェクトになったのは、グループ全体でのシステム統合を目指したからだ。日清食品ホールディングス(写真2)傘下には、即席麺を製造する日清食品、2006年に買収した同業の明星食品、チルド食品を扱う日清食品チルド、冷凍食品を扱う日清食品冷凍などがある。同じ食品でも、賞味期限の範囲が異なり、受発注や在庫管理のプロセスにも大きな違いがある。
しかも、日清食品がメインフレームを使い始めたのは1977年だ。直近では富士通製の「FUJITSU Server GS21 1400」を利用。受発注システムなどの基幹システムは40年にわたってCOBOLで「手組み」してきた。
長い歴史の中で、社内部門や顧客企業の要望に応じて作り込んだシステムは増える一方だった。メインフレームで稼働するシステムは約60件、プログラム数は約2万本に及んでいた。