日本理化学研究所が開発した、クラタ式油化還元装置という廃プラを一瞬にして灯油にしてしまう装置について調べてみた。 背景 この装置を知ったきっかけは、「トンデモ本の世界R(と学会)」だ。同P140にて紹介のある「水を油に変える技術(倉田大嗣 )」には、電磁波を用いて低温でプラスチックを分解でき、プラスチックを投入してから3秒で精製済み灯油が出てくる倉田式廃プラ油化還元装置について書かれているそうだ。この装置は安来市からの廃プラを毎日15トン処理しているという。 しかし、だ。なんか、最初から最後までおかしい気がする。 1. 電磁波を用いて低温でプラスチックを分解することは可能かもしれない。しかし、プラスチックの分子を軽油程度の分子にまで分解するためには断ち切ったプラスチック分子の端っこに水素原子等を付ける必要がある。この水素はプラスチックの外から供給する必要があるため、反応はプラスチック塊の表