UEFAチャンピオンズリーグ 1998-99 決勝のソースを表示

{{redirect|カンプ・ノウの奇跡|2017年のバルセロナ対パリ・サンジェルマン戦|カンプ・ノウの奇跡 (2017年)}}
{{出典の明記|date=2016年3月}}
{{Infobox football match
|                   title = UEFAチャンピオンズリーグ 1998-99 決勝
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|                    date = 1999年5月26日
|                 stadium = [[カンプ・ノウ]]
|                    city = [[バルセロナ]]
|      man_of_the_match1a = [[マリオ・バスラー]] ([[FCバイエルン・ミュンヘン|バイエルン・ミュンヘン]])
|                 referee = [[ピエルルイジ・コッリーナ]] ([[イタリアサッカー連盟|イタリア]])
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この項では、[[1999年]][[5月26日]]に[[スペイン]]の[[バルセロナ]]で行われた'''[[UEFAチャンピオンズリーグ 1998-99]] 決勝'''について述べる。

この試合では、[[マンチェスター・ユナイテッドFC|マンチェスター・ユナイテッド]]（[[イングランド]]）が後半ロスタイムの2ゴールで[[FCバイエルン・ミュンヘン|バイエルン・ミュンヘン]]（[[ドイツ]]）に逆転勝ちし、[[プレミアリーグ]]、[[FAカップ]]とあわせて[[トレブル (サッカー)|三冠]]を達成した。その劇的な試合内容から、'''「カンプ・ノウの悲劇」'''又は'''「カンプ・ノウの奇跡」'''と呼ばれる。

== 概要 ==
決勝戦は[[カンプ・ノウ]]を舞台に[[イングランド]]のマンチェスター・ユナイテッドと[[ドイツ]]のバイエルン・ミュンヘンで行われた。マンチェスター・ユナイテッドは[[プレミアリーグ|FAプレミアリーグ]]と、この試合の4日前に[[FAカップ]]を獲得し、欧州史上4チーム目となる三冠（トレブル）を目指していたが、中盤の要である主将の[[ロイ・キーン]]と[[ポール・スコールズ]]を出場停止で欠いており、厳しい戦いになるとみられていた。一方、グループリーグ同組でユナイテッドとホーム、アウェイの2試合とも引き分けていたバイエルンは試合巧者で国内リーグでも独走しており[[ビセンテ・リザラズ]]、[[ジオバネ・エウベル・ジ・ソウザ|エウベル]]を欠いていたが欧州王者を射程内に捉えていた。

== 試合内容と経過 ==
試合の序盤は緩やかな立ち上がり。中盤の要の二人を欠き、本来は右サイドの[[デビッド・ベッカム]]を中盤の底に、左サイドの[[ライアン・ギグス]]を右サイドに配置するという苦肉の布陣のユナイテッドはボールを支配できず、次第にバイエルンペースになっていく。前半6分にFKから[[マリオ・バスラー]]が直接ゴールを決め、あっさりとバイエルンが先制する。巻き返そうとするユナイテッドだが本来のポジションではないギグスとベッカムの影響やバイエルンの効果的な守備によって[[ドワイト・ヨーク]]と[[アンディ・コール]]に良いボールを供給出来ない。前半はそのまま膠着状態のまま終了。

後半に入ってもバイエルンが終始優勢でユナイテッドは明らかにキーンとスコールズの二人を欠いた影響が出ていた。バランスの悪いユナイテッドとは対照的にバイエルンは堅実な守備から攻撃へと移り再三ゴールを脅かす。[[メーメット・ショル]]のチップキックはゴールポストに、[[カルステン・ヤンカー]]のオーバヘッドはバーに阻まれた。しかしユナイテッドも次第に糸口を見出しつつあった。猛攻にさらされながらベッカムとギグスを本来の位置に置き、[[テディ・シェリンガム]]と[[オーレ・グンナー・スールシャール]]を立て続けに投入。

