クトルン(モンゴル語: Qutulun、生没年不詳)は、13世紀後半から14世紀末にかけて活躍したモンゴル帝国の皇女。クビライの大元ウルスに対抗して中央アジアに独立した王権(カイドゥ・ウルス)を築き上げたカイドゥの娘にあたり、女性でありながら武勇に優れ、父の軍隊に従軍して活躍したことで知られていた。テュルク語で「月の輝き」を意味するアイ・ヤルク(aï-yaruq)の名前でも知られる。 マルコ・ポーロの『東方見聞録』で紹介されたことによってクトルン(アイジャルック)の事蹟はヨーロッパで広く知られており、18世紀に作られた戯曲『トゥーランドット』に見られる「自らに求婚する男性に条件を突きつける姫」のモチーフの一つになった。