内容紹介

日本の防衛に大変革の波が押し寄せている。中国が台湾の統一に向けて軍事力を行使する「台湾有事」の現実味が増すなど、日本を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しく複雑化している。一方で、戦場の様相が大きく変わっていることがロシアによるウクライナ侵攻で明らかになった。今や戦場ではタブレットやSNSはもちろん、ドローンや衛星インターネット通信といった民間発の先端技術が不可欠な存在となり、それらを迅速に防衛装備に取り込んでいけるかが、安全保障での優位性を大きく左右する時代になった。しかし、現状、日本の防衛体制は、全くといっていいほど先端技術を駆使した新しい戦い方に対応できていない。政府は2022年12月に安保関連3文書を改定し、「防衛力の抜本的強化」を掲げて新しい戦い方への対応を宣言した。目指すべき究極の防衛体制が、AIやドローンなどを駆使することで、人間の介在を限りなくゼロに近づける「無人防衛」である。本書は安全保障の世界で今起きている変革のトレンド、日本に迫っている最新の脅威、今後の防衛力を大きく左右する「ドローン」「宇宙」「量子」といった先端技術の動向を、一般読者にも分かりやすく解説した。

<目次>
はじめに
第1章 迫る台湾有事で準備待ったなし
第2章 大きく踏み出した日本の「国家安全保障戦略」
第3章 識者が語る防衛イノベーション
第4章 迫りくる新たな脅威と対策
第5章 目指すは「無人防衛」
第6章 戦場のゲームチェンジャー「ドローン」
第7章 地政学的競争の主要舞台になった「宇宙」
第8章 「量子技術」は破壊的イノベーション
第9章 防衛力強化の鍵、「デュアルユース」
あとがき