コンテンツにスキップ

「トロッコ列車」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
記事作成に伴い修正
 
(23人の利用者による、間の44版が非表示)
1行目: 1行目:
'''トロッコ列車'''(トロッコれっしゃ)は、車体の上半分が[[外気]]に開放された[[鉄道車両|車両]]に[[旅客]]が乗車することができる観光列車の通称である。なお、[[トロッコ]]とは、[[土砂]]や[[鉱石]]を運搬するための簡易な[[貨車]]のことである。
'''トロッコ列車'''(トロッコれっしゃ)は、車体の上半分が[[外気]]に開放された[[鉄道車両|車両]]に[[旅客]]が乗車することができる観光列車の通称である。なお、[[トロッコ]]とは、[[土砂]]や[[鉱石]]を運搬するための簡易な[[貨車]]のことである。


{{Double image aside|right|Shimanto02.jpg|200|JNR you you train onuma.jpg|200|トロッコ列車「清流しまんと号」(窪川駅))|[[函館駅]]→[[森駅 (北海道)|森駅]]→[[大沼駅]]→森駅→函館駅間で運転された「くるくる[[北海道駒ケ岳|駒ケ岳]] 遊・遊トレイン」(1986年、函館本線大沼駅付近)}}
{{Double image aside|right|Shimanto02.jpg|200|JNR you you train onuma.jpg|200|トロッコ列車「清流しまんと号」([[窪川駅]])|[[函館駅]]→[[森駅 (北海道)|森駅]]→[[大沼駅]]→森駅→函館駅間で運転された「くるくる[[北海道駒ケ岳|駒ケ岳]] 遊・遊トレイン」(1986年、函館本線大沼駅付近)}}

== 概要 ==
[[ファイル:Setooohasitorokko0041.JPG|thumb|240px|瀬戸大橋トロッコ車内]]
トロッコ列車の特色は、乗客が外気に直接触れられることにあり、一般に[[風景]]が美しく[[自然]]が豊かな[[鉄道路線]]で運行され、[[ローカル線]]への集客の目玉として定期的に運転される例も多い。風景を楽しむという意味では、広義の[[展望車]]の一種と見ることができるが、トロッコ列車は貨車を起源としており、旅客用車両の改造車であってもあえて内装材を取り払ったり、座席を簡易な[[ベンチ]]風にして貨車的な雰囲気を演出している例が多い。そのため、[[1950年代]]まで[[東海道本線]]などで運行されていた[[特別急行列車]]に連結される[[展望車]]とは、全く系譜を異にする存在である。

一般に、観光シーズンや休日に運行されている。設備の制約や[[安全]]上の理由から、あまり速度は出さない。

新規に製作された車両は少なく、ほとんどが既存車からの改造である。また、[[動力車|牽引車・機関車]]についても、[[荒天]]時や乗客の安全確保対策のために自車を[[控車]]としたり、別に控車を連結していることが多い。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
[[スイス]]の[[レーティッシュ鉄道]]のベルニナ線で[[1926年]]から無蓋車を改造した車両を使用したトロッコ列車が運行されている。
[[スイス]]の[[レーティッシュ鉄道]]の[[ベルニナ線]]で[[1926年]]から無蓋車を改造した車両を使用したトロッコ列車が運行されている。


日本では[[1984年]]([[昭和]]59年)に[[日本国有鉄道]](国鉄)が[[四国]]の[[予土線]]で[[無蓋車|無蓋]][[貨車]]([[国鉄トラ45000形貨車|トラ45000形]])に簡易な[[屋根]]と[[座席]]([[ベンチ]])を設置した車両を[[定期列車]]に[[増解結|併結]]し、「トロッコ清流しまんと号」として運行したのが始まりで、以降こうした列車が各地で運転されるようになるにつれ、それ以前から運転されていた[[黒部峡谷鉄道]]などの類似例も含めて「トロッコ列車」という呼称が一般的になっていった。
日本では[[1984年]]([[昭和]]59年)に[[日本国有鉄道]](国鉄)が[[四国]]の[[予土線]]で[[無蓋車|無蓋]][[貨車]]([[国鉄トラ45000形貨車|トラ45000形]])に簡易な[[屋根]]と[[座席]]([[ベンチ]])を設置した車両を[[定期列車]]に[[増解結|併結]]し、「トロッコ清流しまんと号」として運行したのが始まりで、以降こうした列車が各地で運転されるようになるにつれ、それ以前から運転されていた[[黒部峡谷鉄道]]などの類似例も含めて「トロッコ列車」という呼称が一般的になっていった。
12行目: 20行目:
[[台湾]]では[[台湾糖業鉄道]]が[[サトウキビ]]輸送用の貨車を[[改造]]した車両を[[蒸気機関車]]や[[ディーゼル機関車]]で牽引している。
[[台湾]]では[[台湾糖業鉄道]]が[[サトウキビ]]輸送用の貨車を[[改造]]した車両を[[蒸気機関車]]や[[ディーゼル機関車]]で牽引している。


