◇文科省キャリア官僚から出向の公立中校長に聞く 東京都品川区立大崎中学校の浅田和伸校長(48)は昨春、文部科学省のキャリア官僚として初めて義務教育の現場に出向した。校長転身から丸1年。新年度の初め、文部科学行政と学校現場の両方を知る浅田さんに教育を巡る諸問題を聞いた。【井上俊樹】 ◆忙しい先生 教師の多忙化が指摘されている。管理職の中には自ら「降格」を希望するケースもある。(注1) --先生方には本来、生徒に向き合う時間とその準備に最大のエネルギーを注いでほしいのですが、現実には調査や書類作成などの事務仕事にかなりの時間と労力を割かざるを得ない。正直言えば文科省から来た文書の中にも「いらない」と思ったものもある。特に副校長は激務で大変。私自身も文科省時代より土日出勤が増えました。 保護者対応も教師の仕事を忙しくしている。(注2) --保護者にはアンケートなどでご意見やご要望をできるだけ出し