無人タクシーやライドシェア、ドローンを使った配達など、近年急速な進化を遂げた中国のIT・デジタル事情。その成長の中心には、もはや中国のインフラとなった「スーパーアプリ」の存在がある。中国社会の利便性を一変させたスーパーアプリと、その革新性について解説する。 中国のインフラとなったモンスターアプリ 「中国のIT製品・サービスは、安いけれど品質は悪い」という通説は、令和の時代において、完全に過去のものになってしまった。 世界的に有名な通信機器大手・ファーウェイは、スマートフォンのチップ「Kirin9000S」を独自開発し、現在iPhoneの中国市場におけるセールスに大きな打撃を与えている。また、北京市では無人運転タクシーが営業運転を始め、深圳市ではドローンが高層ビル群の間をすり抜けて食品をデリバリーし、上海市では無人カートが宅配便を運んでいる。 そういったデジタル化のなかでも、2016年ごろか