== 日本におけるトロッコ列車 ==
== 特徴 ==
運営事業者ごとに記載する。
[[ファイル:Setooohasitorokko0041.JPG|thumb|240px|瀬戸大橋トロッコ車内]]
=== 現行事業者 ===
トロッコ列車の特色は、乗客が外気に直接触れることができることにあり、一般に[[風景]]が美しい、[[自然]]豊かな[[鉄道路線]]で運行され、[[ローカル線]]への集客の目玉として定期的に運転される例も多い。風景を楽しむという意味では、広義の[[展望車]]の一種と見ることができるが、トロッコ列車は貨車を起源としており、旅客用車両の改造車であっても、あえて内装材を取り払ったり、座席を簡易な[[ベンチ]]風にして貨車的な雰囲気を演出している例が多い。そのため、[[1950年代]]まで[[東海道本線]]などで運行されていた[[特別急行列車]]に連結される[[展望車]]とは、全く系譜を異にする存在である。
==== [[北海道旅客鉄道]](JR北海道)====
{{Vertical_images_list
|1 = JRH-Kushiro Shitsugen Norokko.jpg
|2 = 釧路湿原ノロッコ号
|3 = Okuhate510-2 Biei 20130915.jpg
|4 = 富良野・美瑛ノロッコ号
}}
* [[国鉄50系客車|510系客車]]4両で構成される「'''ノロッコ号'''」用編成を2本保有し、「[[くしろ湿原ノロッコ号]]」「[[富良野・美瑛ノロッコ号]]」で運行している。
** かつては[[国鉄ワム80000形貨車#関連形式|ハテ8000形]]、[[国鉄トラ70000形貨車#譲渡車・保存車|トラ70000形]]、[[JR北海道ナハ29000形客車|ナハ29000形]]といったトロッコ車両(全て[[貨車]]からの改造)を保有していたが、全廃されている。
{{-}}<!--分断防止用です-->


==== [[東日本旅客鉄道]](JR東日本) ====
一般に、景色の良い路線の観光シーズンや休日に運行されている。設備の制約上([[安全]]上)あまり高速では走らせていない。
[[ファイル:Kazekko007.JPG|thumb|200px|right|びゅうコースター風っこ]]
* [[国鉄キハ40系気動車 (2代)#キハ48形|キハ48形気動車]]を改造した「[[びゅうコースター風っこ]]」2両編成1本を保有する。[[東日本旅客鉄道仙台支社|仙台支社]]の所属だが、首都圏や長野地区などJR東日本の路線で広範に運用されている。
** かつて[[国鉄トラ90000形貨車|トラ90000形無蓋貨車]]の改造車6両 (トラ91328, 91395, 91325, 92047, 91714, 91727)が東北地区に配置され、機関車牽引または気動車に挟まれて運用されていたが「風っこ」と入れ替わりに[[廃車 (鉄道)|廃車]]された。
{{-}}


