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『'''{{PAGENAME}}'''』は、日本の[[評論家]]・[[川本三郎]]の著作、およびそれを原作とする[[2011年]]公開の[[日本映画]]。タイトルは[[ボブ・ディラン]]の楽曲「[[マイ・バック・ページズ]]」から取られている。
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==書籍==
== 書籍 ==
川本三郎が、[[1968年]]から[[1972年]]の『[[週刊朝日]]』および『[[朝日ジャーナル]]』の記者として活動していた時代を綴った回想録。前半は[[東大安田講堂事件]]や[[三里塚闘争]]、[[ベトナム戦争|ベトナム反戦運動]]などの当時を象徴する出来事の取材談、出会った人々の思い出、当時の文化状況などが[[新左翼]]運動へのシンパシーを軸に綴られ、後半は活動家を名乗る青年Kと出会ったことから、[[朝霞自衛官殺害事件]]に関わって逮捕され、有罪となって懲戒免職に至る顛末が語られる。雑誌『[[スイッチ・パブリッシング|SWITCH]]』に[[1986年]]から[[1987年]]にかけて連載され、[[1988年]]に[[河出書房新社]]から『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』という題で単行本が出版された。一時は絶版となっていたが、映画化を機に[[2010年]]に[[平凡社]]より再刊された。
川本三郎が、[[1968年]]から[[1972年]]の『[[週刊朝日]]』および『[[朝日ジャーナル]]』の記者として活動していた時代を綴った回想録。前半は[[東大安田講堂事件]]や[[三里塚闘争]]、[[ベトナム戦争|ベトナム反戦運動]]などの当時を象徴する出来事の取材談、出会った人々の思い出、当時の文化状況などが[[新左翼]]運動へのシンパシーを軸に綴られ、後半は活動家を名乗る青年Kと出会ったことから、[[朝霞自衛官殺害事件]]に関わって逮捕され、有罪となって懲戒免職に至る顛末が語られる。雑誌『[[スイッチ・パブリッシング|SWITCH]]』に[[1986年]]から[[1987年]]にかけて連載され、[[1988年]]に[[河出書房新社]]から『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』という題で単行本が出版された。一時は絶版となっていたが、映画化を機に[[2010年]]に[[平凡社]]より再刊された。


==映画==
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2007年にプロデューサーの[[根岸洋之]]から原作が監督の山下敦弘、脚本の向井康介に渡され、約3年をかけて脚本化の作業が行われた。山下、向井はどちらも舞台となる時代には生まれていなかった世代である。通常使われる[[35mmフィルム]]ではなく、[[16mmフィルム]]で撮影され、それを拡大することで映像全体にざらついた質感を与えている。キャッチコピーは「'''その時代、暴力で世界は変えられると信じていた'''」
2007年にプロデューサーの[[根岸洋之]]から原作が監督の山下敦弘、脚本の向井康介に渡され、約3年をかけて脚本化の作業が行われた。山下、向井はどちらも舞台となる時代には生まれていなかった世代である。通常使われる[[35mmフィルム]]ではなく、[[16mmフィルム]]で撮影され、それを拡大することで映像全体にざらついた質感を与えている。


