p208 第四十九 文化の発達 学習目的 維新以来の経済界・宗教界・教育界・芸術界の進歩発展の次第をわからせ、洋風輸入と国粋保存の関係的変遷につき会得させ、日本独自文化の建設について暗示を与えるのである。 学習事項 (一)経済界の進歩 明治のはじめ市民平等となるや、士族階級は進んで企業精神を発揮して、商法ないし工業会社などを作るに至った。しかし多くは侍の商法で、失敗に帰したが、政府がこれらに商法の知識を得させるなどの保護を加えたので、士族の中には実業界の先駆となる者が多かった。従って三井にしても、資本家に転嫁するためには士族の出である中上川を迎えざるを得なかった。その他も皆同じことである。明治…