(2014年3月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) これをアベノミクスに対する「牛丼テスト」と呼ぶといい。日本が物議を醸す消費税引き上げを実施する4月1日、2大牛丼チェーンは正反対の方法で対応する。1社は値段を下げ、もう1社は値段を上げるのだ。 ファストフードチェーンの「すき家」と「吉野家」では現在、最も基本的なメニューの値段が全く同じ280円だ。日本のメディアは両社の対応の相違を「牛丼横並び」の終焉と名付けている。個々の企業と経済全体の両方にとって、3%の増税に絡む危険性を暗示する表現だ。 17年ぶりとなる消費増税は、企業の価格戦略と安倍晋三首相が育んできた景気回復に対する企業の信頼を試そうとしている。20年近く続いたデフレの後で、日本の消費者は物価上昇に慣れておらず、景気回復はこれまで消費者の所得を増やす効果をほとんど発揮していないため、多くの企業は売り上げを失うことを恐れ、値上