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海燕の検索結果1 - 28 件 / 28件

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海燕に関するエントリは28件あります。 オタクマンガ などが関連タグです。 人気エントリには 『宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。|海燕(オタクWebライター)』などがあります。
  • 宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。|海燕(オタクWebライター)

    宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。 1000スキありがとうございます! さらに調子に乗っておまけとして有料文章30000文字を追加してみました。有料ではありますが、宣伝ツイートをRTしていただくと無料で読めます。くわしくは↓の有料個所から飛んでください。無料でもぜんぜんかまわないので、ぜひ読んでみてください。よろしくお願いします。 昨日、宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来、10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』が公開されたので、ひとりのアニメファンとして当然ながら初日初回で見てきた。 個人的にはリッチなアニメーションと幻想的なストーリーテリングを楽しんだが、予想通りというかいつものことというか、ネットでは賛否両論である。 それ自体はおおよそ想像できた展開ではあるのだが、予想外だったのは「ストーリーがわからない」という

      宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。|海燕(オタクWebライター)
    • いまこそ百田尚樹に読ませたいジェンダーSF傑作33選。|海燕(オタクライター)

      百田尚樹、「30越えたら子宮摘出(笑)」「これSFやで(笑)」ってマジで言ってるじゃん。ミソジニーと優生思想の言い訳に"SF"が使われてるの、怒り湧きません?おれはマジでムカつきますけど。 https://t.co/LrCROy527K — 東京ニトロ🌆トウキョウ下町𝙎𝙁アンソロジー₀₉₃₀掲載🍉 (@tokyonitro) November 9, 2024 と、そういうわけで、われらがあらぶる失言王、保守界隈の大看板、ネトウヨ業界のビッグスターこと百田尚樹さんがまたまたろくでもない理由で炎上しているようだ。 まあ、発言もとんでもないのだけれど、そのイイワケに「SF」をもちいるところがまたいやらしいということで、SF作家やファンの皆さんはだいぶ怒っておられるみたい。 いや、その怒りは完全に正当にして当然だと思うわけなのだが、百田さんが重度のセクハラオヤジ病にかかった可哀想なキャラ

        いまこそ百田尚樹に読ませたいジェンダーSF傑作33選。|海燕(オタクライター)
      • (修正中)|海燕(オタクライター)

        オタク/サブカルチャー/エンターテインメントに関する記事を執筆ちう。最近の仕事は『このマンガがすごい!2025』における特集記事、マルハン東日本のウェブサイト「ヲトナ基地」における連載など。このnoteでは主に「アニメ、マンガ」や「専門書を含む本」、「映画」について書いています。

          (修正中)|海燕(オタクライター)
        • もう気づいてる? BLから百合からビッチ(?)まで、いま、台湾マンガがめちゃくちゃ熱い!|海燕(オタクWebライター)

          いや、タイトルの通り、いま、台湾からの翻訳マンガがひじょうに面白いことになっているので紹介しようという趣旨の記事なのですが、じつはほんの何日か前までぼくはその事実をまったく気づいていなかったので、あまり偉そうに「え、知らないの? 情弱乙www」とかドヤれないんですよねー。 まあ、ふつう知らないし、そもそも想像だにしないよね、台湾マンガがここまで面白いということは。 「ここまで」ってどこまでだよ、と思うかもしれませんが、ほんとに面白いんです、台湾のマンガ。もちろん、日本で翻訳され出版されている作品はその市場のなかの「トップ・オブ・トップ」、限られた最高傑作の一群なのだろうとは思うけれど、それにしてもめちゃくちゃ出来が良い。 ぼくはBLから百合まで出ているものをひと通り読んでみましたが、なんというかふつう、翻訳ものに付きまとうはずの「何かちょっと違うな」という「違和感」が皆無なんですよね。 映

