クックパッドのトラフィックは、世界有数とはまだとても言えませんが、そこそこの規模ではあると思います。
サーバのアクセスログは毎日大量に流れていき、もはやtailで一行一行追っかけられるものではありません。
昔の僕は、少なくともアクセスの規模ではクックパッドよりも大きなサービスに関わっていて、今よりも大量のアクセスログにふれる機会がありました。
でも、こんな風に考えたことはなかった。というか、考えることができませんでした。
一行のログの向こうには、一人のユーザがいる
弊社のインフラエンジニアが言っていた、すごく感動した、今も大好きな言葉です。
アクセスがあるんだから当たり前じゃん、って話なのですが、その一行一行の向こうには、現実に生きている人がいて、その人たちが今その瞬間、端末に向かっています。
例えばクックパッドというサービスを例にすると、初めて使われる方もいらっしゃれば、古くからずっと使い込まれている方もいらっしゃるでしょう。目的も、家族のために料理をつくられたり、自分が見つけたおいしい食べ方をのせてくださったりと、様々なはずです。
ただ、多くの方が、何らかの期待をもって、サービスを使いに来てくださっているんだと思います。
アクセスログの一行の200からは、その方を幸せにできたのかどうかはわかりません。ただ、一行の500の向こうには、確実に、一つのがっかり体験があるはずです。
大量にあるアクセスの中のたった一つかもしれませんが、そのエラーが出た瞬間、残念な思いをされる方が、インターネットのその先に確実にいらっしゃる。
そのことをいつも絶対に忘れちゃいけないんだな、ってことを、彼の言葉が思い知らせてくれました。
エラーを完全になくすのは難しかったりもするわけですが、それでも、少なくとも、そのアクセスログの向こうには一人の人がいらっしゃることを忘れずに、サービスをつくっていこうと思うのです。