キャッチコピーは「'''その時代、暴力で世界は変えられると信じていた'''」。
===キャスト===
*沢田雅巳(週刊東都、東都ジャーナル記者):[[妻夫木聡]] ※モデルは川本三郎
*梅山(本名・片桐優 赤邦軍リーダー):[[松山ケンイチ]]
*倉田眞子(週刊東都表紙モデル):[[忽那汐里]] ※モデルは[[保倉幸恵]]
*安宅重子(赤邦軍隊員):[[石橋杏奈]]
*赤井七恵(赤邦軍隊員):[[韓英恵]]
*柴山洋(赤邦軍隊員):[[中村蒼]]
*飯島(東都ジャーナルデスク):[[あがた森魚]]
*徳山健三(週刊東都デスク):[[山崎一]]
*清原(反戦自衛官):[[山本剛史]]
*佐伯仁(運動家):[[山本浩司 (俳優)|山本浩司]]
*中平武弘(週刊東都 記者):[[古舘寛治]]
*津川(週刊東都記者):[[中野英樹]]
*キリスト:[[青木崇高]]
*前園勇(京大[[全共闘]]議長):[[山内圭哉]] ※モデルは[[竹本信弘|滝田修]]
*唐谷義朗(東大全共闘議長):[[長塚圭史]] ※モデルは[[山本義隆]]
*タモツ:[[松浦祐也]]
*小林(東都ジャーナル編集長)[[菅原大吉]]
*島木武夫(週刊東都編集長):[[中村育二]]
*白石(東都新聞 社会部部長):[[三浦友和]]
*[[康すおん]]、[[近藤公園]]、[[熊切和嘉]]ほか


===物語===
=== ストーリー ===
「週刊東都」の新米記者、沢田は新左翼運動への取材を通じて活動家たちに共感を抱きながらも、ジャーナリストとして客観性を保たなければならない立場との間に葛藤する日々を送っていた。1971年のある日、彼の所に活動家を名乗る梅山という青年が接触してくる。自分は「京西安保」の幹であり、武装決起を起こすなどと語るその言葉、いずれも真偽定かならぬものがあったが、[[宮沢賢治]]を愛読し、[[クリーデンス・クリウォーター・リバイバル|CCR]]の『[[雨を見たかい]]』をギターつま弾姿に、沢田は親近感を覚えていく。やがて梅山は学生仲間を引き込んで「赤邦軍」なる組織を作ると、自衛隊基地を襲撃して武器を奪うとう計画を立てる。計画を明かされた沢田は自分に独占取材させてくれと頼み、事件に巻き込まれていくことになる。
1969年、'''沢田'''は東大法学部大学院生時代に安田講堂事件を目撃する。「週刊東都」の新米記者として、新左翼運動への取材を通じて活動家たちに共感を抱きながらも、ジャーナリストとして客観性を保たなければならない立場との間に葛藤する日々を送っていた。編集部は[[アポロ11号]]の月着陸記事忙しくしている。


1970年、教室では'''片桐'''という青年と他の学生たちとが激しい議論を戦わす。沢田は名画座で [[川島雄三]]監督の『[[洲崎パラダイス赤信号]]』を見る。映画では[[新珠三千代]]が頼りない恋人の[[三橋達也]]に、「あんた、どっか一つくらい当てないの?」「あんた、男でしょ」となじる。オールナイトが終わってから日曜日の編集部で『[[ガロ]]』を読んでいると「週刊東都」の表紙モデル・'''倉田眞子'''が遊びにくる。
===スタッフ===
*監督:[[山下敦弘]]
*脚本:[[向井康介]]
*原作:[[川本三郎]]『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』([[平凡社]]刊)
*撮影:[[近藤龍人]]
*音楽:[[クラムボン|ミト]](from[[クラムボン]])、[[きだしゅんすけ]]
*スタイリスト:[[伊賀大介]]
*VFXスーパーバイザー:[[小田一生]]
*製作委員会メンバー:[[WOWOW]]、[[バンダイビジュアル]]、アスミック・エース、[[日活]]、[[ホリプロ]]、ビターズエンド、[[Yahoo! JAPAN]]、マッチポイント
*配給:[[アスミック・エース]]