==== [[四国旅客鉄道]](JR四国) ====
== 車両 ==
{{Vertical_images_list
|1 = JR shikoku Shimantoroko kotora152462 takamatsu.jpg
|2 = しまんトロッコ
|3 = 藍よしのがわトロッコ.jpg
|4 = 藍よしのがわトロッコ
|5 = Anpanman torokko kikuha32 502+kiro185-26 utadu.jpg
|6 = 瀬戸大橋アンパンマントロッコ
}}
* [[国鉄トラ45000形貨車|トラ45000形無蓋貨車]]改造車1両、[[国鉄キハ32形気動車|キクハ32形気動車]]2両を保有する。
** トラ45000形は[[1984年]]に改造を受け、布製の簡易な屋根と木製の座席、テーブルが設けられたものである。[[国鉄キハ54形気動車|キハ54形]]・[[国鉄キハ32形気動車|キハ32形]]など気動車の牽引により運行されていたが、2013年に[[水戸岡鋭治]]のデザインにより牽引車のキハ54形とともにリニューアルされ、新たに「しまんトロッコ」の愛称が付されて[[予土線]]で運行されている。
** キクハ32形はトロッコ列車用車両としては[[JR]]グループ唯一の新製車である<ref>ただし、[[鉄道車両の台車|台車]]は廃車となった車両から再利用され、金属バネの[[国鉄DT21形台車#国鉄気動車向け|TR51形]]となっている。</ref>。[[1997年]]に1両 (501) が登場し、当初は予土線の「清流しまんと」の増発で使用が開始されたが、その後[[土讃線]]の「おおぼけトロッコ」に転用。[[2017年]]には「志国高知 幕末維新号」向けにラッピングを受けて[[2019年]]まで運用された。さらに2020年からは「藍よしのがわトロッコ」として[[徳島線]]で運行されている。<br>2003年には増備車 (502) が登場したが、腰板や床面の一部がガラス張りとなるなど、より開放的な構造となっている。同車は「瀬戸大橋トロッコ」で使用され、2006年(平成18年)に車体に[[アンパンマン (キャラクター)|アンパンマン]]が描かれ「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」となった。
{{-}}


==== [[会津鉄道]] ====
[[#概要|概要]]にあるように新規に製作された車両は少なく、ほとんどが改造車である。また、[[動力車|牽引車・機関車]]についても、[[荒天]]時や乗客の安全確保対策のために自車を[[控車]]としたり、別に控車を連結していることが多い。
[[ファイル:Aizu Railway AT-350 2021.jpg|thumb|200px|AT-350形]]
* [[お座トロ展望列車]]のトロッコ席用に[[会津鉄道AT-350形気動車|AT-350形気動車]]1両を保有する。
** 当初はJR東日本から購入した[[国鉄キハ35系気動車|キハ30形気動車]]を改造した[[会津鉄道AT-300形気動車|AT-300形気動車]]を保有していたが、老朽化に伴い2009年(平成21年)11月20日に運用を終了。2010年(平成22年)に現在のAT-350形気動車が導入された。
{{-}}


==== [[わたらせ渓谷鐵道]] ====
== 運行事例 ==
{{Vertical_images_list
=== 日本 ===
|1 = Watarase-Torokko.JPG
運営組織、路線などを以下に記載する。
|2 = トロッコわたらせ渓谷号
{{Double image aside|right|Ryūhyō norokko01.JPG|160|JR hokkaido Mashike norokko train.JPG|180|[[流氷]]ノロッコ号|増毛ノロッコ号}}
|3 = Watarase-Keikoku-Railway-WKT551.jpg
{{commonscat|Norokko (train)|JR北海道の「ノロッコ号」}}
|4 = トロッコわっしー号
; 北海道
}}
* [[北海道旅客鉄道]](JR北海道)
* 「トロッコわたらせ渓谷号」用に[[わたらせ渓谷鐵道わ99形客車|わ99形客車]]「かわせみ」2両、「トロッコわっしー号」用に[[わたらせ渓谷鐵道WKT-550形気動車|WKT-550形気動車]]1両を保有する。
** [[釧網本線]]:「[[くしろ湿原ノロッコ号]]」・「[[流氷ノロッコ号]]」([[国鉄50系客車|510系客車]])
** 「トロッコわたわせ渓谷号」は1998年(平成10年)に登場し、[[大間々駅]] - [[足尾駅]]間を運転している。編成は4両だが、このうち中間2両は[[京王電鉄|京王]][[京王5000系電車 (初代)|初代5000系電車]]を改造したトロッコ車両で、その両端をJR東日本から購入した[[国鉄12系客車|スハフ12形]]の控車が挟んでいる。
** 釧網本線:「スタンディングトレイン」([[国鉄ワム80000形貨車#関連形式|ハテ8000形客車]])
** 「トロッコわっしー号」はトロッコ列車の需要増加に伴って2012年(平成24年)に導入された。控車として[[わたらせ渓谷鐵道WKT-510形気動車|WKT-510形]]と組む。
** [[富良野線]]:「[[富良野・美瑛ノロッコ号]]」(510系客車)
{{-}}
** [[宗谷本線]]:「サロベツトロッコ」([[国鉄トラ70000形貨車|トラ70000形]])
** [[留萌本線]]:「増毛ノロッコ号」(510系客車)
* NPO法人[[トロッコ王国美深]]
*: [[1985年]](昭和60年)に廃止された[[美幸線]]の一部を利用したもので、片道5 km(往復10 km)の区間を単行・固定[[二軸車 (鉄道)|二軸]]の軽便車両で利用者が運転しながら走行できる。
; 本州
[[ファイル:Kazekko007.JPG|thumb|200px|right|びゅうコースター風っこ]]
* [[東日本旅客鉄道]](JR東日本):「[[びゅうコースター風っこ]]」
*: [[2000年]](平成12年)に[[東日本旅客鉄道仙台支社|仙台支社]]に登場した[[国鉄キハ40系気動車 (2代)#キハ48形|キハ48形気動車]]の改造車。詳細は車両項目を参照。
*: 「風っこ」の先代として[[国鉄トラ90000形貨車|トラ90000形無蓋貨車]]の改造車6両 (トラ91328, 91395, 91325, 92047, 91714, 91727) が東北地区に配置され、機関車牽引または気動車に挟まれて運用されていたが、入れ替わりに[[廃車 (鉄道)|廃車]]された。


