Popular Science:音楽の好みから様々なことがわかります。ではヘビーメタルファンとはどんな人たち? 英・ウェストミンスター大学の最新の研究によると、ヘビメタ愛好家には、ある共通する性格的特徴があるそうです

「Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts」誌に掲載された研究では、414人の参加者(約半分はカレッジの学生)にオーヴァーキル(Overkill、1980年結成の米スラッシュメタルバンド)やエンスレイヴド(Enslaved、1991年結成、ヴァイキングメタル)、 ディスターブド(Disturbed、1996年結成)、クレイドル・オブ・フィルス(Cradle of Filth、1991年結成の英・シンフォニックメタルバンド)などヘビーメタルバンドの音楽10曲を聴かせて、どのくらい好きかを尋ねました。続いて、ビッグファイブ(性格を5つの因子に分類したもの)や、独自性への希求、自尊心のレベル、権威や宗教に対する態度などを調べました。それによると、ヘビメタファンは男性的で、権威を嫌い、独自性への希求が強いことがわかりました。また、研究者によると、ヘビメタを愛する気持ちは開放的な性格にも由来するようです。開放的な人は「激しくて、魅力的で、挑戦的」な音楽を好む傾向があるからです。

また、面白いことに、ヘビメタファンは自尊心が低い傾向も示しました。「ヘビーメタルがもたらすカタルシスが自己肯定感を高め、低い自尊心を埋め合わせてくれるのでは」と研究者たちは仮説を述べています。

この研究は英国のわずか数百人を対象したものに過ぎません。とはいえ、「一部の人たちがヘビーメタルなど特殊な音楽を好む理由を理解する助けにはなる」と研究者は言います。また、「逸脱、反社会、暴力性などのステレオタイプで見るよりも、ヘビーメタルが満たしてくれる心理的なニーズを理解するほうが、実りが多いのではないか」と話しています。

The Psychology Of Loving Heavy Metal|Popular Science

Shaunacy Ferro(訳:伊藤貴之)

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