試合終了が近づくにつれ、ユナイテッドは攻勢に転じていった。何度かチャンスを作るもののバイエルンの堅いディフェンスを崩せず、バスラー、[[ローター・マテウス]]を下げ、いよいよバイエルン優勝へのカウントダウンが始まろうとしていた。{{要出典範囲|トロフィーにもバイエルンのリボンが巻かれ、ピッチからそれが見えたベッカムは「急に気分が悪くなり、吐き気がした。」と当時を振り返り、敗戦を覚悟したことを後に明かしている|date=2020年8月}}。そして90分、ベッカムがドリブルで仕掛けCKを得る。ユナイテッドはGKの[[ピーター・シュマイケル]]までもが攻め上がってきていた。一度はクリアされたボールをギグスが拾いシュートを放ち、そのこぼれ球をシェリンガムが押し込み土壇場で同点に追いついた。

この同点劇にピッチから下がったマテウスを始めとするバイエルンの選手、サポーターが呆然とする中、さらに攻めたユナイテッドはまたしてもCKを得る。ベッカムのCKをシェリンガムがヘディングで叩き、それをスールシャールが右足で合わせ勝ち越しとなるゴールを決めた。

== 試合詳細 ==
{{footballbox
|開催日 = 1999年5月26日
|時間 = 20:45 [[中央ヨーロッパ夏時間|CEST]]
|チーム1 = [[マンチェスター・ユナイテッドFC|マンチェスター・ユナイテッド]] {{flagicon|ENG}}
|スコア = 2 – 1 
|レポート= [http://www.uefa.com/uefachampionsleague/history/season=1998/index.html Report]
|チーム2 = {{flagicon|GER}} [[FCバイエルン・ミュンヘン|バイエルン・ミュンヘン]]
|得点者1 = [[テディ・シェリンガム|シェリンガム]] {{goal|90+1}}<br /> [[オーレ・グンナー・スールシャール|スールシャール]] {{goal|90+3}}
|得点者2 = [[マリオ・バスラー|バスラー]] {{goal|6}}
|競技場 = [[カンプ・ノウ]], [[バルセロナ]]
|観客数 = 90,045
|主審= [[ピエルルイジ・コッリーナ]] ([[イタリアサッカー連盟|イタリア]]) }}

<div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
{| style="font-size: 90%; border-collapse: collapse;"
|colspan="4"|'''マンチェスター・ユナイテッド'''
|-
|GK ||1{{flagicon|Denmark}} [[ピーター・シュマイケル]]（キャプテン）
|-
|DF ||2{{flagicon|England}} [[ガリー・ネヴィル]]
|-
|DF ||6{{flagicon|Netherlands}} [[ヤープ・スタム]]
|-
|DF ||5{{flagicon|Norway}} [[ロニー・ヨンセン]]
|-
|DF ||3{{flagicon|Ireland}} [[デニス・アーウィン]]
|-
|MF ||11{{flagicon|Wales}} [[ライアン・ギグス]]
|-
|MF ||8{{flagicon|England}} [[ニッキー・バット]]
|-
|MF ||7{{flagicon|England}} [[デビッド・ベッカム]]
|-
|MF ||15{{flagicon|Sweden}} [[イェスパー・ブロムクヴィスト]]（-67分）
|-
|FW ||9{{flagicon|England}} [[アンディ・コール]]（-81分）
|-
|FW ||19[[ファイル:Flag of Trinidad and Tobago.svg|23px]] [[ドワイト・ヨーク]]
|-
| ||&nbsp;||&nbsp; ||
|-
|colspan="3"|'''サブメンバー:'''
|-
|GK ||17{{flagicon|Netherlands}} {{仮リンク|レイモント・ファン・デル・ハウヴ|en|Raimond van der Gouw}}
|-
|DF ||4{{flagicon|England}} {{仮リンク|デイヴィッド・メイ|en|David May (footballer)}}
|-
|DF ||12{{flagicon|England}} [[フィリップ・ネヴィル]]
|-
|DF ||30{{flagicon|England}} [[ウェズ・ブラウン]]
|-
|MF ||34{{flagicon|England}} [[ジョナサン・グリーニング]]
|-
|FW ||10{{flagicon|England}} [[テディ・シェリンガム]]（+67分）
|-
|FW ||20{{flagicon|Norway}} [[オーレ・グンナー・スールシャール]]（+81分）
|-
| ||&nbsp;||&nbsp; ||
|-
|colspan="3"|'''監督'''
|-
|colspan="4"|{{flagicon|Scotland}} [[アレックス・ファーガソン]]
|}

