今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔8月24日号掲載〕 日本がここまで世界の笑いものになる例がほかにあるだろうか──人気グループ「嵐」が日本観光を呼び掛ける観光庁のキャンペーンだ。観光庁は日本を、歴史的な遺産も自然もなく、若者が君臨する国として世界に宣伝したいようだ。 豊かな文化がある日本で、なぜ外国人観光客が少ないのか。以前から不思議だったが、なるほど観光庁のせいだったのだ。今回のキャンペーンは日本のイメージをおとしめるために北朝鮮のスパイがたくらんだのかと思うほど。だが日本を笑いものにしているのは日本人自身だ。 知的な読者を前に非常に心苦しいが、観光庁が制作したPR映像を見ていない人のために内容を説明しなければならない。これを読んで、見たくないと思ってもらえれば本望だ。 嵐のメンバーがそれぞれ日本の観光地を訪れ、招き猫のまねをして「ニャー」と鳴く。それだけだ。この映像は7月から世界