            もう気づいてる? BLから百合からビッチ(?)まで、いま、台湾マンガがめちゃくちゃ熱い!|海燕(オタクWebライター)
          • なぜヤン・ウェンリーと葛城ミサトはそっくりなのにまるで似ていないのか。|海燕(オタクライター)

            ①葛城ミサトは女性版ヤン・ウェンリー??? しばらくまえに『銀河英雄伝説』のいっぽうの主人公ヤン・ウェンリーは『エヴァンゲリオン』シリーズの葛城ミサトと似ているということで話題になったポストがあったな、と思って調べてみたら、見つかった。これだ。 銀英伝キャラ女性化がまた盛り上がりそうですが、ヤン・ウェンリーを女性化する場合、有能だけど酒呑みで家が汚なくて年下の同居人に家事をすべて任せてるベレー帽の似合う青髪のアラサー女、という最適解が居るのでここに紹介しておきますね pic.twitter.com/B4CdtMw3DQ — 中島さかえ@喪中 (@sakaetype21) April 10, 2018 じっさい、いわれてみるとなるほど、というくらい共通項がある。 もちろん、単に似ているところだけを取り出して語っているだけではあるわけだけれど、このふたりの両方を知っている人ならちょっと笑ってし

              なぜヤン・ウェンリーと葛城ミサトはそっくりなのにまるで似ていないのか。|海燕(オタクライター)
            • 『推しの子』はほんとうにひどい結末だったのか? 全力で再考してみた。|海燕(オタクライター)

              「メリーバッドエンド」という言葉があります。ネットで調べてみると、こんな意味。 広く物語において使われる表現形式。 物語を解釈する観点(パースペクティブ / perspective)や受け取り方次第で意味が変化する結末の総称・俗称を指す。 「メリーバッドエンド」の言葉自体は一般的に、物語の登場人物の誰か(多くの場合主要人物)にとっては幸福な結末だが、当人以外の周囲から見ると悲劇的な結末に見えてしまうシチュエーションに対して多く用いられる。 それ以外のエンディングを指して「メリーバッドエンド」と呼ぶのも定義的に間違ってはいないが、そう評する作品、人物は少なく、ビターエンドなどの別の表現で呼びならわされる傾向にある。 この記事のなかでは、先日、「圧倒的大不評」で完結を見た『推しの子』もまたこの「メリバ」の例のひとつに挙げられています。 しかし、『推しの子』はほんとうにメリバなのでしょうか? そ

                『推しの子』はほんとうにひどい結末だったのか? 全力で再考してみた。|海燕(オタクライター)
              • 男女のあいだに「対等な関係」は成り立つか?|海燕(オタクライター)

                ぼくは「成り立つはずだ」と思うのだ。が、完全な形でそれを描いた作品は、まだほとんど見ない。 ①インターネットはやめられない 苦虫うさるさんの記事「「男向けバトルモノ」と「女性向け恋愛モノ」を分けるのは「その人の魂とは何なのか」という価値観である。」を読んだ。 あまりに面白かったので、さかのぼって「「少女漫画の恋愛モノ」と「少年(青年)漫画のバトルモノ」は、だいたい同じことをしているのではないか。」も読み耽った。 こちらもたいへん面白い。 ぼくが色々な物語について考えてきたこととかなり近い論考でありながら、根本的なところで違っていて、自分の発想と照らし合わせることで非常に理解が進む。 とても納得度が高く、なおかつ勉強になった。こういう記事と出逢えることがあるからネットはやめられない。ありがとうございました。 これらは「男性向け」とされる物語(主に少年マンガのバトルもの)と「女性向け」とされる

                  男女のあいだに「対等な関係」は成り立つか?|海燕(オタクライター)
                • なぜ、現実逃避の異世界ファンタジーでわざわざ陰鬱な展開を求めるのか。|海燕(オタクWebライター)

