KDDIは9月3・4日の2日間、ビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2024」を東京・虎ノ門ヒルズフォーラムとオンラインで開催している。それに先立ち9月2日、メディア向けに展示エリアの内覧会が行われた。
展示エリアは、KDDIグループの持つ通信や最新テクノロジーが溶け込む未来の街をコンセプトとしている。
展示エリアの入口には、通信や最新テクノロジーが溶け込んだ未来の街を表現したパネルが展示されている
KDDIが通信や最新テクノロジーの活用により実現を目指している近未来像「ちょっとだけ未来」を体験できる2つのデモンストレーションも行われており、その1つが2日に発表された3D点群データ圧縮技術だ。
北海道新幹線 渡島トンネル上二股工区から、3D点群データをリアルタイムに伝送
奥行き情報も含めて立体的な情報を取得できる3D点群データは、測量用途など建設現場での活用が進んでいる。しかし、現場で測量した3D点群のデータ量は非常に多く、遠隔地と共有するには、データを保存した記録媒体そのものを持ち運ぶか、膨大な時間をかけてクラウドに伝送する必要があり、即時共有が難しいことが課題だ。
そこでKDDI総合研究所は、点群圧縮技術の最新の国際標準方式G-PCC(Geometry-based point cloud compression)に対応したリアルタイムエンコーダーを開発した。
デモは、建設中の北海道新幹線 渡島トンネル上二股工区において、四足歩行ロボットとドローンにこのエンコーダーを搭載し、取得した3D点群データを圧縮してリアルタイム伝送するというものだ。伝送に必要なデータ量を1/20に削減できるため、従来は遠隔での撮影からデータ確認まで数時間かかっていたのが、10秒以内まで大幅に短縮されるという。
もう1つのデモが、生成AIバーチャルヒューマンと配送ロボットによる未来のショッピング体験だ。
バーチャルヒューマンから商品に関する簡単な説明を受けた後、スマートフォンで商品を注文し、顔認証で決済すると、配送ロボットが商品を届けてくれる。
生成AIによるバーチャルヒューマン
配送ロボットが走行する経路には、清掃ロボットが稼働しているが、複数のロボットを一元的に管理・制御するロボットプラットフォームにより連携して動作することで、鉢合わせなどを回避する。