==== [[小湊鉄道]] ====
[[ファイル:Aizu Railway Oza-Toro-Tembo Train 002.JPG|thumb|200px|left|お座トロ展望列車<br />黄色のお座敷車は2016年6月の引退を経て静態保存され、現在は2両編成]]
[[ファイル:Satoyama Torokko 02.JPG|thumb|200px|里山トロッコ]]
* [[会津鉄道]]:「お座トロ展望列車」 [[会津鉄道AT-300形気動車|AT-300形 (301)]]、[[会津鉄道AT-350形気動車|AT-350形 (351)]]
*「里山トロッコ」として100形客車4両を保有する。牽引機は[[オーレンシュタイン・ウント・コッペル|コッペル社]]製の蒸気機関車を模したDB4形ディーゼル機関車となっている。
*: AT-300形 (AT-301)はJR東日本から購入した[[国鉄キハ35系気動車|キハ30形気動車]] (18) を[[1999年]](平成11年)に改造したもの。長い[[トンネル]]区間では天井が[[プラネタリウム]]になるギミックを持っていた。お座敷気動車 ([[会津鉄道AT-100形気動車|AT-103]]) や展望気動車「風覧望」 ([[会津鉄道AT-400形気動車|AT-401]]) と連結して運用されるケースが多かったが、種車となった車両自体の老朽化に伴い2009年(平成21年)11月20日に運用を終了し、2010年(平成22年)には後継車であるAT-350形 (AT-351) が導入された。
{{-}}
*: 運行の詳細は[[会津浪漫号]]を参照。

[[ファイル:Truck-train SHERPAKUN.jpg|thumb|200px|right|トロッコ列車 シェルパくん]]
* [[碓氷峠鉄道文化むら]]
==== [[黒部峡谷鉄道]] ====
[[ファイル:Kuronagi station.jpg|thumb|200px|本線の列車(後部6両がトロッコ車両)]]
*: 廃止された[[信越本線]][[横川駅 (群馬県)|横川駅]] - [[軽井沢駅]]間の下り線を使用して2005年(平成17年)3月22日に登場したトロッコ列車。横川駅そばの碓氷峠鉄道文化むらより旧[[丸山変電所]]脇を経て温浴施設「[[碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」|とうげのゆ]]」までを結ぶ。運転日は土曜・日曜・祝日のみで、あくまで碓氷峠鉄道文化むらの園内[[遊具]]という位置づけである。
* [[関西電力]]の専用鉄道を一般開放した路線で、一般客が利用可能な全ての列車にオープン客車が連結されている。また、[[水力発電所|発電所]]関係の輸送に利用される作業員専用列車もオープン客車が使用されている。
[[ファイル:Watarase-Keikoku-Railway-WKT551.jpg|thumb|left|200px|トロッコわっしー号]]
{{-}}
* [[わたらせ渓谷鐵道]]:「トロッコわたらせ渓谷号」「トロッコわっしー号」

