米国防総省、イラクのネットワーク復興にワールドコムを選択

米国防総省は、イラクに小規模な携帯電話ネットワークを構築する企業として、米ワールドコム社を選択した。米国企業最大の不正会計処理の前歴を持ち、しかも携帯電話事業に参入すらしていない同社への発注に、競合企業や行政監視団体は激怒している。

ワイアード・ニュース・レポート 2003年05月23日

米国防総省は、イラクに小規模な携帯電話ネットワークを構築する発注を行なったが、興味深い企業が選択されることになった。米国企業最大の不正会計処理の前歴を持ち、しかも携帯電話事業に参入すらしていない、米ワールドコム社が選ばれたのだ。

この契約に対して、競合企業や行政監視団体は激怒し、ワールドコム社の110億ドルの不正会計が昨年発覚し、破産に至って以来、政府が同社を甘やかし過ぎていると主張している。

現在再建手続き中のワールドコム社は、再建時には、長距離電話事業部門のMCIの名称を会社全体の社名として採用する計画となっている。今回の契約に入札方式で参加できなかった各方面から、不満の声が出ている。また、米スプリント社ワイヤレス部門の責任者によると、ワールドコム社はこれまでにワイヤレス・ネットワークを敷設した経験が一度もないという。

[日本語版:湯田賢司/岩坂 彰]

WIRED NEWS 原文(English)