観測史上4度目という震度7の強い地震が、熊本県を襲った。専門家は、こうした地震は全国どこででも起こりうる、と指摘する。私たちは何を学び、どう備えればよいのか。 ■命守る対策、自ら考えよ 大木聖子さん(慶応大学環境情報学部准教授) 大地震があると、「まさかここで」という声が聞かれますが、震度7の揺れは、全国どこに住んでいても遭遇する恐れがあります。 最近、大地震のリスクは、南海トラフの巨大地震や首都直下地震ばかり注目されますが、地震学として考えると、マグニチュード(M)7ぐらいまでは、どこでも起こりえる地震で、その規模の地震があれば周辺では強い揺れに見舞われるのです。 政府は、今回の地震を起こしたと考えられる日奈久(ひなぐ)断層帯を含む九州南部の区域で、M6・8以上の地震が30年以内に起きる確率は7~18%と推定していました。30年以内に70%と推計される南海トラフや南関東の大地震よりもずっ