                  上記の画像のような主張をする人は少なくない。 いや、ほんとうになぜなんでしょうね。 ふつうに考えたら、異世界ファンタジーなんてただご都合主義で自分の「性癖」に合い、「地雷」を避けていればそれで良さそうなものだ。 それなのに、なぜぼくは――ぼくたちは、その次元を離れた作品を求めるのか。この記事ではそのことについて少し思いめぐらせてみたい。 さて、そのまえにそもそも面白い作品とは何か、面白いマンガを描くにはどうすれば良いのか? そのことについて考えてみる必要がある。 これは、もちろん「そんなことわかっていたらいまごろ自分で描いて大金持ちだよ」という種類の問いではある。 アリストテレスの以来二千年余り、物語のつくり方に関するさまざまな理論が打ち立てられ、打ち捨てられ、少しずつ「どうすれば面白い物語をつくることができるか」という秘密に関する議論は進んできた。 その蓄積はハリウッドを初めとして、さま

                    なぜ、現実逃避の異世界ファンタジーでわざわざ陰鬱な展開を求めるのか。|海燕(オタクWebライター)
                  • 左派論客による「攻撃的な弱者男性」批判のここが納得できない。|海燕(オタクライター)

                    「弱者男性」は、どこまで弱者か? そして「左派リベラル」は、どこまで弱者の味方なのか? ①『現代ネット政治=文化論』 藤田直哉『現代ネット政治=文化論 AI、オルタナ右翼、ミソジニー、ゲーム、陰謀論、アイデンティティ』を読んでいる。 いささか無節操なほどテーマを詰め込んだサブタイトルからもわかる通り、既存の原稿をまとめた、かなり雑然とした内容ではあるが、非常に面白い。 書き下ろしの序文「はじめに」で書かれているように、この本一冊をつらぬくテーマは「インターネットの現在」とそこでうごめく「弱者男性」たちである。 藤田は自分の来歴についてこう書く。 一時期、一年ぐらい引きこもってネットばかりやっていた。そのあと、なんとか大学に行ったはいいが、就職もせず、フリーターになり、ネットカフェ難民が「ドヤ」に使っているような歌舞伎町の漫画喫茶で店員をしながらブラブラしていた。 そのときの年収は一五〇万円

                      左派論客による「攻撃的な弱者男性」批判のここが納得できない。|海燕(オタクライター)
                    • 『ジークアクス』はなぜ重層的かつ同時多発的な【カーニバル消費】を起爆したのか。|海燕(オタクWebライター)

                      もちろん、スキャンダルなどで炎上しているということではない。大人気で燃え上がっているという意味である。 ぼくはこの作品(のとくに前半)はそこまで高く買わないかなと思ったのだけれど、これほど人気と評価が沸騰しているからには「何か」があると見なければならないことはたしかだろう。 ひとつのアニメがこんなに集中的に話題になり、しかも絶賛一色というのはひさしぶりのことであり、注目に値する。 いや、公開から時間が経つにつれ批判的な意見もぽつぽつ見られるようにはなっているが、それにしても圧倒的に評価が高いように思う。「庵野さんの脚本にしてはまあまあかな」などといっていた自分が斜にかまえた痛い奴であるかのように思えてくるくらいである。 いったい、いま、「何」が起こっているのだろう。あらためて考えてみることにしたい。 いま、盛大な「祭」が起こっている。 『ジークアクス』の公開によって何が起こっているのか、と

                        『ジークアクス』はなぜ重層的かつ同時多発的な【カーニバル消費】を起爆したのか。|海燕(オタクWebライター)
                      • 山本弘とは何者だったのか? 新刊『山本弘論』でことし早逝した作家の文業を解剖します!|海燕(オタクライター)

