1.「キャリア自律」への注目 企業の人事労務管理や働く人々のキャリア形成に関わる議論の中で、徐々に取り上げられる機会が増え、今や中心的なトピックの1つとなっているのが「キャリア自律」という概念である。「キャリア自律」とは、「めまぐるしく変化する環境のなかで、自らのキャリア構築と継続的学習に取り組む、(個人の)生涯に渡るコミットメント」(花田・宮地・大木 2003)と定義され、企業の観点からは「従来組織の視点で提供されていた、人事の仕組み、教育の仕組みを、個人の視点から見たキャリアデザイン・キャリア構築の仕組みに転換するもの」(花田 2006)として捉えられる。 こうした考え方は1990年代後半から2000年代初頭にかけて打ち出された後、企業側でもキャリア形成の望ましいあり方として重視されるようになり(例えば日経連 1999、日本経団連編2006など)、実現に向けて様々な施策が行われてきてい
会社とチームの状況を多面的に捉える各種測定尺度、チェックリスト 会社とチームの状況に関する各種測定尺度、チェックリストの仕組みと使い方を紹介し、その結果と会社や組織の業績との関係などについても検討しています。 各種測定尺度、チェックリストを開発し、それを診断の基準となる、2千社、2万7千名のデータとともに公開。 一人ひとりが生きいきと力を発揮する職場にするための、職場と仕事を測る「ものさし」。 「働き方改革」を進めるための現状測定、効果測定に。また、ストレスチェック実施後、その背景や原因を探るために。 (本書では個人の結果は見ておらず、会社、チームを全体として評価しています。) 含まれる測定尺度、チェックリスト ワークシチュエーション:職場や仕事の現状チェック ジョブインボルブメント 職務満足-全般的職務満足感- キャリアコミットメント 組織コミットメント ストレス反応(ポジティブ反応とネ
表が示している要点はシンプルだが、考えさせられるところは小さくない。第一に、学業成績と満足度の二つが社会人力の向上に貢献している。学業成績がエンジニアとしての社会人力にプラスの効果をもたらすのは当たり前かもしれないが、学業成績を軽く安易に考えがちなメディアの教育言説には注意する必要があるだろう。加えて、学業成績に勝るとも劣らず、満足度の効果が大きいのは驚きである。この分析だけでなく、学校時代の満足度は、卒業後のキャリアのさまざまな局面にプラスの効果をもたらしていた。学校満足は、レジャーランドを消費的に楽しんだ場合の評価と同じではなく、5年間のキャンパスライフの総体を評価した指標である。満足して卒業するという意味の重要性を学校は重く受け止める必要があると思う。 社会人力を向上させるためには、学校時代の学びだけでなく、労働経験年数、および生涯学習と読書の頻度が重要だということもはっきりと現れて
労働政策研究報告書 No.191 キャリアコンサルティングの実態、効果および潜在的ニーズ ―相談経験者1,117名等の調査結果より 概要 研究の目的 キャリアコンサルティング施策の効果的推進にあたり、労働者属性や領域に応じたキャリアコンサルティングの実態及び効果のきめ細かい把握は不可欠となる。そこで、過去にキャリアコンサルティング(およびそれに類似した個別キャリア相談、以下、キャリアコンサルティング)を受けた相談経験者に調査を実施し、定量的な実態把握および分析を行った。あわせて、キャリアコンサルティングの未経験者にはその潜在的なニーズについて調査を実施した。以上の調査によって、今後の労働行政におけるキャリアコンサルティング施策全般に有益に活用しうるデータを提供することを目的とした。 研究の方法 本研究では、第一に、キャリアコンサルティング経験者に幅広く調査を実施し、回答を求めた。いつどのよ
特集趣旨 エッセイ 労働経済 スペンス『市場でのシグナリング活動』(PDF:650KB) 小野 浩(一橋大学教授) ジョヴァノヴィッチ「ジョブ・マッチングと転職の理論」(PDF:591KB) 瀧井 克也(大阪大学大学院国際公共政策研究科教授) ヘックマン「サンプルセレクションによるバイアスは特定化の誤謬によるバイアスと解釈できる」(PDF:1MB) 市村 英彦(東京大学大学院経済学研究科教授) モーテンセン=ピサリデス「失業が存在し続けるメカニズム─雇用創出・喪失を内生的に考慮したサーチ=マッチング・モデル」(PDF:621KB) 佐々木 勝(大阪大学大学院経済学研究科教授) デービス=ハルティワンガー=シュー『雇用創出・消失』(PDF:655KB) 玄田 有史(東京大学社会科学研究所教授) ニーデルレ=ヴェスタールント「女性は競争嫌い?男性は競争しすぎ?」(PDF:601KB) 森 知晴
2001年雇用対策法、及び職業能力開発促進法の改正により「キャリア・コンサルティング」制度が開始されてから今年で14年、働く者のキャリア形成のための基本的知識、スキルの教育、認定がまず民間試験機関によって行われ、ついで熟練レベル、指導者レベルに対する技能検定制度が構築され、働く人の能力開発、就職支援、キャリア教育の分野に広く普及している。また、キャリア・コンサルタントの国家資格化の動きも報じられている。本稿では「今後のキャリア・コンサルタントに求められるもの」について述べる。 1 これからのキャリア・コンサルタントは、個人の支援だけでなく「環境」を変える力を持たなければならない 多くのコンサルタントは、カウンセラー出身者が多く、そのためとかく個人の支援にとらわれる。キャリア・コンサルタントは、何が出来るかのまえになにをすべきか、役割を考えるべきである。キャリア・コンサルタントの役割を整理し
