京都アニメーション放火殺人事件の死刑判決を伝える報道陣(右側)と京都地裁前に集まった大勢の人たち=2024年1月25日午後1時44分 今年に入り、京都アニメーション放火殺人事件や、犯行当時19歳の少年が起こした甲府市の放火殺人事件の公判で相次いで死刑判決が言い渡された。命を奪う「究極の刑罰」だが、国は死刑を巡る情報開示に消極的だ。外部との交流を厳しく制限された確定死刑囚への書面取材から、秘密のベールに包まれた極刑の裏側を見つめた。 【現物写真】「死期が迫る…」死刑囚から届いた書面 ■獄中から届いた死刑囚の手紙は、丁寧な文字でつづられていた 〈毎日、自分が執行されるのではとおびえている。夜が明けるごとに脂汗をかき、針1本が落ちる音も聞き逃すまいと、職員さんの行動に異常なくらい敏感になり、朝食の味が分からないほど緊張する。朝が怖く、憎いとさえ思う〉 獄中から届いた10枚の便箋は丁寧な手書きの文