                        井戸に落ちた幼い子供、助けるべきか? 見捨てるべきなのか? さて。ことし12月30日のコミックマーケット105、「ウ-36b」にて、新刊『山本弘論 -この、くそったれな世界に、精一杯のアイをこめて』を頒布します。 先日、亡くなった作家の山本弘さんの作品や業績について批判的に分析した一冊。数か月前にnoteにアップした話題となった未完の記事に加筆修正を加え、最後まで完結させた本でもあります。 ここでの「批判的に」とはほんとうにそのままの意味で、あるいは「山本弘批判」とか「反・山本弘論」といったタイトルがふさわしいかもしれないくらい、全体に山本さんの「思想」を問題視した内容になっています。純粋なファンの方が読んだらむしろ腹が立つかも。 とはいえ、いわゆる「アンチ」的な内容かというとそうではなく、ぼくなりに愛情と敬意をこめて書いたつもり。もとの文章の段階で相当な「問題作」でしたが、それをさらに徹

                          山本弘とは何者だったのか? 新刊『山本弘論』でことし早逝した作家の文業を解剖します!|海燕(オタクライター)
                        • 政治権力は悪なのか?|海燕(オタクライター)

                          先日、いつも言葉のあらしが吹き荒れている混沌の地であるところのぼくらのX(元Twitter)で、このような話題がありました。 「日本のフィクション作品」は「公権力が悪役である作品が少ない」ということなのですが、はっきりいってひじょうに目の粗い話なので、これ自体はどうということはありません。 じっさいのところ、反体制側が公権力を打倒する話も探せばいくらでもあるだろうし、現実にいくつものタイトルが挙げられている。 そしてまた「多い/少ない」にはしょせん主観以上の基準がありません。さらにいうなら、何をして体制と呼び、反体制と考えるかも人によって違っているところでしょう。 つまり、厳密な議論に堪える強度を持たない言説に過ぎないわけです。 ただ、ここから派生していける話はちょっと面白い。「それでは、物語のなかで公権力、あるいは反権力はどのように描写されるべきなのか」というテーマですね。 この問題、い

                            政治権力は悪なのか?|海燕(オタクライター)
                          • なぜ、ゴンは見ず知らずの船員を助けるために嵐の海へ跳んだのか?|海燕(オタクWebライター)

                            数日前、年末のコミックマーケット(C105)で頒布する同人誌を完成させ、入稿しました。タイトルは『山本弘論』。亡くなった小説家・山本弘さんの「思想」や「行動」について論じた本です。なかなかの自信作。面白いですよ。ぜひ買って読んでみてください。 それは良いのですが、全七章で書き終えた端から新しい資料を見つけ、新しい着想が生まれて困っています。これはブログで記事を書くときにも起こる現象なのですが、何かをひとつの形にまとめるということは必ずそこに収まり切らない「余剰」を生み出すことでもあるのですね。 で、この場合、その「余り」とは主にフランソワ・ジュリアンの『道徳を基礎づける』や山竹伸二『共感の正体』、若松英輔『はじめての利他学』、近内悠太『利他・ケア・傷の倫理学』、小田亮『利他学』、ジェシー・マーソン『アダム・スミス 共感の経済学』といった本から来ています。

                              なぜ、ゴンは見ず知らずの船員を助けるために嵐の海へ跳んだのか?|海燕(オタクWebライター)
                            • 宗教、オカルトからスピリチュアルまで。なぜ、ひとは非科学の世界にハマってしまうのか。|海燕(オタクライター)

                              〈スピリチュアル〉のブームが続いています。 ためしにnoteに「スピリチュアル」と打ち込むと、いくつもこの概念を扱った記事が出てくるくらい。 そのなかには医学的な「スピリチュアルケア」や「スピリチュアルペイン」といった言葉に関するものもあるようですが、多くはもっと「非科学的」な分野に関する記事です。 なぜ、ひとは〈宗教〉にしろ〈オカルト〉にしろ〈スピリチュアル〉にしろ、UFOだ天使だ幽霊だ占いだとこうも「非科学的」な分野に惹かれるのでしょうか。以下、この興味深い問題について少し考えてみたいと思います。 ①「あいつらは愚かだから」論の陥穽 〈スピリチュアル〉ないし名詞の〈スピリチュアリティ〉について考えるとき、ぼくはどうしても批判的な立場に立ってしまう自分に気づきます。 何といってもぼくはいちおうは科学の論理を信奉する人間であり、その種の「非科学的」な言説に対しては、どうしたって怪しげなしろ