</div><div style="float: left; vertical-align: top; white-space: nowrap; margin-right: 1em;">
{| style="font-size: 90%; border-collapse: collapse;"
|colspan="4"|'''バイエルン・ミュンヘン'''
|-
|GK ||1{{flagicon|Germany}} [[オリバー・カーン]]（キャプテン）
|-
|DF ||10{{flagicon|Germany}} [[ローター・マテウス]]（-80分）
|-
|DF ||2{{flagicon|Germany}} [[マルクス・バッベル]]
|-
|DF ||4{{flagicon|Ghana}} [[サミュエル・クフォー]]
|-
|DF ||25{{flagicon|Germany}} [[トーマス・リンケ]]
|-
|DF ||18{{flagicon|Germany}} [[ミヒャエル・タルナト]]
|-
|MF ||16{{flagicon|Germany}} [[イェンス・イェレミース]]
|-
|MF ||11{{flagicon|Germany}} [[シュテファン・エッフェンベルク]]
|-
|FW ||14{{flagicon|Germany}} [[マリオ・バスラー]]（-87分）
|-
|FW ||19{{flagicon|Germany}} [[カルステン・ヤンカー]]
|-
|FW ||21{{flagicon|Germany}} [[アレクサンダー・ツィックラー]]（-71分）
|-
| ||&nbsp;||&nbsp; ||
|-
|colspan="3"|'''サブメンバー:'''
|-
|GK ||22{{flagicon|Germany}} {{仮リンク|ベルント・ドレハー|en|Bernd Dreher}}
|-
|DF ||5{{flagicon|Germany}} [[トーマス・ヘルマー]]
|-
|MF ||7{{flagicon|Germany}} [[メーメット・ショル]]（+71分）
|-
|MF ||8{{flagicon|Germany}} [[トーマス・シュトルンツ]]
|-
|MF ||17{{flagicon|Germany}} [[トルステン・フィンク]]（+80分）
|-
|MF ||20{{flagicon|Bosnia_and_Herzegovina}} [[ハサン・サリハミジッチ]]（+87分）
|-
|FW ||24{{flagicon|Iran}} [[アリ・ダエイ]]
|-
| ||&nbsp;||&nbsp; ||
|-
|colspan="3"|'''監督'''
|-
|colspan="4"|{{flagicon|Germany}} [[オットマー・ヒッツフェルト]]
|}
</div>{{clear|left}}

==エピソード==
1958年、[[UEFAチャンピオンズリーグ|チャンピオンズカップ]]（[[UEFAチャンピオンズカップ 1957-58|1957-58シーズン]]）にイングランド代表として初めて参戦したマンチェスター・ユナイテッドは、移動中にミュンヘンで発生した航空機事故によって[[ダンカン・エドワーズ]]ら主力選手の多数を失う悲劇に見舞われた（[[ミュンヘンの悲劇]]）。この試合が行われた5月26日は奇しくも、ミュンヘンの悲劇を生き延びて長らくユナイテッドの監督を務めた故[[マット・バスビー]]の90回目の誕生日だった。

監督のファーガソンは、これまでの功績と三冠を達成したことで、同年7月に[[エリザベス2世]]女王から[[サー]]の称号を授与された。

この出来事から20年後の2019年にはマンチェスターユナイテッドのユニフォームに記念のデザインが施されている。

{{各年のUEFAチャンピオンズリーグ}}
{{マンチェスター・ユナイテッドFCの試合}}

{{DEFAULTSORT:UEFAちやんひおんすりいく1998-99けつしよう}}
[[Category:UEFAチャンピオンズリーグ決勝|1998-99]]
[[Category:UEFAチャンピオンズリーグ 1998-99|けつしよう]]
[[Category:スペイン開催の国際サッカー大会]]
[[Category:1999年のスペイン]]
[[Category:バルセロナのサッカー]]
[[Category:バルセロナのスポーツ競技大会]]
[[Category:マンチェスター・ユナイテッドFC]]
[[Category:FCバイエルン・ミュンヘン]]
[[Category:デビッド・ベッカム]]
[[Category:1999年5月]]