1971年、活動家を名乗る'''梅山'''という青年が接触してくる。自分は「京西安保」の幹部であり、「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」などと語る。紹介した先輩記者・'''中平武弘'''は「偽物だ」と決めつけるが、離れに匿う。[[宮沢賢治]]を愛読し、[[クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル|CCR]]の『[[雨を見たかい]]』をギターでつま弾きながら「雨って[[ナパーム弾]]のことなんですね」という姿に、沢田は親近感を覚えていく。編集部では『週刊東都』が出版6日後に回収という事件が起きる。中平も「左遷」される。同僚から「あんたら、うちの余った紙で雑誌作らせてもらってるんでしょ」といわれ、殴りかかる。一緒に『ファイブ・イージー・ピーセス』を観て、倉田に「私はきちんと泣ける男の人が好き」と言われる。
== 受賞 ==
*第85回[[キネマ旬報]]ベスト・テン(2011年)<ref>{{Cite web|url=http://www.kinejun.com/kinejun/85/tabid/250/Default.aspx|title=2011年 第85回キネマ旬報ベスト・テン|publisher=[[キネマ旬報社]]|language=日本語|accessdate=2012-01-19}}</ref>
**日本映画ベスト・テン 第9位
**個人賞・新人女優賞 - 忽那汐里(『[[少女たちの羅針盤]]』『マイ・バック・ページ』)


やがて梅山は学生仲間を引き込んで「赤邦軍」なる組織を作ると、自衛隊基地を襲撃して武器を奪うという計画を立てる。計画を明かされた沢田は自分に独占取材させてくれと頼む。
==関連項目==

*[[ファイブ・イージー・ピーセス]] - 劇中で沢田が倉田眞子と一緒に観る映画。川本三郎は実際にこの映画を保倉幸恵と一緒に観ている。
「駐屯地で自衛官殺害」のニュースが沢田のもとに届く。接触すると他誌の記者も来る。証拠として腕章を預かる。社会部では「思想犯」ではなく「殺人犯」として通報するといい、反論すると「うちは大学新聞作っているわけではない」といわれる。捕まった梅山は軍を動かしているのは前園だという。警察は腕章を出せば[[証拠隠滅罪]]には問わないというが、燃やしてしまっていた。会社を辞める時にモデルは終わったという倉田が訪ねてくる。
*[[真夜中のカーボーイ]] - ダスティン・ホフマンの”I’m Scared”(俺は怖い)という台詞を、梅山と眞子が共に沢田に語る。

*[[キング・オブ・コメディ]]
=== キャスト ===
*[[誘う女]] - 「カリスマ性がありながら空転するキャラクター」を学ぶために、山下敦弘が松山ケンイチに観るように勧めた映画。
* 沢田雅巳(週刊東都、東都ジャーナル記者):[[妻夫木聡]] ※モデルは川本三郎
*[[朝霞自衛官殺害事件]]
* 梅山(本名・片桐優 赤邦軍リーダー):[[松山ケンイチ]]
*[[保倉幸恵]]
* 倉田眞子(週刊東都表紙モデル):[[忽那汐里]] ※モデルは[[保倉幸恵]]
* 安宅重子(赤邦軍隊員):[[石橋杏奈]]
* 赤井七恵(赤邦軍隊員):[[韓英恵]]
* 柴山洋(赤邦軍隊員):[[中村蒼]]
* 飯島(東都ジャーナルデスク):[[あがた森魚]]
* 徳山健三(週刊東都デスク):[[山崎一]]
* 清原(反戦自衛官):[[山本剛史]]
* 佐伯仁(運動家):[[山本浩司 (俳優)|山本浩司]]
* 中平武弘(週刊東都記者):[[古舘寛治]]
* 津川(週刊東都記者):[[中野英樹]]
* 前園勇(京大[[全共闘]]議長):[[山内圭哉]] ※モデルは[[竹本信弘|滝田修]]
* 唐谷義朗(東大全共闘議長):[[長塚圭史]] ※モデルは[[山本義隆]]
* タモツ(うさぎ売りの青年):[[松浦祐也]]
* キリスト(キリストのような風貌の青年):[[青木崇高]]
* 山口(東都新聞社長):[[並樹史朗]]
* 小林(東都ジャーナル編集長)[[菅原大吉]]
* 島木武夫(週刊東都編集長):[[中村育二]]
* 白石(東都新聞 社会部部長):[[三浦友和]]
* キネマ旬報編集者:[[早織]]
* タモツの妻:[[水崎綾女]]
* 私服刑事:[[赤堀雅秋]]
* 高峰(刑事):[[康すおん]]

