300系新幹線電車 単語

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300系新幹線電車とは、かつて東海旅客鉄道JR東海)及び西日本旅客鉄道JR西日本)に在籍した新幹線車両である。

概要

JR東海・JR西日本 300系新幹線電車
300系新幹線電車

JR東海開発した東海道・山陽新幹線第3世代車両のぞみ車両とも言う。新幹線電車として初となる技術を数多く実用化した。

開発のきっかけはドイツリニア視察に行った帰りにTGVに乗した葛西敬之内で「東海道でこの速度理なのか」と尋ねた際にJR東海の技術が「270km/hならいけます」と答えたことである。1990年に量産先行(J0→J1編成)が登場、その後1992年から98年まで量産された。93年以降製造分は山陽新幹線博多延伸用に製造された0系の置き換えを兼ねていた。のぞみ博多乗り入れ決定後はJR西日本3000番台を製造した。
なお、形式名「300」は国鉄時代のスーパーひかり計画の時点で表記されており、これを事実上継承した。

一気に50キロスピードを上げた事、試運転でのバグ出しが不十分だった事もあり、運転開始直後はトラブルが頻発した。特に名古屋駅 - 三河安城駅間を190 km/hで走行中の「ひかり238号」(新大阪東京行き・J4編成)で電動機を固定するボルトが折損した時は4時立ち往生してかなりのを及ぼした。
このため、動労系労組が「安全性に疑義あり」と順法闘争を行おうとしたり100系再生産を検討する幹部がいたりしたが、対航空機及び車両軽量化による地上設備への負荷軽減の観点からこれらを一蹴し導入が継続された。

それから中国鉄道省の視察の人が来日した時に運転席に案内している際に警告音が鳴ったため、誤った処置を行った結果電が喪失し、豊橋三河安から名古屋駅手前まで惰性走行で走らせるも、先行列名古屋駅に停していたため手前で停立ち往生したという事件もあった。(後に別編成を連結回送。後ののぞみ9号事件)他にもマスコンハンドルが外れたり、パンタグラフボルトが外れたりしていた。

また、乗り心地も運転開始当初はあまりよろしくなく、振動でコーヒーサンドイッチをひっくり返したり乗中立っている時よろめいてしまう事もしばしあった。

その後改良を重ね当初のような乗り心地の悪さは見られなくなった。

2007年以降、N700系によって急速に置き換えられた。後期はこだま号での運用が中心であり、ひかり号やのぞみ号運用は稀であった。

当初の報道では2012年12月までに引退となっていたが、JR東海JR西日本から2012年3月17日ダイヤ改正での引退が発表された(exit )。
また、ユニット構成が特殊(MTMユニット)な事から0系100系のように短編成化するのが難しかった(どうやっても改造なら最短7両、運転台の切り接ぎ改造をしても6両にしかできない)。改良しても乗り心地に問題があったため、JR西日本のF編成もJR西日本保有の100系と同時期に消滅となった。

※ちなみに、本系列は登場から20年で形式消滅と400系ほどではないが他の新幹線車両より短い。東海道新幹線用の車両寿命はもともと『製造後13年15年を過ぎた次の検時期まで』であり、300系の最終増備が単にその時を迎えたに過ぎない。また300系最高速度270km/hは、東海道新幹線区間では300系引退の3年後の2015年3月13日まで変わっておらず、285km/h以上の走行が可である山陽新幹線区間は別として、東海道新幹線区間に限ればスピード面では別に差し迫った問題ではなかった。即ち、700系の製造に移行された時点で2012年前後の全事実上「既定路線」となっていたことに留意する必要がある。

現在リニア・鉄道館に量産先行が1両のみ保存されており、それが一般的ににする事が出来る一の300系車両となっている。一般的ににする事こそ出来ないが量産のJ46編成の1号323-45)が作業訓練用として2010年浜松工場から関西新幹線サービックに移送・保存され2015年時点においても活用されている。

なお、塗装0系クリーム10号100系3号からパールホワイトに変更されている(RGB値で表記すると235から230へ変更)。これは技術の進歩によりを維持できるようになったためだが、当時のJR東海社長であった須田寛には「色変えたでしょ」と見破られた。以後の車両パールホワイトを堅持している。

技術

1世代前の100系300系較してみると、似ているところを探すことは難しい。一方、300系の登場から10年後のであるN700系とでは、時間的な隔たりがありながらも共通点をいくつも見出せることだろう。これは300系今日の技術のの礎となっていることを意味する。まさに新幹線電車における技術革新の金字である。
具体的な例として、体構造、制御方式、台車構造がなものとして挙げられる。

