『かみにえともじ』(講談社) 「本屋大賞以外の文学賞が盛り上がらない」と言われて久しい出版業界。芥川賞・直木賞でさえ、昨年の受賞者をすぐに思い出せない人がほとんどだろう。名だたる文学賞には、ほかにも「川端康成文学賞」「山本周五郎賞」「三島由紀夫賞」など、挙げてみれば数はあるものの、「受賞作が発表になってもほとんど報じられず、世間では話題にならないし、売り上げにもつながらない」(出版業界関係者)のが現状だという。 このように、文学賞が威力を発揮しなくなった今、出版業界内では「作家に必要なのは賞よりビジュアル!」論が高まっているようだ。「特に女性作家にとっては、ビジュアルが最大の武器」と語るのは、ある編集者だ。 「綿矢りさと金原ひとみが芥川賞をW受賞した時の例を見てもわかるように、若くてキレイな女性作家が賞を獲るだけで、マスコミの取り上げ方は大きくなります。最近だと、朝吹真理子が2011年に2