=== スタッフ ===
* 監督:[[山下敦弘]]
* 原作:[[川本三郎]]『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』([[平凡社]]刊)
* 脚本:[[向井康介]]
* 撮影:[[近藤龍人]]
* 編集:[[佐藤崇]]
* 音楽:[[ミト (クラムボンのメンバー)|ミト]](from[[クラムボン (バンド)|クラムボン]])、[[きだしゅんすけ]]
* 主題歌:[[真心ブラザーズ]] + [[奥田民生]]「[[マイ・バック・ページズ#真心ブラザーズ + 奥田民生|My Back Pages]]」([[キューンミュージック|キューンレコード]])
* スタイリスト:[[伊賀大介]]
* VFXスーパーバイザー:[[小田一生]]
* 製作:「マイ・バック・ページ」製作委員会([[WOWOW]]、[[バンダイビジュアル]]、[[アスミック・エース]]、[[日活]]、[[ホリプロ]]、ビターズエンド、[[Yahoo! JAPAN]]、マッチポイント)
* 配給:アスミック・エース

=== 受賞 ===
* [[キネマ旬報#第85回(2011年度)|第85回キネマ旬報ベスト・テン]](2011年)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kinejun.com/kinejun/85/tabid/250/Default.aspx|title=2011年 第85回キネマ旬報ベスト・テン|publisher=[[キネマ旬報社]]|language=日本語|accessdate=2012-01-19}}</ref>
** 日本映画ベスト・テン 第9位
** 個人賞・新人女優賞 - 忽那汐里(『[[少女たちの羅針盤]]』『マイ・バック・ページ』)
* [[日刊スポーツ映画大賞#第24回(2011年度)|第24回日刊スポーツ映画大賞]](2011年)
** 主演男優賞 - [[松山ケンイチ]](『マイ・バック・ページ』ほか)


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
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== 関連項目 ==
* [[朝霞自衛官殺害事件]]
* [[ファイブ・イージー・ピーセス]] – [[ジャック・ニコルソン]]主演の[[1970年]]映画。劇中で沢田が倉田眞子と一緒に観る映画。川本三郎は実際にこの映画を保倉幸恵と一緒に観ている。
* [[真夜中のカーボーイ]] - 1969年の映画。[[ダスティン・ホフマン]]の”I’m Scared”(俺は怖い)という台詞を、梅山と眞子が共に沢田に語る。
* [[櫻画報#朝日ジャーナル回収事件|朝日ジャーナル回収事件(アカイアサヒ事件)]] - 劇中に登場。[[赤瀬川原平#櫻画報|赤瀬川原平]]の連載が引き起こした事件。[[朝日ジャーナル]]の編集部が解体されるきっかけとなった。
* [[山崎博昭]]、[[樺美智子]] - それぞれ学生運動に関わって死亡した学生の名前。梅山が作中で言及している。
* [[十九歳の地図]] – [[中上健次]]原作の1979年の映画。劇中に登場。
* [[京浜安保共闘]] - 梅山が劇中で名乗った組織「京西安保」のモデルである。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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[[Category:常総市で製作された映画作品]]

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マイ・バック・ページ』は、日本の評論家川本三郎の著作、およびそれを原作とする2011年公開の日本映画。タイトルはボブ・ディランの楽曲「マイ・バック・ページズ」から取られている。

書籍

[編集]

川本三郎が、1968年から1972年の『週刊朝日』および『朝日ジャーナル』の記者として活動していた時代を綴った回想録。前半は東大安田講堂事件三里塚闘争ベトナム反戦運動などの当時を象徴する出来事の取材談、出会った人々の思い出、当時の文化状況などが新左翼運動へのシンパシーを軸に綴られ、後半は活動家を名乗る青年Kと出会ったことから、朝霞自衛官殺害事件に関わって逮捕され、有罪となって懲戒免職に至る顛末が語られる。雑誌『SWITCH』に1986年から1987年にかけて連載され、1988年河出書房新社から『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』という題で単行本が出版された。一時は絶版となっていたが、映画化を機に2010年平凡社より再刊された。