                                宗教、オカルトからスピリチュアルまで。なぜ、ひとは非科学の世界にハマってしまうのか。|海燕(オタクライター)
                              • 【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第一回:インターネット編)|海燕(オタクWebライター)

                                【訃報】 去る3月29日午前10時12分 山本弘は誤嚥性肺炎のため永眠いたしました 葬儀につきましては近親者のみで執り行いました 生前中のご厚誼に深く感謝申し上げると共に 謹んでお知らせいたします pic.twitter.com/ZIY5YLI00T — 山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 (@hirorin0015) April 4, 2024 山本弘さんが亡くなられた。 といっても、もちろんご存知ない方もいらっしゃることだろう。 そういう人のなかにも「トンデモ本」という概念を生み出したあの「と学会」の初代会長といえば、「ああ」と思いあたる方もいるかもしれない(この記事の公開後、「トンデモ」はと学会の創始ではないというご指摘を受けました。謹んでお詫びし訂正いたします)。 じっさいには、かれの功績はそこに留まるものではなく、あるときは凄腕SF作家、あるときは良く喋るゲームマスター、あると

                                  【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第一回:インターネット編)|海燕(オタクWebライター)
                                • 「メタ正義論」は果てしなく続く「右」と「左」の千年戦争を終わらせられるか?|海燕(オタクライター)

                                  いつまでもこの争いは続くのだろうか? それぞれの「正義」が延々とあいてを一方的に「論破」しつづけるこの不毛な戦争は? それを乗り越えるためにはそれぞれの正義を超える正義、つまり「メタ正義」が必要なのかもしれない――。 ①マンガ『日本沈没』のここが納得いかない 『日本沈没』というマンガをご存知だろうか。1970年代にスーパーベストセラーとなった小松左京の小説を、大筋はそのままに平成の日本に舞台を移した作品である。 迫力ある筆致で原作を再現していてなかなか面白かったのだが、ぼくが読んでいてどうにも疑問に感じたのが作中の苛烈をきわめる「日本批判」だった。 このマンガ版『日本沈没』では、最初から最後まで一貫して「日本という国がいかにどうしようもない追い詰められた状況にあるか」が縷々述べられているのだが、それがどうにも納得がいかなかったのだ。 べつに「日本はほんとうはスゴイ国なのにこんな愚かな調子で

                                    「メタ正義論」は果てしなく続く「右」と「左」の千年戦争を終わらせられるか?|海燕(オタクライター)
                                  • 「べつの価値観がある」ことを理解できない人もいる。|海燕(オタクライター)

                                    なぜ、ぼくたちはある作品の評価についてすれ違い、わかりあえず、合意を形成できないのか? 考えてみた。 ①どの作品にも「力点」がある、という考えかた 「なろう系」とか「なろう小説」と呼ばれている異世界ファンタジー作品についてまた考えている。 この手の作品は、しばしば安っぽいとか薄っぺらだとかいって批判されている。そういう声を聴くたびに、ぼくは「それはそうだけどさ」と感じてきた。 たしかに「なろう系」は多くの場合、薄っぺらい。安っぽいところもあるだろう。 『オルクセン王国史』シリーズのようにかなり重厚ななろう小説もまああるわけだが、それはむしろ例外的な存在であって、やはり大半の作品は長大ではあっても設定や描写の厚みを欠く。

                                      「べつの価値観がある」ことを理解できない人もいる。|海燕(オタクライター)
                                    • 『リコリス・リコイル』はドストエフスキーの児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ!|海燕(オタクWebライター)

