毎朝1分間、日記を書く――。たったそれだけのことで人生が好転すると主張しているのは『奇跡が起きる 毎朝1分日記』(三宅裕之 著、ダイヤモンド社)の著者。しかも、書くことは以下の2つだけでOKだというのです。
・前日にあった「グッド」(よかったこと、感謝したこと、気づいたこと)
・今日やりたい「チャレンジ」(挑戦したいこと、変えたいこと)
(「はじめに」より)
難しく考える必要はなく、「きのうはこんないいことがあった」「きょうはこんなことに挑戦したい」というようなことを書くだけ。そうすれば、自分の毎日がどれほどの“よいこと”や“新しいこと”に満ちているかに気づけるようになるということです。また、きょうのチャレンジも、「顔見知りの人に笑顔で挨拶する」「曲がったことのない角を曲がってみる」など、“ほんの小さな一歩”でOK。
毎朝1分日記で、これまで何げなく過ごしていた毎日からグッドとチャレンジを見つけ出す。この習慣を続けるだけで、「感謝」「気づき」「挑戦」「変化」をどんどん積み重ねていくことができます。
毎日書き留めたグッドとチャレンジの中に、あなたの将来を切り開くヒントが必ず見つかるはずです。(「はじめに」より)
また、日記を書くことは「縁」や「運」を引き寄せてもくれるのだとか。といってもスピリチュアルな話ではなく、自分にとって大切なこと、興味があること、感謝していることを意識すれば、これまで気づかなかった小さなチャンスや出会いを見逃さずに済むということのよう。第2章「これだけでOK! 毎朝1分日記」のなかから、要点を抜き出してみましょう。
「グッド」と「チャレンジ」を書き込む
上述した“毎朝1分日記に書くこと”、すなわち「グッド」と「チャレンジ」のもとになっているのは、アメリカの教育学者であるピーター・クライン氏が組織を活性化するために考案した「グッド&ニュー(いいこと、新しいこと)」というゲーム。組織のメンバーがひとりずつ、24時間以内にあった「いいこと」と「新しいこと」を発表試合、互いに拍手を送るというものだといいます。
そうすることでメンバーの相互理解が深まり、コミュニケーションが活発になるなどの効果があるというのです。また、発表に向けてつねに「いいこと・新しいこと」を探す習慣が身につくため、メンバー各人の見方がポジティブになる効果もわかっているのだそうです。
毎朝1分日記では、これをさらにわかりやすくするために、「グッド&チャレンジ」に改良しました。「グッド」は、前日にあったよかったことや感謝したこと、気づいたこと。「チャレンジ」は、今日挑戦したいこと、何か昨日までとは変えたいことです。(50ページより)
なお、「ニュー」ではなく「チャレンジ」にしたのは、単に新しいだけでなく、自分自身にとって前向きでプラスの出来事を見つけてもらうためだそう。また、いつものメンバーによる会議など、とくに新しくないことであったとしても、そこでなにかに挑戦したり、やり慣れた方法を変えたり、誰かをサポートしたりという「チャレンジ」をしてほしいという思いも込められているようです。(49ページより)
普段は気づかないグッドを見つける
やり方はいたって簡単。なにしろ、朝に目を覚ましてから仕事をスタートするまでの時間のどこかで、1分間だけ時間をとればいいのですから。ノートを広げたら最初にするべきは、前日にあった「グッド」を書き込むこと。
「仕事で成果を上げた」「新しい本を読んだ」「映画を観た」「古い友人と会った」など、前日に何らかの「グッド」があったとしたら、なにも考えずにペンが動くはず。慣れないうちは単語をいくつか、慣れてきても数行で十分。1つでも、思い浮かんだだけ書いてもかまわないそうです。
<昨日のグッドの例>
・7時間ぐっすり眠れた。日中すっきり
・デスク周りのそうじができた
・部下の和田さんの強みを具体的にほめることができた
・読みたい本をひとまずネット書店のオンラインカートに入れた
・駅のエスカレーターを使わずに階段を上ってみた
(52〜53ページより抜粋)
ちなみに、「きのうはなにもグッドがなかったなあ」という日こそ大チャンスなのだといいます。なぜなら、普段は意識していない大切なことに目を向けられるから。
忘れてしまいがちですが、私たちが当たり前と思っている生活は、世界中のほとんどの人々から見てうらやましく、賞賛されるほどのものです。また、普段ちょっとした不満を感じている職場や家族にも、実は得がたい魅力があるはずです。(「はじめに」より)
毎朝1分日記を続けているうちに、そうした小さな、けれど大切なことに気づけるようになるということです。(51ページより)
きょうやるチャレンジを宣言する
続いては、きょうやりたい「チャレンジ」。こちらは、「きょうはこれに挑戦するぞ」という決意表明のようなものだといいます。
とはいえ大きなことをする必要はなく、最初のうちはほんの小さな一歩でかまわないそうです。目安としては、日記と同様に“1分間程度でできること”から始めてみることを著者はすすめています。
<今日のチャレンジの例>
・YouTubeで5分間英語リスニングをしてみる
・スクワットを5回チャレンジする
・取引先の保坂さんに昨日の打ち合わせのお礼を伝える
・メールチェックの前に5分だけ新商品のネーミングについて考える
・部員に配るアメをコンビニで買う
(55ページより抜粋)
毎朝1分日記を続けていけば、毎日のステップは、小さなものから大きなものへと変化していくはず。だから、最初の一歩は小さなものでかまわないということです。
いずれにしても毎日少しずつ、けれども着実に自分を肯定できるようになっていけば、数カ月後、1年後には無理なく自分を肯定できるようになれるだろうと著者は述べています。(54ページより)
用意するのはノートとペン、そして1分の時間のみ。決して難しいことではありませんし、試してみる価値は充分にありそうです。もしかしたら結果的に、人生をよりよいものにできるかもしれません。
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Source: ダイヤモンド社