海外のミステリーといえば、まずはアメリカやイギリスの作品、古くはフランスものも親しまれた。 ところが近年は北欧作品がブームとなり、ドイツや南アフリカなどまで、百花繚乱(りょうらん)と言えるほど多様化が進んでいる。 北欧の5大使館合同でのミステリーフェスが11月22日、東京都豊島区の立教大学で開かれた。女性作家のカミラ・レックバリさん(スウェーデン)、レーナ・レヘトライネンさん(フィンランド)らが登壇したイベントは、参加者300人を超え、北欧作品の人気が定着したことを印象づけた。 スウェーデンでは、1960~70年代に「マルティン・ベック」シリーズ、90年代にはヘニング・マンケル「刑事ヴァランダー」シリーズなどの社会派ミステリーが刊行されてきた。そして2005年から本国で刊行が始まったスティーグ・ラーソン『ミレニアム』3部作(ハヤカワ文庫)が全世界で6000万部を超え、日本でも単行本と文庫で
