和歌山県串本町で昨年12月、和歌山市の中学生がイットウダイ科の夜行性の魚「クラカケエビス」を発見した。見つけた経緯や個体の特徴などを専門家のチェックを経た査読付きの論文にまとめて報告。標本が海南市船尾の県立自然博物館で展示されている。同館によると、国内では土佐湾以南で分布が確認されているが、本州では初記録になるという。【橋本陵汰】 発見したのは和歌山市立東中3年の堺響暉さん(15)。よく魚を捕るという串本町潮岬の岩場で昨年12月9日に採取し、「見たことがない魚だった」ことから、同館に相談したという。当時、同館の学芸員だった摂南大農学部の国島大河講師(33)が調べたところ、クラカケエビスだと分かった。全長は5・5センチで幼魚と考えられる。 高知県や小笠原諸島などでは発見されていたが本州では初めてで、さらに国内での北限記録となり、分布域を残すために論文を執筆することになった。発見されたクラカケ