私は6歳のカラスです。平均寿命が7~8年なので、あともう少しで終わり。人間は何年生きるんだろうとか、考えたことはない。
この季節になると蛾が大量に発生するので、仲間たちと食べに行く。
Googleで調べてみたところ、蛾は栄養素が豊富らしい。羽だけは食べない。不味いので。「関連する質問」が勝手に出てきて、「蛾は何のために存在しているのですか?」と出てきた。以下、引用。
蛾が栽培種の花粉を多く運んでいた事実だ。イチゴ、かんきつ類、核果など、人間が口にする食べ物を受粉する役割を果たしているのだ。
「蛾は在来種や野生の植生にとって重要な生物であるだけでなく、わたしたちの食糧供給に直接役立つ生物なのです」とコスマは語る。
何を言ってるのか分からなかった。別に蛾は人間の役に立つために生きてるわけではない。
今日は夕焼けがきれいな時間帯に、みんなで電柱と電柱の間の紐(配電線というらしい)で座ってた。空が燃えてるようで綺麗だった。「夕焼け」と名付けた人も同じ気持ちだったんだろうな。
歩いてる人を見る。チュロスを食べていて美味しそうだ。蛾よりチュロスが食べたい。だけど、人間から拝借しようとすると、いつも怖がられるので自粛している。もう6年も生きたから、何をしたらどうなるか、分かるようになってしまった。
たまに私を怖がらないでくれる人がいるので、ありがたいなと思う。私も好きです。みんな蛾を食べに行ったけど、あまり気乗りしない。Googleで「蛾 栄養」で検索。
ナショナル ジオグラフィック日本版のサイトで「眠っている鳥の涙を飲む蛾を発見、世界で3例目」というタイトルを見つけて、グッときてしまった。短歌じゃん、これ。私にも書けるのかな。寿命あと1年だけど。書いてみたい。
今すぐ抜け出して 君としゃべりたい まだ間に合うはず
地平線を知りたくて ゴミ山登る 答え見つけよう
なんとなくでは終われない
星になる少し前に