86―エイティシックス― 単語

86―エイティシックス―とは、電撃文庫より刊行された安里アサト(あさと-)のライトノベル作品である。

概要

第23回電撃小説大賞<大賞>受賞作品である。

pixiv絵師であり、イラスト担当は「りゅうおうのおしごと」、「無彩限のファントム・ワールド」を担当したしらびである。メカニックデザイン担当はアニメ「Re:CREATORS」ではメカデザイン、FGOではキャラデザインを担当しているI-IV（アイフォー）が担当している。

• 2017年11月25日に発売された『このライトノベルがすごい！」で文庫部門。新作１位＆総合２位と発表された。第１巻発売当初から重版されていたが2017年2月28日。更に重版決定。第２巻が発売されると、同年7月22日第２巻も重版決定と同時に早くもコミカライズ化が決定した。第１巻は１０万部突破。（Twitterより）12月9日に第３巻が発売されると、12月15日重版決定と同時にシリーズ２５万部を突破した。
• シリーズ30万部突破記念企画として、電撃文庫公式Twitterで、『86―エイティシックス―86の質問』企画の回答がスタートした。安里先生＆ときに担当編集1号2号が皆の質問に答えていく。
• 2018年4月27日に5月10日に4巻が発売されるよりも先に３巻時点で累計４０万部を突破した。（Twitterより）
• 5月18日：発売から１週間にして重版決定。
• 11月7日：累計50万部を突破
• 11月23日：コミカライズ版の第1巻が重版決定。（Twitterより）
• 2019年11月25日：累計75万部突破。
• 2020年3月15日：ニコ生、YouTube、Periscopeで行われた「春のラノベ祭り！最新情報満載SP！『#キミラノ』１周年大感謝祭」ラノベ最新情報第４弾コーナー内にてTVアニメ化決定、月刊コミックアライブにて『学園８６』の新コミカライズが連載されることが発表された。漫画担当は染宮すずめ。
• 2020年12月6日：シリーズ累計86万部突破。
• 2021年3月27日：第3弾PVが公開され、分割２クール制作決定である事が発表された。
• 2021年6月：130万部突破

早いペースでの刊行となっており、発売された後も前も重版されている。

ストーリー

『その戦場に、死者はいない。』ーーそのはずだった。

サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器＜レギオン＞による侵略を受けていた。

しかしその攻撃に対して、共和国側も、同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。

そうーー表向きは。

本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全８５区外の外。＜存在しない”第８６区"＞。

そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜<有人の無人機として＞

戦い続けていたーー。

死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信から彼らの指揮を執る。

"指揮管制官（ハンドラー）”となった少女・レーナ。

2人の激しくも悲しい戦いと。別れの物語が始まるーー！。

登場人物

シン	（本名：シンエイ・ノウゼン）	CV:千葉翔也

この物語の主人公。第86区所属の通称”エイティシックス”と烙印を押された少年で、戦闘部隊「スピアヘッド戦隊」の隊長を務める。高い操縦技術を持ち、数々の戦いを生き残ってきた。ある理由でレギオンの存在を感じ取ることができる。

（ネタバレ反転）新設「第86独立機動打撃群」の戦隊総隊長を務める。

レーナ	（本名：ヴラディレーナ・ミリーゼ）	CV:長谷川育美

この物語のもうひとりの主人公であり、ヒロイン。共和国軍人で、弱冠１６歳で少佐にまで上り詰めたエリート。シンたち「スピアヘッド戦隊」の指揮管制官”ハンドラー”となる。ジャガーノートのプロセッサとなった”エイティシックス”たちとの交流を通じて共和国が抱える「闇」を知り、死んでゆくものたちを救うためにできる限りの事をしようとしている。

(ネタバレ反転)シンたちの消息を知らないまま、レギオンの大攻勢に対抗するために奮戦。レギオンに蹂躙された共和国が解放された後は、新設「第86独立機動打撃群」の作戦部総指揮官となる。