5月10日のエントリでご紹介した「事業仕分け」におけるJILPTの「仕分けられぶり」ですが、モリタク先生がこれを材料にして事業仕分けと民主党を批判したエッセイを発見しました。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20100511/225150/ 私も少し触れましたが、テレビニュースなどでも繰り返し伝えられた「プロ野球選手」の職業情報に関するやりとりです。 「ボールを打つ、投げる、走る。実際の試合では判断力が求められる。学歴は必要とされていない」 2010年4月23日、民主党政権の「キラーコンテンツ」とも言える「事業仕分け」の第2弾。 「仕分け人」の1人、市川真一氏(クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト)が、厚生労働省所管の独立行政法人、労働政策研究・研修機構(JILPT)の作った「プロ野球選手」の仕事内容を紹介すると、会場は苦笑と冷笑
行政刷新会議のサイトに、先般の事業仕分け第2弾の評価結果が掲載されていましたので、JILPT(独立行政法人労働政策研究・研修機構)がどのように仕分けられたのか、見てみました。 http://www.shiwake.go.jp/data/shiwake/result/B-1.pdf 仕分けられたのはJILPTがやっている(1) 労働行政担当職員研修(労働大学校)、(2) 労働政策研究(職業情報・キャリアガイダンスツールの研究開発)、(3) 成果普及等 の3事業で、この順に仕分けられているのですが…「評価者のコメント」を読み出していきなり目が点になりました。 ●そもそも、国が職業紹介等の事業を行う必要は薄れているのではないか。それ故、研修の必要性もないのではないか。 そもそも、国が職業紹介等の事業を行う必要は薄れている。研修の必要性もない ( ̄. ̄;)ン? そもそも、国が職業紹介等の事業を行う
現政権の最大イベント、「事業仕分け」第二弾がはじまり、労働政策研究・研修機構(JILPT)も本日仕分けの対象となりました。機構全体が仕分けられたわけではなく、行政刷新会議のサイトによれば(1)労働行政担当職員研修(労働大学校)、(2)労働政策研究(職業情報・キャリアガイダンスツールの研究開発)、(3)成果普及等、この3つが仕分けられた模様です。結果はと申しますと、asahi.comによれば… 労働政策研究・研修機構については、ハローワーク職員らへの労働大学校の研修事業は「国などが実施し事業規模を縮減」。機構の労働政策研究・成果普及事業は「一定の役割を終えたため廃止」との結論が出た。 http://www.asahi.com/politics/update/0423/TKY201004230202.html 日経によりますと… 労働政策研究・研修機構の手掛けるキャリアガイダンス事業に関しては
JILPTの存続を求める研究者の会 ご賛同いただいたみなさまへのご報告 12月24日午前に行われた閣議において、 独立行政法人の見直しのなか、 労働政策研究・研修機構(JILPT)については 廃止および統合をいずれも行わず、 存続が決定された模様です。 9月末以降、突然、JILPTの廃止が 報道されて以来、多くの懸念を抱きながら 独法見直しの動きを注視してきました。 そのなかで、11月初旬、JILPTの廃止が きわめて現実味を帯びているという情勢にある ことを知りました。同時に、その存在の社会的 意義が十分に理解および議論がなされないまま、 財政支出削減の名のもと、廃止計画だけが 既定事実の如く進行している状況に、 強い危機感を持ちました。 そこで、最終的に54名の労働研究者の方々に、 呼びかけ人として参加いただき、JILPTの存続を 求める研究者の会を独自
玄田有史先生のブログで、「JILPT廃止反対要望書への賛同署名及び転送のお願い」がされています。 http://www.genda-radio.com/2007/11/jilpt.html 要望文は以下の通りです。 >厚生労働大臣 舛添要一殿 要望文 独立行政法人労働政策研究・研修機構(以下「機構」)の廃止を検討していることが、いくつかのマスコミで報道されています。 労働をめぐる問題が重要度を増し、社会的関心を集めている現在、我が国で唯一の労働政策を専門とした調査研究機関である機構を廃止することは、日本の労働問題を正確に把握し、政策面で適切に対応する上で多大な不利益をもたらすと考えます。 機構の廃止は、労働政策の立案や評価に欠かせない、公的かつ中立的な立場からの内外労働情勢の把握を困難にすることにつながります。さらに機構の廃止は、学術研究の成果を踏まえた上で労働政策を論じる学問的観点の重要
(独)労働政策研究・研修機構を廃止しようというとんでもない動きがあるのだそうです。すでに神代和欣先生、山口浩一郎先生、菅野和夫先生、古賀連合事務局長、加藤富士電機ホールディングス相談役の各氏が存続要請趣意書を厚生労働省に提出されたとか。私も微力ながらJILPTのサイトに応援演説を載せさせていただきました。ここにも転載しておきます。 よく読むと、基本的にはほとんどが「労働政策研究の重要性」を述べていて、「JILPTの重要性」には必ずしもなっていないのですが、それにしてもこれまでの労働分野での実績は研究成果の面でも人材輩出の面でもシンクタンクの中では突出していることは間違いないと思うのですが。 まあ、悪名高い雇用保険三事業のおカネがかなり投じられていることで短絡的に「やめてしまえ」という話になっているのかもしれませんが、ぜひとも冷静かつ合理的な見当を願いたいものです。 以下転載です。 年長者が
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