今年3月11日14時46分18秒に発生したマグニチュード9.0という未曽有の巨大地震と、その後の大津波。そして福島第一原子力発電所の重大事故。 この「東日本大震災」の状況を撮った17人の写真家たちの作品を編集した写真集『東日本大震災――写真家17人の視点』(アサヒカメラ特別編集:朝日新聞出版)が刊行された。それは写真とは何かを、静かに、そして根底から問いかけている。 白地に本のタイトルと写真家の名前だけがデザインされたシンプルな装丁。内容は篠山紀信、野町和嘉、瀬戸正人、立木義浩、横木安良夫、鬼海弘雄、大石芳野、桃井和馬、石川梵、Q.サカマキ、岡原功祐、岡田敦、幸田大地、太田康介、広川泰士、大西みつぐ、平間至という、日本の写真界の重鎮から若手写真家たちの写真62点で構成され、作家・松山巖の寄稿もある。 大震災以後、「報道」という視点で編集された多くの写真集が出版されたが、この写真集はそれ