猪瀬: こんど復刊した田原さんの『原子力戦争』(ちくま文庫)。これは1976年のものなんだけど、実は田原さんの本はいっぱい読んでるんだけど、これは読んでなかったのね。で、このあいだ読んで、「ああ田原さん、こんなことをやっていたんだ」と驚いた。 40歳くらいでしょ、当時。パワフルなんだよ、とにかく。だいたいいまの原発の賛成だとか反対だとか、単に賛成反対と言うよりももっといろいろなバックグランドを巡る議論の背景とか、あるいはいろんなファクトそういうものが一通り全部書いてある。この構図の中に実は全部あるのね。田原さん、とにかくパワフルだったよ。 田原: いやいや。若いからね。 猪瀬: 『ドキュメント東京電力企画室』、これも30年くらい前でしょ。 田原: 32年前ね。 猪瀬: 僕がこの仕事を始めたころですよ。これも『原子力戦争』に続くパワーを感じる。やっぱり話が繋がっているわけね。 田原: そう