2020年の夏季オリンピック・パラリンピック開催地が東京に決まったことで、首都圏では鉄道新線の建設などインフラ整備の促進が期待されている。 こうしたなか、ひっそりと消えた鉄道新線構想がある。本八幡(千葉県市川市)~新鎌ヶ谷(鎌ヶ谷市)間を結び、千葉ニュータウンの「もう一つ」の鉄道ルートとなるはずだった「東京10号線延伸新線(旧・千葉県営鉄道北千葉線)」だ。9月3日、千葉県と市川市、鎌ヶ谷市でつくる「東京10号線延伸新線促進検討委員会」が解散し、事業化に向けての検討が中止された。 北千葉線は、ひじょうに複雑な経緯をたどった幻の鉄道路線として知られている。 1960年代後半、千葉県北部の北総台地に千葉ニュータウンを建設することが計画され、東京都心とニュータウンを結ぶ通勤鉄道の整備もあわせて計画された。1973年時点の計画ではニュータウンの規模から2本の通勤鉄道が必要とされ、東京都交通局の10号