*: 「トロッコわたわせ渓谷号」は、1998年(平成10年)に登場したトロッコ列車で、[[大間々駅]] - [[足尾駅]]間の運転である。[[京王電鉄]]から購入した[[京王5000系電車 (初代)|初代5000系電車]]の車体を利用した[[わたらせ渓谷鐵道わ99形客車|トロッコ車両]](わ99-5070「やませみ」、5020「かわせみ」)を、JR東日本から購入した[[国鉄12系客車|スハフ12形]]の控車(わ99-5080、5010)が挟んだ編成。牽引機はこれもJR東日本から購入した[[国鉄DE10形ディーゼル機関車|DE10形ディーゼル機関車]]で、2両が交代で使用されている。
==== [[嵯峨野観光鉄道]] ====
*: 春の桜や秋の紅葉シーズンになると、「トロッコわたらせ渓谷号」のみでは対応しきれなくなったことから、2012年(平成24年)に「トロッコわっしー号」の自走式トロッコ車両[[わたらせ渓谷鐵道WKT-550形気動車|WKT-551]]が導入された。控車として[[わたらせ渓谷鐵道WKT-510形気動車|WKT-510形]]と組む。
[[ファイル:Yu101CDK.jpg|thumb|right|200px|澪つくし号]]
[[ファイル:Sagano Scenic Railway SK300-1 at Umekoji.jpg|thumb|200px|SK300形客車]]
* [[山陰本線]]([[嵯峨野線]])[[嵯峨嵐山駅|嵯峨駅(現在の嵯峨嵐山駅)]] - [[馬堀駅]]間の[[複線]][[鉄道の電化|電化]]に伴う線路の付け替えによって廃止された[[桂川 (淀川水系)|保津川]]沿いの旧線を利用して、[[1991年]](平成3年)に運転を開始。すべての列車にオープン車両が連結されており、専用の車両として[[嵯峨野観光鉄道SK100形客車|SK100形・SK200形・SK300形客車]]を保有する。
* [[銚子電気鉄道]]:「澪つくし号」
* 当初は5両中3両がオープン車両であったが、[[2000年]]にリフレッシュ改造を受けた際に2両が窓付きになったため、[[2020年]]現在では「ザ・リッチ」と称する特別車のSK300形のみがオープン構造となっている。
*: [[連続テレビ小説|NHK朝の連続テレビ小説]]『[[澪つくし]]』に因んで1985年(昭和60年)に運転開始。[[銚子電気鉄道線]]の記事を参照。
{{-}}
* [[小湊鐵道]]:「里山トロッコ」

*:[[オーレンシュタイン・ウント・コッペル|コッペル社]]製の蒸気機関車を模した外観のディーゼル機関車が牽くトロッコ列車。
==== [[平成筑豊鉄道]] ====
[[ファイル:Oigawa-Tc861-outside.jpg|thumb|200px|大井川鉄道クハ861]]
[[ファイル:Shiokazemoiwa.jpg|thumb|200px|潮風号]]
* [[大井川鐵道]]
* 2009年(平成21年)の[[平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線|門司港レトロ観光線]]開業とともに「潮風号」を運行開始。使用車両は[[島原鉄道]][[島原鉄道トラ700形客車|トラ700形客車]]を譲受・改造した[[平成筑豊鉄道トラ70000形客車|トラ70000形客車]]。
** [[大井川鐵道井川線|井川線(南アルプスあぷとライン)]]、[[アプト式鉄道]]
{{-}}
**: 特に専用の車両が使われることのない一般列車であるが、元が[[中部電力]]の[[専用鉄道|専用線]]であるため雰囲気はトロッコに近い。

** [[大井川鐵道大井川本線|大井川本線]](運転終了)
==== [[南阿蘇鉄道]] ====
**: [[1986年]](昭和61年)に[[電車]]を改造したトロッコ車両([[大井川鉄道310系電車|クハ861]])が存在したが、使い勝手の悪さから長期[[休車]]を経て[[1998年]](平成10年)に廃車となった。
[[ファイル:Minamiaso Torokko train Yusuge.jpg|thumb|200px|ゆうすげ号]]
* [[天竜浜名湖鉄道]]:「トロッコそよかぜ号」(運転終了)
* 1986年(昭和61年)に[[国鉄トラ70000形貨車|トラ70000形無蓋貨車]]2両を改造、[[南阿蘇鉄道トラ700形客車|トラ700形]]とし、同年[[7月26日]]に運転開始。2007年(平成19年)に機関車を交換し、客車1両を増強した。退役した機関車2台は[[北九州市]]に売却された。
*: [[天竜浜名湖鉄道THT100形客車]]の記事を参照。
{{-}}
[[ファイル:JRCentralOhafu17-1.jpg|thumb|left|200px|トロッコファミリー号用車両]]