映画

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マイ・バック・ページ
My Back Page
監督 山下敦弘
脚本 向井康介
原作 川本三郎
出演者 妻夫木聡
松山ケンイチ
忽那汐里
石橋杏奈
音楽 ミト
きだしゅんすけ
主題歌 真心ブラザーズ+奥田民生
My Back Pages
撮影 近藤龍人
編集 佐藤崇
製作会社 映画「マイ・バック・ページ」製作委員会
配給 アスミック・エース
公開 日本の旗 2011年5月28日
上映時間 141分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 1億3500万円[1]
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2007年にプロデューサーの根岸洋之から原作が監督の山下敦弘、脚本の向井康介に渡され、約3年をかけて脚本化の作業が行われた。山下、向井はどちらも舞台となる時代には生まれていなかった世代である。通常使われる35mmフィルムではなく、16mmフィルムで撮影され、それを拡大することで映像全体にざらついた質感を与えている。

キャッチコピーは「その時代、暴力で世界は変えられると信じていた」。

ストーリー

[編集]

1969年、沢田は東大法学部大学院生時代に安田講堂事件を目撃する。「週刊東都」の新米記者として、新左翼運動への取材を通じて活動家たちに共感を抱きながらも、ジャーナリストとして客観性を保たなければならない立場との間に葛藤する日々を送っていた。編集部はアポロ11号の月着陸記事で忙しくしている。

1970年、教室では片桐という青年と他の学生たちとが激しい議論を戦わす。沢田は名画座で 川島雄三監督の『洲崎パラダイス赤信号』を見る。映画では新珠三千代が頼りない恋人の三橋達也に、「あんた、どっか一つくらい当てないの?」「あんた、男でしょ」となじる。オールナイトが終わってから日曜日の編集部で『ガロ』を読んでいると「週刊東都」の表紙モデル・倉田眞子が遊びにくる。

1971年、活動家を名乗る梅山という青年が接触してくる。自分は「京西安保」の幹部であり、「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」などと語る。紹介した先輩記者・中平武弘は「偽物だ」と決めつけるが、離れに匿う。宮沢賢治を愛読し、CCRの『雨を見たかい』をギターでつま弾きながら「雨ってナパーム弾のことなんですね」という姿に、沢田は親近感を覚えていく。編集部では『週刊東都』が出版6日後に回収という事件が起きる。中平も「左遷」される。同僚から「あんたら、うちの余った紙で雑誌作らせてもらってるんでしょ」といわれ、殴りかかる。一緒に『ファイブ・イージー・ピーセス』を観て、倉田に「私はきちんと泣ける男の人が好き」と言われる。

やがて梅山は学生仲間を引き込んで「赤邦軍」なる組織を作ると、自衛隊基地を襲撃して武器を奪うという計画を立てる。計画を明かされた沢田は自分に独占取材させてくれと頼む。

「駐屯地で自衛官殺害」のニュースが沢田のもとに届く。接触すると他誌の記者も来る。証拠として腕章を預かる。社会部では「思想犯」ではなく「殺人犯」として通報するといい、反論すると「うちは大学新聞作っているわけではない」といわれる。捕まった梅山は軍を動かしているのは前園だという。警察は腕章を出せば証拠隠滅罪には問わないというが、燃やしてしまっていた。会社を辞める時にモデルは終わったという倉田が訪ねてくる。

キャスト

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スタッフ

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受賞

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脚注

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  1. ^ キネマ旬報」2012年2月下旬決算特別号 203頁
  2. ^ 2011年 第85回キネマ旬報ベスト・テン”. キネマ旬報社. 2012年1月19日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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