ウェブの音声操作技術で対立するマイクロソフトとIBM

アナリストは、インターネットを音声で操作する時代が来ると予想しているが、米マイクロソフト社はこのほど、HTMLをベースにした『ドット・ネット』(.NET)音声認識ソフトウェア開発キットのベータ版をリリースした。米IBM社を中心とする陣営は、競合する『ボイスXML』技術を推進している。

Elisa Batista 2002年05月10日

ソフトウェア市場のアナリストたちは、インターネットのコンテンツを入手するときに、ボタンをクリックする代わりに自分の声を使う人が、近い将来さらに増えると予想する。

しかし米マイクロソフト社と米IBM社の間で、ウェブを音声で効果的に操作する方法をめぐって争いが始まろうとしている。

IBM社は、米モトローラ社、ノルウェーのオペラ・ソフトウェア社などの有力企業とともに、『ボイスXML』が最良の技術だと主張する。これに対して、昨年『スピーチ・アプリケーション・ランゲージ・タグズ(SALT)フォーラム』を設立したマイクロソフト社は、このほどHTMLをベースにした『ドット・ネット』(.NET)音声認識ソフトウェア開発キットのベータ版をリリースした。マイクロソフト社によると、SALTフォーラムには、米インテル社、米シスコシステムズ社、蘭フィリップス社など43社が参加しているという。

IBM音声システム部門の責任者、ナイジェル・ベック氏は、SALTフォーラムの技術は「オープン」ではなく、マイクロソフト社のネットワーク外のソフト開発企業には閉ざされていると批判する。

「どちらが優れているか、メーカーに決めてもらおう」とベック氏は述べた。

[日本語版:茂木 健/岩坂 彰]

WIRED NEWS 原文(English)