                                      『リコリス・リコイル』はドストエフスキーの児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ! ども、皆さん、アニメ『リコリス・リコイル』観ています? めちゃくちゃ面白いですね! 後世に残る名作かといったら必ずしもそうとはいえないと思うのだけれど、少なくとも「いま」、このときにリアルタイムで見る作品としては破格に面白い。 一方でいったいこの面白さの正体は何なのだろうと考えてみてもうまく言語化できないわけで、何かこう、隔靴掻痒のもどかしさを感じないでもない。第一話を観た時点で直観的に「これは新しい!」と思ったのだけれど、その「新しさ」を言葉にしようとするとうまくいかない。 そこで、以下ではなるべくていねいに『リコリコ』の「面白さ」と「新しさ」を的確な言葉に置き換えていきたいと思う。読んでね。 さて、まず、いま人気絶頂の『リコリコ』についていえることは、これが何か非常に「不穏なもの」を

                                        『リコリス・リコイル』はドストエフスキーの児童搾取テーマに通じるメタアイドルサバイバルアニメの傑作だ!|海燕(オタクWebライター)
                                      • 超名作確定! 少年マンガ史上最大のサプライズの「その先」で『龍と苺』は何を描いているのか。|海燕(オタクライター)

                                        龍と苺、やはり尋常な漫画じゃないな…(最後のページ眺めながら) — 新庄ジン (@jin_kanji) February 5, 2025 世間は『フリーレン』に夢中かもしれないけれど、真のマンガ読みは全員が全員、『龍と苺』に注目しているはず! このマンガ、1年ほどまえに「少年マンガ史上空前のサプライズ超展開」を迎えていまして、そのとき、ぼくはこう書きました。 ぼくはこういうサプライズ大好きだけれど、『龍と苺』の場合は今後、どのような展開をたどるのかまったく見えない。名作に仕上がるか、駄作に堕すか……。いやはや、今後のお話に注目です。 しかし、いまなら断言して良いでしょう。もう「超名作」に確定です! しかもあのとき、乾坤一擲の「超展開」だと思われたものは決して「超展開」じゃなく、完全に計算し尽くされた精密な演出だったことが時間が立つほどにわかってきています。何だこれ。何だこれ。 「歴史的名作

                                          超名作確定! 少年マンガ史上最大のサプライズの「その先」で『龍と苺』は何を描いているのか。|海燕(オタクライター)
                                        • 荒木飛呂彦は『ジョジョ』でどう相対主義と向き合ったのか。|海燕(オタクライター)

                                          今…感じる感覚は……おれは「白」の中にいるということだ…DIOは「黒」!  ジョースターさんたちは「白」  「黒」と「白」がはっきり別れて感じられるぜ! 傷ついた体でも勇気が湧いてくる 「正しいことの白」の中におれはいるッ! 『ジョジョの奇妙な冒険』より しかし――その後の『ジョジョ』ではしだいに善悪が混沌としていく。それでは、結局のところ、荒木飛呂彦もまた「相対主義」の誘惑に屈したのだろうか? 「相対主義」という概念 相対主義という言葉がある。ネットで検索してみると、「哲学で、人間の認識や評価はすべて相対的であるとし、真理の絶対的な妥当性を認めない立場。」という説明が出てくる。 また、よく現代哲学のポストモダン思想は相対主義的である、などといわれる。ただ、哲学史においてどのような深遠な議論があったのかはぼくにはよくわからない。 ここで重要なのは「世の中にはそれぞれ異なる意味をもつ複数の価

                                            荒木飛呂彦は『ジョジョ』でどう相対主義と向き合ったのか。|海燕(オタクライター)
                                          • 宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き(ちょっと上級編)。|海燕(オタクWebライター)

                                            昨日、「宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。」と題する記事を書いた。 https://note.com/kaien/n/n60f311211017 これが、意外にというか、非常に好評だったようで、現時点で600以上の「スキ」を獲得している。 ぼくとしてはわりと常識的というか、いってしまえば基礎的な内容に留めた記事だったのでいくらか意外に思うと同時に、「そうか、この種の記事の必要性があるのか」といまさらながらに気づかされた。 ぼくのようなオタクの考えることは時とともにどうしても専門的に、マニアックになっていく傾向がある。 その際、一度語ったことはいわば「常識」とみなして「その先」を語りたいという欲求が強い。 しかし、あまりにあたりまえのことだが、いくらぼくが「常識」とみなしていても読者にはまったく共有されていない知識がほとんどなのである。 ごく少数

