野菊のような変態とは、 「探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕」第5話「コソコソと支度」エンディング後の次回予告にて、 ストーンリバーがエルキュール・バートンを評して怒りと共に発した言葉である。
これは、(あくまでストーンリバーの誤解だが)エルキュール・バートンは偽りの清純さの皮を被った変質者(露出狂)であったという事実に対する彼の失望と憤りが凝縮された言葉である。くどいようだが誤解である。
ラット 「ミルキィホームズって変なやつらだよな。」 トゥエンティ 「一番変なの誰~っ? 一番美しいのはもちろん僕~っ!」 ストーンリバー 「一番はエルキュール・バートンだ!
あんな野菊のような変態は見たことがないっ!」ラット 「お前も十分変態だけどな~。」 ストーンリバー 「なっ!? 私のどこが変態だというのだ! 常識というのは私のためにあるような言葉だぞ!
それが証拠に、私はアルセーヌ様の靴なら百万年磨き続けられる!」ラット 「変態じゃねーか・・・。」 トゥエンティ 「僕には理解できないね。」 ストーンリバー 「次回、『エノ電急行変人事件』。」 ラット 「犯人はストーンリバーに決定~っ!」 ストーンリバー 「んぬぅうううううううっ・・・!!」
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第2幕・第5話「コソコソと支度」にて、まずAパート冒頭、変質者出没の報をアンリエットから受けて、
「変質者・・・最も見下げ果てた犯罪行為・・・。」
とストーンリバーが「変質者」なるものを犯罪者の部類としては特に忌み嫌う対象として見ていることがうかがえる。この強烈な「変質者への嫌悪感情」が悲劇の一因となる。
その後、探偵学院構内で、エリーがミルキィホームズの他メンバーに「変質者」(具体的にはテンプレ的な裸コートの露出狂)を、実演を混じえて説明している様子をストーンリバーが目撃。ところが彼のいる位置からはエリーがコートの下にちゃんと服を着ているということは確認できなかったため、
「あっ♡・・・こんな感じで・・・コ、コートの中は裸です。は、裸なんです。」
というエリーの言葉から、
エルキュール・バートン=表面的には清純さを装ってはいるが、実は露出癖のある変質者
というとんでもない誤解をしてしまった。
さらには、その夜、怪盗帝国としてヨコハマの秘宝・ 伊勢佐木町ブルー[1]を盗んだ直後に彼らのもとに駆けつけて来たミルキィホームズ(全員コートを着ていた)の中でただ一人エリーが正真正銘の裸コート状態であったため、ストーンリバーは、「エリーは変質者」の確信を強めることとなる。
第5話・本編中、ストーンリバーのエリーへの怒りに震えた評価を表すセリフは以下の通り。
「清純そうな顔をして、あやつが変質者だったとは!」
「自分が変質者なのを棚に上げて、聖女のようなアルセーヌ様にまで濡れ衣を!かわいい顔した女狐め!」
「可憐な姿の奥に隠されたお前の本性、次こそは暴いてやるからな!」
・・・そしてエンディング後の次回予告にて、このセリフである。
「あんな野菊のような変態は見たことがないっ!」
最初にストーンリバーが目撃したエリーの変質者としての行動(らしきもの)は、単に犯罪の説明のための(服は着たままの)擬似的実演にすぎず、しかもミルキィホームズの他のメンバーに頼まれて仕方なく行ったものであるし、
その夜に(本物の)裸コートで現れたエリーはあくまでコロンちゃん[2]の(ミルキィホームズ全員に対する)指示に素直に従ったまでのことである。
コロンちゃんのヨコハマ来訪をきっかけにして、エリーの素直さと従順さが、結果的に彼女を変質者たらしめるという残酷な物語を生み出してしまったのである。
以下ネタバレあり、 コンプティーク2012年3月号のドラマCDを未聴の方は見ないでください。くれぐれも未聴の方は絶対に見ないでください、いいですね?(以下反転表示)
エルキュール・バートンがお色気というかエロスを漂わせる描写が多いのは今に始まったことではないが、ここしばらく彼女に対して脚本家による羞恥プレイが今まで以上に強いられているようにしか見えない状況にある。
第2幕・第5話「コソコソと支度」の屋外裸コートに続き、第6話「エノ電急行変人事件」での白昼堂々電車内裸ワイシャツである。
コンプティーク2012年3月号のドラマCDでは、またもやヨコハマに出没する変質者に襲われ、ブラウスが濡れ透け状態になるという役回り。さらに容赦のない脚本により、とうとう屋外で全裸を晒してしまう結果となった。第2幕・第5話では裸コート状態ではあったがかろうじてコートは脱がずに済んだのだが、このドラマCDでは変質者を前にブラウスを脱ぎ捨て、さらにそれだけでは終わらず全裸状態となった。
第6話では(顔が汚れただけなのに)シャロがバケツの水を浴びせたためびしょ濡れになった探偵服を脱ぐはめになり、ドラマCDでは変質者をおびき寄せて捕まえるため、明智小衣の命令でおとり役をさせられたという経緯があるのだが・・・。
弁護する余地はあるとはいえ(特にドラマCDのシチュエーションは)、エリーにとってはお嫁に行けなくなるレベルの黒歴史的醜態である。
いつもどおり「色っぽく」演じました!(笑) 今回は、エリーが重要なお話だったのがうれしかったです!
映画「野菊の墓」(1981年公開、監督:澤井信一郎[3]、主演:松田聖子)において、以下のような会話シーンがあるのでおそらくそれが元ネタであろう。「石流さん古くなーい?」「石流さんいくつ?」「35、くらい?」
民子 「あたし、子供の時から野菊が好きなの。」
政夫 「僕だって大好きさ。」
民子 「野菊の生まれ変わりじゃないかって思うくらいよ。」
政夫 「そんなに好きなの?・・・どおりで民さんは、野菊のような人だ。」
民子 「野菊のよう?・・・あたしが?・・・どうして?」
政夫 「どうしてって・・・僕がそう決めたんだ・・・民さんは、野菊のような人だ・・・僕は、野菊が大好きだ。」
この映画の原作は伊藤左千夫の小説。明治時代の従姉弟どうしの悲恋の物語であり、「変態」という言葉はどうやっても結びつけようがないストーリーなので注意。笑いどころとかミルキィホームズとの関連性とか求めてはいけない。この映画の知名度の高さは主演の松田聖子によるところが大きい。当時、彼女は絶大なる人気を誇るアイドル歌手であり、この映画も、彼女の相手役を一般公募するなど色々と話題を集め多くのマスコミが取り上げた作品である。「民さんは野菊のような人だ」というセリフ部分は(もちろん世代にもよるが)特に有名である。
女性を形容するのに(数ある花の中から)「野菊」を選んだストーンリバーのこのセリフを聞いて、世代によってはこの映画を思い起こす人は多いだろう。
ちなみに2012年2月現在、Googleで「野菊のような変態」を検索すると以下のような表示が現れる。もちろんこれらは無関係であり完全に巻き込まれ事故である。
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最終更新:2024/10/15(火) 15:00
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