正座してアインシュタインの声を聞いてみよう

  • author satomi
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
正座してアインシュタインの声を聞いてみよう

そう言えばアインシュタインの声って、聞いたことありますか…?

これは1941年秋、イギリス科学振興協会のラジオ演説で自筆論文「The Common Language of Science(科学の共通言語)」を朗読するアルベルト・アインシュタインの声です。声もさることながら内容も、感動。

小論文の冒頭、アインシュタインは言葉と概念の不一致について話しています。

言葉のないところ、概念もないのか。つまり言葉が思い浮かばない概念および概念同士の組み合わせ、これは存在しないに等しいのだろうか? 『物事』同士の繋がりは明確に意識できるのにそれを言い表す言葉がなかなか浮かばないという経験は人間誰しもあるのではないだろうか?

そう断った上で、でもだからといってこのふたつ(言葉と概念)は完全に切り離せるものでもないのだよ、と持論を展開。

科学的概念と科学的言語は超国家的なものだ。なぜならこれらはあらゆる国家、あらゆる時代の最高の頭脳が考え出したものだからだ。

孤独だが、最終的に広める過程では協力も要る。こうして得た科学的概念と科学的言語が技術革命の精神的道具を生み、技術革命は過去何世紀にも渡って人類の生き方を変えてきた。

こうした概念の枠組みが、この茫洋たる知覚の混沌に道標を与えたからこそ我々は、あるひとつの観察から普遍的真実を掴む術を得たのである。

スピーチの締めくくりのところで、科学は道具に過ぎない、決して最終目標であってはならない、と語るアインシュタイン。

掲載元のOpen Cultureの解説にもあるように、第二次世界大戦という時代を色濃く反映した内容ですが、今聞いてもアインシュタインの言葉は鋭くて、肉声で聞くからかな…尚さら心に迫りますね。

Open Culture

ASHLEY FEINBERG(原文/satomi)