「もしかしたら、日本は他とは何か違うことをしているんじゃないか」 ──現在の国際社会において、日本や日本の文化にあなたが期待する役割は何でしょうか? これを言うと驚かれるかもしれません。いろいろ批判はしましたが、私は斎藤さんの脱成長論の本質には、健全なものがあると思っています。それはつまり、私たちは自身の所属する社会においても、また国際社会においても、さらなる協調・協力を必要としているし、拡大主義的で短期的な生産活動への強迫観念を脱しなければならない、ということなんじゃないかと思うのです。 とりわけ私が気に入ってるのが何かというと──こういう考え方を理想化すべきではないのは承知していますが──1600年代の日本では、我々全員にとって模範となるような出来事が起こっていたのです。