体の材質に採用されたアルミニウム合金は、既に200系で実用化されていた。しかし200系体を1.5倍程度の厚さのアルミで置き換えた構造で、アルミ特性を生かしたものではなかった。300系は組立を容易にし(製造価格の低減)、駄を一切排除した(重量の低減)新しい構造のアルミ体を持ち、革命的な軽量化での量産を達成した。

制御方式にはVVVFインバーターを採用、大出ときめ細かな空転制御により、編成内の動を減らした。また制御装置やモーターコンパクトで軽くなり、車両重量・編成重量の軽量化に寄与した。

台車は、ばりをし小軽量化した円筒案内式ボルスタレス台車(台車(鉄道)の項を参照)を採用。上記2項による体の大幅な軽量化によって台車にかかる荷重も軽減、台車自身も軽量化が可になった。

軽量化は、鉄道を取り巻く非常に広い分野にメリットをもたらす。より低価格で、より速く、より省エネで、より低騒音で、より軌破壊の少ない車両を最新の技術ですという方針は、300系で初めて確立し実現された。
1993年までに製造された初期車両(2次まで)は、空気抵抗低減のため客用にプラグドアを採用していたが、コストダウンのため3次からは通常の引き戸に変更されている。

なお、当初はパンタグラフを3・6・9・12・15号の計5基搭載していた(J0編成)が、東海道新幹線ATき電化に伴い量産では引き通しを設けて6・9・12号の計3基に減少。その後、シングルアームパンタ化に伴いカバーを小化し、9号パンタグラフを撤去して2基体制とした。

番台区分

9000番台(J0→J1編成)

1990年に製造された量産先行JR東海が所有する。完成当初はJ0編成を名乗っていたが、営業運転開始にともない量産化改造を受けJ1編成となった。登場当初は量産と違い水色の帯を巻いていた。
トランスポンダの関係で山陽区間では「のぞみ」運用に入れなかった(ひかりこだま運用には入っていた)。2001年以降は営業運転から外され試験として用いられ、2007年3月東京方先頭322-9001のみ浜松工場に保存されていたが、新設されるリニア・鉄道館に移され、2011年3月オープン以降こちらで展示されている。
「J0」の編成番号は後にN700S9000番台に引き継がれた。

0番台(J編成)

JR東海が所有する。0系の置き換えを行った。1992年から1998年に16両編成60本が製造された(J2J61編成)。
J15編成までが前期にあたり、乗降にプラグドアを採用している。
2007年以降、N700系量産の増備と入れ替わりが始まった。

東海道新幹線での0番台定期運用は2012年2月1日で終了し、以後は記念の体装飾が施された編成が臨時「のぞみ」に運用された。
ラストラン2012年3月16日の臨時列車のぞみ329号」(J57編成・東京新大阪、全定)。

当初は323-21が322-9001と共にリニア・鉄道館に保存され、量産先行と量産の先頭部の明確な違いを見べることができるようになっていた。しかし2013年12月27日700系の量産先行723-9001と入れ替えられて展示終了となり、2014年3月頃解体された。残るJ編成は前述のJ46編成1号323-45)のみ。

3000番台(F編成)

JR西日本が所有する。1993年から1994年に16両編成9本が製造された(F1F9編成)。
F5編成までが前期にあたり、0番台の前期同様プラグドア
山陽新幹線に残る100系の置き換えは、500系V編成と700系E編成で了する為短編成化の予定もなく、JR東海700系C編成がJR西日本に9編成譲渡される形で置き換えられた。なお、当初はJ編成引退後も当面は残ると言われていたのだが、概要にあるとおり結局同時に引退することになった。定期列車最終は3月13日の「こだま727号」(F8編成)。ラストラン3月16日の「のぞみ609号」(F7編成・新大阪博多、全定)。
その後2012年10月1日時点ではF9編成が待ちで残っていたが、2013年4月1日の時点では全編成となり籍がくなった。全解体されており現存しない。

ちなみに、JR西日本所属車両ではあるが2010年3月13日時点での定期運用はJ編成同様に岡山以東の「ひかり」「こだま」となっていた。
なおJ編成が東海道定期運用から引退した2012年2月2日以降も3月12日まで東海道での定期運用に就いていた。

短編成化されずに引退する流れはJR西日本700系B編成(16両編成)でも引き継がれている。N700系K編成は短編成化が予定されているが・・・。

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