◇性別空欄で出生届/学校側は治療に難色 この夏、東日本の高校1年、空さん(15)=仮名=は、ずっと気になっていた出生時のことを母に尋ねた。母はこう教えてくれた。 「あなたが生まれてすぐ、お医者さんに『男の子にするより手術が簡単だから、女の子にしましょう』って勧められたの。でもお父さんとお母さんは悩んで『このまま育てて、本人に決めさせたい』ってお願いしたのよ」 空さんの体には卵巣と精巣がある。染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」。外見で男か女かを判断できなかったため精密検査を受け判明した。両親は性別欄を空欄にしたまま出生届を出した。医師は顔をしかめたという。 最初のハードルは幼稚園に入る時だった。制服を男女どちらかに決めなければならなかった。体が弱かったこともあり、両親はひとまず「女」を選んだ。 空さんは自分が男女どちらかを意識することもなく伸び伸びと育った。周囲にすすめ