                                              宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き(ちょっと上級編)。|海燕(オタクWebライター)
                                            • 話題の近刊『なぜあのキャラは死ななければならなかったのか?』を読み上げた。いや、ほんとになぜなんだよ!|海燕(オタクライター)

                                              ①どうしても納得がいかないことの話をさせてください 人生にはおいては必然、納得がいかないことは色々と起こるもので、いいオトナともなればそういうことをちゃんと呑み込んで淡々と生きていくことが大切なのうがー知るかーまったく納得がいかーん! 何の話かといえば、きょう読みあげたばかりの『なぜあのキャラは死ななければならなかったのか?』という新書のことなんですけれど、とにかくもう納得度の低さがハンパない。 この手のサブカルチャー批評の本はそのクオリティが玉石混交なのはわかっていたことだが、この本は残念ながら「石」のほうといわざるを得ない。 以前にも書いたが本とは内容を鵜呑みにする前提で読むべきものではなく、批判的に検討することで何かを得られるのならそれはそれで良い読書体験といえると思う。 しかし、それにしてもこの本は疑問を感じるところが多い。日本のアニメを「死」を切り口にして一望するという切り口は良

                                                話題の近刊『なぜあのキャラは死ななければならなかったのか?』を読み上げた。いや、ほんとになぜなんだよ!|海燕(オタクライター)
                                              • ことしもありがとうございました。ぼくたちの素晴らしきコミックマーケット。|海燕(オタクWebライター)

                                                きのう、第105回目のコミックマーケット(通称C105)が終わりました。 ぼくも参加して同人誌『山本弘論』を頒布し(コミケでの物品の取り引きは販売ではなく頒布と呼ぶ)、そこそこの売り上げを記録したわけなのですが、コミケと打ち上げから一夜経ち、あらためて実感させられるのは、その奥深さと素晴らしさ。 ぼくは数年ぶりのコミケ参戦だったのだけれど、ひさしぶりに体験するとやはりまた来てみようかな、という気持ちにさせられます。 そう、コミケ、とくに頒布する側でのサークル参加には、何度くり返しても「またこんども」と思わせられるでたらめな魅力が存在するのです。 しかし、サークルとして参加するためにはかなりの手間暇と金銭がかかるわけで、やったことがない人の目からは「何を好き好んでもの好きな」という風に見えるかもしれません。 そこで、今回はコミケで本を売って楽しんだ熱気も冷めやらないうちにその底知れない魅力を

                                                  ことしもありがとうございました。ぼくたちの素晴らしきコミックマーケット。|海燕(オタクWebライター)
                                                • 夢みる権利を主張したい。|海燕(オタクライター)

                                                  いつもそうなのだが、このnoteに書くことはぼくの思考の断片である。 たぶんみんなそうなのではないかと思うのだが、ぼくはいつもなにか気になったことを頭の片隅で考えていて、それがはっきり言葉の形をとるたびにここに書きつけているわけだ。 言葉の形になったとはいっても長い長い思考のプロセスの一部であることに変わりはなく、さらに変化していく途上にあるので、決して「完成形」といえるものではない。 いってしまえば、ああでもない、こうでもないという、その思い煩いをそのままに書き留めているに過ぎないわけである。 ほんとうならその段階では人前には出さず、もっと明快に洗練されてから書くべきなのかもしれないが、一面では書くことによって思考がまとまるともいえるわけで、やはりぼくにとってはどうしても書き残しておくことが必要なようだ。 とはいえ、いままさに考えている途中のことを書いてしまうことにはやはりちゅうちょもあ

