実際に治療効果のない偽薬や治療を受けたにもかかわらず、なぜか効いてしまう。これはプラセボ効果と呼ばれるものだ。なぜ偽の薬で治ってしまうのか?その詳しいメカニズムは長い間謎に包まれていた。 だが新たな研究によって、そのメカニズムの一部が解明されたかもしれない。 ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームは、マウスを騙して痛みが和らいだと感じさせる実験を考案した。この時にプラセボ効果による痛みの緩和に関連する脳領域をピンポイントで発見した。 それは痛みに関連する「前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)」と、これまで痛みには関係がないとされた「橋核(きょうかく)」との間にある場所にあった。