「小説の舞台」がわかるGoogleマップのマッシュアップ

文学作品に縁のある場所を示す、Googleマップの新しいマッシュアップ「Book Map」が登場。次の旅行先に関連した本を選べるだけでなく、特定の場所や都市の文学ツアーを組み立てることもできそうだ。
「小説の舞台」がわかるGoogleマップのマッシュアップ
ロンドンのキングストンは、『ボートの3人男』で旅行が始まった場所だ。日本では、『A Tale for the Time Being』が東京に、『さゆり』が京都に登録されている。

本好きが次に何を読もうかと考えるとき、その方向性を示してくれる世界地図が登場した。Googleマップの新しいマッシュアップ「Book Map」だ。

英国の団体「Lovereading」が5月21日(現地時間)に発表したこのマップには、200冊の文学作品が、世界中に散らばるマークとともに表示されている。

「本の地図をつくるというアイデアは、しばらく前からありました。特定の場所を鮮やかに描き出してくれる本は多いですから。自分自身も休暇を過ごすときに、その場所に関係した本を読むのが好きです」と、Lovereadingの共同設立者ピーター・クローショーはUK版『WIRED』に語った。

ロンドンにある『WIRED』のオフィスの近くにも、ジョン・ゴールズワージーの『フォーサイト・サガ』、チャールズ・ディケンズの『荒涼館』、イヴリン・ウォーの『スクープ』に縁のある場所が表示されている。ハリー・ポッターがホグワーツ特急に乗車したキングス・クロス駅も、このオフィスからさほど遠くない場所にある。

Book Mapは、休日に旅行する人が読む本を決めるのに役立つだけでなく、特定の場所や都市の文学ツアーを組み立てるのにも使えそうだ。そうしたプロジェクトに最適なパリやサンフランシスコといった場所に、さらに多くの小説が表示されるようになることを期待する。

Lovereadingのチームは現在、Book Mapの次のヴァージョンに入れて欲しい本のリクエストを受け付けている。「これまでに700を超えるリクエストがありました。これらをチェックしたら、ヴァージョン2.0を出す予定です。2.0では対象となる本を増やして、世界各国の本が含まれるようにしたいと考えています」

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TEXT BY KATIE COLLINS

PHOTO BY LOVEREADING.CO.UK

TRANSLATION BY MIHO AMANO/GALILEO