フレデリカ	（本名：フレデリカ・ローゼンフォルト）	CV:久野美咲

小説2巻、アニメでは第2クールから登場するヒロイン兼マスコット。レギオンを開発し、ギアーデ連邦に市民革命で滅ぼされた旧ギアーデ帝国の遺児。シンらがギアーデ連邦に辿り着き、保護された先で出会った少女。僅か１０歳でありながらその頭脳は明晰で、一人称「わらわ」などの歳に見合わない口調で話す。

(ネタバレ反転)シン達と共にかつての家臣であり兄代わりだったキリヤと戦った。「第86独立機動打撃群」ではレーナの管制補佐を勤めている。

ライデン・シュガ	CV:山下誠一郎

スピアヘッド戦隊の副隊長。”エイティシックス”の青年。シンと共に連邦へ逃れたエイティシックスの一人。シンとは部隊の誰よりも付き合いが長く腐れ縁。孤立しがちな彼をサポートしている。

クレナ・ククミラ	CV:鈴代紗弓

スピアヘッド戦隊の隊員。”エイティシックス”の少女。狙撃の腕に長けており、シンに想いを寄せている。パーソナルネームは『ガンスリンガー』。

セオト・リッカ	CV:藤原夏海

スピアヘッド戦隊の隊員。”エイティシックス”の少年。クールで口が悪い皮肉屋だが、年相応の直情さも併せ持つ。ワイヤーを駆使した機動戦闘を得意とする。パーソナルネームは『ラフィングフォックス』。

アンジュ・エマ	CV:早見沙織

スピアヘッド戦隊の隊員。”エイティシックス”の少女。普段は上品で清楚だが、戦闘では男性陣顔負けの立ち回りを見せる。ミサイルを使った面制圧を得意とする。パーソナルネームは『スノウウィッチ』。

登場メカニック

ジャガーノート

サンマグノリア共和国の、自律制御式四足歩行ロボット兵器。ギアーデ帝国の自律兵器であるレギオンに対抗するために開発された。

…というのは表向きで、実際には制御AIの開発に失敗し、共和国86地区の少年少女たち「エイティシックス」を生体プロセッサと扱う「有人搭乗式無人機」という矛盾した機体となった。共和国軍人が指揮管制官「ハンドラー」となって精神を知覚同調し、遠隔で指揮して彼らプロセッサに操縦させることで死にいざなう欠陥兵器である。別名「アルミの棺桶」。

スカベンジャー

ジャガーノートを支援し、弾薬やエネルギーパックを補充する無人機。シンたちに付き従う機体は「ファイド」と呼ばれており、まるで人格があるかのようにどこか愛嬌のある動きをするために、シンたちから愛着を持たれている。

レギオン

ギアーデ帝国の開発した、自律行動する兵器群。虫をモチーフにしたような6脚あるいは8脚の姿をした機体が主力である。しかし、ただの自律行動兵器ではなくその制御システムには、ジャガーノートとは別の意味で不穏な秘密があるようだ。

　　　

　

この項目は、物語の重大なネタバレ成分を含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。

　

※レギオンの秘密

本来のレギオンは帝国の開発したAIにより動く「羊」だが、AIには暴走を防ぐためにアップデートしなければ5万時間の稼働あるいは6年の経過で自壊する仕掛けが施されている。しかし、帝国が滅んだためにAIのアップデートが受けられなくなり、それをカバーするために犠牲になった人間の脳をスキャン。疑似AIとして取り込んだおぞましい存在と化している。これを「黒羊」と呼ぶ。

さらに、生きているか死んでまもない人間の脳構造を取り込んだ「羊飼い」がおり、これらは待ち伏せや罠などの高度な戦術を行う。しかも、取り込んだ人間の記憶や人格を保持しており、ひとつの脳構造につき1機のみの存在である。もちろんレギオンの上位存在によって洗脳されており、レギオンの命令のままに敵対する国家の人類を狩ることになる。実は犠牲になった「エイティシックス」の多くが埋葬が許されないために遺体が戦場に残され、レギオンに取り込まれている。

