三島村硫黄島の山林火災現場=20日午前0時半ごろ(同村提供)
鹿児島県三島村硫黄島で19日起きた山林火災について、現場近くの「岬橋」の補修工事中に火の粉が枯れ葉に燃え移り、延焼したとみられることが複数の関係者への取材で22日分かった。鹿児島中央署は「補修作業をしていたのは把握している。火の粉の可能性も視野に、原因を調べている」としている。
関係者によると、橋のボルトを交換するため、ガスバーナーなどでさびた部分を切断。その際に飛んだ火の粉が、橋下の枯れ葉や竹に引火したとみられる。
村の発注工事で、下請け業者の男性3人が作業していた。火災防止のため、周囲を防炎シートや金属板などで覆い、消火器や水も備えていた。元請けの建設業者によると、作業員は「気づいたときには出火していた。想定以上に早く燃え広がり消火が間に合わず、消防団に連絡した」と説明している。
火災は19日午前11時50分ごろ、岬橋近くの大名竹が生えたやぶで発生。岬の南北に広がるように約53時間延焼し、焼失面積は約5000平方メートルに及ぶ。22日も宮崎県の防災ヘリコプターが上空から散水。地上では応援に来ている鹿児島市などの消防隊が放水した。県によると、火の勢いは収まっているが、同日午後6時現在、完全には鎮火していない。