                                                    夢みる権利を主張したい。|海燕(オタクライター)
                                                  • 亡きシェフの味、私たちが守る 本郷のロシア料理店「海燕」 アルバイト奮起 12月まで営業継続:東京新聞 TOKYO Web

                                                    文京区本郷のロシア料理店「海燕(かいえん)」。おじいちゃんシェフとアルバイトの心温まる掛け合いを紹介したツイッターが話題だったが、今年七月、シェフの毛塚幸雄さん=写真、店提供=が七十三歳で亡くなった。シェフが愛した店を守ろうとアルバイトたちは奮起。十二月末までの期間限定だが、懐かしい味を求めて常連客が訪れている。

                                                      亡きシェフの味、私たちが守る 本郷のロシア料理店「海燕」 アルバイト奮起 12月まで営業継続:東京新聞 TOKYO Web
                                                    • 【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第二回:小説作品編前編)|海燕(オタクWebライター)

                                                      すでに人類が滅亡しかけた近未来から物語を始め、七つの短編を通して人類衰退の由縁を探っていく「箱物語」的に卓抜な構成、全編にただよう人間と人類に対するアイロニカルな視点、いずれも山本弘らしさ全開だ。 しかし、このAmazonでも非常に評価が高い『アイの物語』、あまり指摘されないのだが、非常に問題含みの作品でもある。 面白く読めることは間違いないものの、内容的に、そしてまた思想的に、どうにも受け入れがたいものがあるのである。 特に山本弘作品を続けて読んでいると、そこにあまりにも赤裸々に作者の思想が開陳されていることがわかって辟易させられる一面がある。 そう思っていたのはぼくだけではないらしく、きのう読んだやはり山本さんへの追悼の記事が、その『アイの物語』を取り上げてかなり手きびしく批判していた。 ぼくはここまで辛辣にいい切ってしまうつもりはないが、この記事に書かれてあることにはほぼ全面的に賛成

                                                        【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第二回:小説作品編前編)|海燕(オタクWebライター)
                                                      • 町山智浩さん、誹謗中傷をやめてください。|海燕(ライター)

                                                        町山智浩さんの佐々木俊尚さんに対する中傷が止まらない。かれはTwitterでこのように発言している。 安倍政権に対する批判のなかで病気などを揶揄したものはほんのわずかで、大部分は政策批判です。しかし、佐々木俊尚はわずかな病気揶揄だけを取り上げて、政権批判があたかも誹謗中傷ばかりであるように印象操作してるんですよ。そんなの読めばわかるでしょう。 https://twitter.com/TomoMachi/status/1277423493785587712 数々の無責任や政策や人事、改竄、公選法違反などで現政権が批判されているのに、「悪口はエンターテイメント」などと決めつけて、政権批判をネットの誹謗中傷へと矮小化をはかる、佐々木俊尚のいつものステルス・ファシストしぐさ。 https://twitter.com/TomoMachi/status/1277296817328123904 現代社会

                                                          町山智浩さん、誹謗中傷をやめてください。|海燕(ライター)
                                                        • ほんとうに映画は幼稚な観客向けになったのか? 過去を美化し現在を否定する言説の問題とは。|海燕(ライター)

                                                          こんな記事を読んだ。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83647 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83706 「「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81647)の続編で、「映像作品の観客が幼稚になってきている。あるいは、幼稚な観客の感想がネットによって可視化され、それが作品にフィードバックされた結果、作品もまた説明過多の幼稚なものになって来ている」という趣旨である。 一読、なるほど、と思わせられる。たしかに、テレビ番組などは「説明過多」の傾向があるし、そこから論理的に考えるとそういう結論が出て来る。いや、まったくいまどきの映像作品は幼稚かつ低俗で困ったものだ……。 うん? ちょっと待て。ほんとうにそうだろうか? 

                                                            ほんとうに映画は幼稚な観客向けになったのか? 過去を美化し現在を否定する言説の問題とは。|海燕(ライター)
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