グーグルが次世代AIモデル「Gemini」を12月6日(米国時間)、発表した。無料で試したい場合、Gemini Proと呼ばれるバージョンをグーグルの会話型AI「Bard」英語版で利用できる。もしあなたが「Pixel 8 Pro」ユーザーだったら、いまはメッセージアプリのWhatsAppで、将来的には多言語キーボードアプリのGboardで、AIが提案するテキスト返信にGeminiを活用できる。
現在提供されているのは、Geminiの機能のうちほんの一部だ。今後のリリースでは、テキストだけではなく、音声など異なる種類のデータを処理できる「マルチモーダル」機能が追加されるようになる予定だ。Bardには今、テキスト対応のバージョンが搭載されている。
いまのところ対応言語は英語のみだが、グーグルは近々、他言語への対応も計画している。これまでのグーグルによる生成AIと同様、Geminiも今のところEUでは利用できない。
Gemini Proというとプレミアムな響きがするが、Bardで無料で利用できるのも魅力だ。ChatGPTは古いほうのAIモデルは無料で使用できるが、最新モデル「GPT-4」には月額料金を支払う必要がある。
Geminiの今後の計画について、詳細はまだ明らかになっていない。グーグルは「Gemini Ultra」を2024年にリリースすると予告している。Bardのアップグレード版「Bard Advanced」で利用できるという。サブスクリプションプランはまだ発表されていない。ちなみに、GPT-4が使えるChatGPT Plusの月額利用料はサブスクリプションは20ドル(約3,000円)である。
Gemini Proを使うには
Googleアカウントはお持ちだろうか。BardでGeminiを使用するには、ブラウザからウェブサイトにアクセスし、ログインするだけだ。Googleアカウントがなければ、Bardにログインできない。Google Workspaceアカウントの人は、Geminiを使うには個人のアカウントに切り替える必要があるかもしれない。
Geminiの試みは技術的に実験段階で、応答で不具合があるかもしれないことをお忘れなく。
Bardの現在の強みのひとつは、実際に機能する場合だが、グーグルのほかのサービスと統合できる点だ。例えば、Gmailと連携させてチャットボットに毎日メールを要約させたり、YouTubeと連携させてあるトピックの動画を探させたりできる。『WIRED』が以前Bardをテストしたところ、こういった可能性が示唆された。まだ解決すべき問題は多くある。
Gemini Ultraは、Gemini Proとどう違うのだろうか? グーグルによると、Gemini Ultraは「最も高性能なモード」で、テキスト、画像、音声、動画、コードなど多岐にわたる複雑なタスクを処理できるという。スマートフォンの機能の一部として設計された小型版のAIモデルはGemini Nanoと呼ばれ、現在Pixel 8 Proに搭載されており、WhatsAppの返信で使用できる。
BardでGemini Proを試す時は、ほかのチャットボット同様、返答の内容が“嘘”である危険性も心に留めておいてほしい。
(WIRED US/Translation by Rikako Takahashi)
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