では、さっそく「観る将的名局賞」の話から始めよう。もっとも投票が多かった項目で、113もの投票があった。 「観る将的名局賞」は豊島将之王位と木村一基九段の王位戦 ――まずは「観る将的名局賞」から始めたいと思います。アンケートを集計したところ、もっとも票を集めたのは豊島将之王位と木村一基九段で争われた王位戦で25票でした。 遠山 最終第7局までもつれたタイトル戦ですが、なかでも票が集まったのは、やはり木村王位が誕生した7局目の決定局なんですね。 〈木村先生とファンが重ねてきた長い年月は、すべてこの一局に繋がっていたのだと思いました。終局後に見せてくださった涙と笑顔も、歴史に残る名シーンになったと思います〉(45歳/女性) 〈タイトル初防衛のかかる豊島王位(当時)と、最年長で初タイトル獲得のかかる木村九段(当時)のフルセット最終局。長い夏の十番勝負のクライマックスとなる名局でした〉(35歳/女