さらに、取り込まれた者には物語の主要人物たちの血縁者や近親者も含まれている。彼らは様々な姿でシンたちに敵として立ちはだかることになる。ギアーデ帝国が滅んだときに、市民革命で指揮権を登録していた帝国の指導者たちは全滅しており、彼らの残した最後の命令によってレギオンたちは各国への侵攻を続けている。

重戦車型ディノザウリア「デュラハン」：ショーレイ・ノウゼン（CV:古川慎）

シンの兄。通称レイ。メガネを掛けた優しい少年で、弟であるシンを溺愛していた。だが、母の死を巡ってシンにやり場のない怒りをぶつける形で首を絞めたことがある。それが原因で、シンは首に消えない傷跡が残り、もともと持っていた精神感応の異能が死者の心の声を聴く異能へと変質してしまった。シンがある意味死者の化身であるレギオンの位置を知ることができるのはこのためである。レーナの前任者であるハンドラーたちが軒並み精神を害したのは、そんなシンと知覚同調で精神を接合して死者の声を聞かされたため。

レイ自身は物語開始の5年前の時点で戦死しており、レギオンに脳を回収されて「羊飼い」となり、重戦車型レギオン「デュラハン」に取り込まれてシンと対峙することになる。つまり、小説1巻やアニメ第1クールでのラスボスである。

ノウ・フェース（CV:てらそままさき）

謎のレギオン総指揮官機。「第1広域ネットワーク」というレギオンの群れを受け持ち、共和国や連邦に大攻勢を仕掛ける。

レギンレイヴ

帝国を滅ぼしたギアーデ連邦が、レギオンに対抗するためにジャガーノートを参考に開発した四足歩行ロボット兵器。シンたちが搭乗し、連邦の切り札的戦力として活躍することになる。欠陥兵器であったジャガーノートより遥かに完成度は高い。しかし、シンたちは「多少上等なアルミの棺桶」だとして相変わらずジャガーノートと呼ぶ場面が多い。

テレビアニメ

分割2クール放送で、第1クールが2021年4月より6月までTOKYO MX他にて放送された。第2クールは同年10月より放送開始。
第22話、第23話は2022年3月12日、19日に延期が告知された。（公式サイトより）

スタッフ

キャスト

第1クール

第2クール

放送局・配信サイト

放送情報

放送局	年	放送日	曜日	時間	備考
TOKYO MX	2021年	4月10日(1クール) 10月2日(2クール)	土曜	24時00分～
とちぎテレビ
群馬テレビ
BS11
中京テレビ				25時55分(1クール) 26時25分(2クール)
AT-X		4月11日(1クール) 10月3日(2クール)	日曜	21時30分～	リピート放送あり
読売テレビ		4月12日(1クール) 10月4日(2クール)	月曜	26時29分～

放送情報（第22話）

放送局	年	放送日	曜日	時間	備考
TOKYO MX	2022年	3月12日	土曜	23時30分～
とちぎテレビ
群馬テレビ
BS11
AT-X		3月15日	火曜	20時00分～	第23話は3月20日 一挙放送が初回
中京テレビ		3月19日	土曜	26時25分～
読売テレビ		3月以降	調整中

