◇駅南口再開発、周辺波及薄く ソフト面の工夫、課題 1月3日、JR八王子駅ビルの「そごう八王子店」。買い物客でにぎわう新春の店内は、「閉店売りつくし」「28年間のご愛顧、ありがとうございました」と書かれた赤いポスターが至る所に掲げられていた。 昨年2月の撤退表明から1年。市内で唯一営業を続けていた百貨店がとうとう今月末、八王子を去る。撤退理由は「周辺地域に客を奪われた」(親会社幹部)ことだった。 戦前から絹織物を扱う商都として栄えた八王子市。だが、駅前再開発を進めた立川市に次第に商圏を奪われ、伊勢丹や大丸、丸井などの大型百貨店の撤退が相次いだ。中心市街地の衰退は歯止めがかからず、97~07年で小売業者の年間販売額は1621億円から1187億円へと3割近く下落。さらに近年は、地検や地裁、小児病院など公的機関の流出も続き、八王子の「地盤沈下」を指摘する声は高まっていた。 こうした流れの中、そご