各話リスト

話数	サブタイトル	脚本	絵コンテ	演出	作画監督	配信日	動画	dアニメ
#1	アンダーテイカー	大野敏哉	石井俊匡		川上哲也	2021 4/18
#2	スピアヘッド		石井俊匡	仁科くにやす	伊藤美奈/小川莉奈 二松真理/波部崇	4/25
#3	死にたくない		安藤良		本村晃一 / 杉生祐一	5/2
#4	本当の名前を		河野亜矢子	安藤良	牧野和俊/五十子忍	5/9
#5	私も一緒に	砂山蔵澄	髙橋さつき		波部崇/二松真理	5/16
#6	最後まで	大野敏哉	仁科くにやす		猪口美緒/辻彩夏 久野紗世	5/23
#7	忘れないでいてくれますか？	永井千晶	伊藤智彦		笠原由博	5/30
#8	行こう	砂山蔵澄	許琮	安井貴司	小川茜/末田晃大	6/6
#9	さよなら	永井千晶	松本顕吾 伊藤智彦	河原龍太	樋口香織/五十子忍 成川多加志	6/13
#10	ありがとう	大野敏哉	森大貴	髙橋さつき	辻彩夏/杉生祐一 降矢瑞生	6/20
#11	行くよ	砂山蔵澄	安藤良		牧野和俊/小川莉奈 本村晃一	6/27
Special Edition 総集編	戦野に紅く 雛罌粟の咲く	-				7/4
#12	ようこそ	永井千晶	石井俊匡	安藤良	波部崇/降矢瑞生 辻彩夏/二松真理	10/10
#13	今更そんなこと	大野敏哉	仁科くにやす	石山タカ明	本村晃一/樋口香里 久野紗世	10/17
#14	よろしく	砂山蔵澄	髙橋さつき		成川多加志/二松真理 森悦史/栗田聡美	10/24
#15	おかえりなさい	大野敏哉	伊藤智彦	河原龍太	小川莉奈/伊藤美奈 安田京弘	10/31
#16	それでも	永井千晶	安藤良		辻彩夏/稲田正輝 降矢瑞生/小川莉奈 真壁誠	11/7
#17	忘れません	大野敏哉	イシグロ キョウヘイ	前屋俊広	波部崇/真壁誠 栗田聡美	11/14
#18	本当は	砂山蔵澄	相澤伽月	徳本善信	小川莉奈/本村晃一 安田京弘/伊藤美奈 市川敬三 成川多加志 樋口香里/杉生祐一	11/28
#19	いっそ このまま	永井千晶	河原龍太		栗田聡美/稲田正輝 成川多加志 小川莉奈 樋口香里/市川敬三 伊藤美奈/本村晃一	12/12
#20	死ぬまで一緒に	大野敏哉	伊藤智彦	四ノ宮春	辻彩夏/波部崇 降矢瑞生/真壁誠 笠原由博/安田京弘 伊藤美奈	12/26
#21	もうこれしか	砂山蔵澄	安藤良		真壁誠/安田京弘 伊藤美奈/降矢瑞生 本村晃一/波部崇 成川多加志 小川莉奈 稲田正輝/樋口香里 二松真理	2022 1/2
#22	シン	大野敏哉	石井俊匡		成川多加志/真壁誠 伊藤美奈/波部崇 小川莉奈/稲田正輝 樋口香里/安田京弘	3/19
#23	ハンドラー・ワン		伊藤智彦 石井俊匡	河原龍太 石井俊匡	樋口香里/降矢瑞生 杉生祐一/安田京弘	3/26

主題歌

オープニングテーマ「3分29秒」

歌：ヒトリエ

作詞・作曲：シノダ　編曲：ヒトリエ　主題歌協力：田坂健太

エンディングテーマ「Avid」

歌：SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki

挿入歌「THE ANSWER」

歌：SawanoHiroyuki[nZk]:Laco

第2クールオープニングテーマ「境界線」

歌：amazarashi

作詞・作曲：秋田ひろむ

第2クールエンディングテーマ「アルケミラ」

歌：リーガルリリー

作詞・作曲：たかはしほのか

関連チャンネル

関連動画

ニコニコ生放送

関連リンク

• 86―エイティシックス―（電撃文庫大賞特設サイト）
• 漫画版公式サイト - （ヤングガンガン：作品紹介特設サイト）
• 番外編連載サイト - （カクヨム：番外編掲載ページ）
• 第1巻無料試し読み（第1章〜第3章） ：特設サイト
• TVアニメ「86-エイティシックス-」公式サイト
• TVアニメ『86-エイティシックス-』【公式】 (@anime_eightysix) - Twitter

関連項目

• KADOKAWA
• ライトノベル
• 電撃文庫
• カクヨム
• ヤングガンガン
• アニメ作品一覧
• 2021年春アニメ /  2021年秋アニメ
• 2022年春アニメ (第22・23話）
• ニコニコ動画で配信中のアニメ作品一覧