* [[東海旅客鉄道]](JR東海):「[[トロッコファミリー号]]」(運転終了)
=== 過去の事業者 ===
*: [[1988年]](昭和63年)ごろに[[飯田線]]の[[豊橋駅]] - [[中部天竜駅]]間で運転を開始したトロッコ列車。当初は[[越美南線]]から転用された[[国鉄トラ90000形貨車|トラ90000形無蓋貨車]]3両 (91388, 91402, 91818) を、控車の[[国鉄スハ43系客車|オハフ46形客車]]2両 (2009, 2027) がはさむ編成であったが、[[1993年]](平成5年)にパレット輸送用荷物車[[国鉄マニ44形客車|マニ44形]]を改造したオハフ17形 (1) を投入するとともに控車を[[国鉄12系客車|12系客車]](スハフ12 31、オハ12 178)に置き換えた。[[1996年]](平成8年)には老朽化したトラ90000形に代わってオハフ17形 (11) が増備され、控車がスハフ12形2両 (31, 104) に替わるとともに、青地に窓まわりをクリーム色とした外板色へ変更した。
==== [[東海旅客鉄道]](JR東海) ====
*: 牽引機は運転当初DE10形ディーゼル機関車であったが、1989年(平成元年)からは[[国鉄EF58形電気機関車|EF58形]]、[[1992年]]からは[[国鉄ED18形電気機関車|ED18形]]といった旧形電気機関車が牽引機となり、その点でも人気を集めていたが、ED18形が故障で運用を離脱。さらに予備機のEF58形2両のうち1両が老朽化で離脱し、残る1両では運用できないため、[[2006年]](平成18年)に運転を終了した。
[[ファイル:JRCentralOhafu17-1.jpg|thumb|200px|オハフ17形]]
*: 飯田線では、[[国鉄117系電車|117系電車]]改造の「[[トレイン117|そよ風トレイン117]]」が2010年(平成22年)夏季から運行されていたが、2011年(平成23年)に運転を終了した。
* [[1988年]](昭和63年)ごろから[[飯田線]]で「[[トロッコファミリー号]]」を運行していた。当初は[[越美南線]]から転用された[[国鉄トラ90000形貨車|トラ90000形無蓋貨車]]3両 (91388, 91402, 91818) を控車の[[国鉄スハ43系客車|オハフ46形客車]]2両 (2009, 2027) が挟む編成であったが、[[1993年]](平成5年)に[[国鉄マニ44形客車|マニ44形]]を改造したオハフ17形を投入するとともに控車を[[国鉄12系客車|12系客車]]に置き換えた。[[1996年]](平成8年)にはオハフ17形が増備され、トラ90000形は引退した。
* [[長良川鉄道]]:「トロッコ列車」(運転終了)
* 牽引機は運転当初DE10形ディーゼル機関車であったが、1989年(平成元年)からは[[国鉄EF58形電気機関車|EF58形]]、[[1992年]]からは[[国鉄ED18形電気機関車|ED18形]]といった旧形電気機関車が牽引機となり、その点でも人気を集めていた。しかし故障や老朽化によってこれらの機関車が使用できなくなったことで、[[2006年]](平成18年)に運転を終了した。
*: 国鉄[[長良川鉄道越美南線|越美南線]]の時代に「清流ながら号」として運転されていたものを引き継いだともいえる。
{{-}}
* [[湯ノ口温泉]]:「トロッコ電車」

*: [[三重県]][[熊野市]](旧・[[紀和町]])にある湯ノ口温泉には、かつての[[石原産業|紀州鉱山]]の[[鉱山鉄道]]を利用したトロッコ列車が走っている。[[国道311号]]線沿いにある「瀞流荘駅」と湯元である「湯ノ口温泉駅」の約1 kmを結んでおり、旧紀和町が観光客誘致のために旧鉱山鉄道を観光鉄道として再生させたものである。列車は1日に6往復が運行されている。車両はかつて坑内軌道で使われた[[蓄電池機関車|蓄電池式の電気機関車]]が、5両程度の客車を牽引する。客車は観光鉄道として復活時に新造したものであるが、かつての鉱山鉄道時代の人車を忠実に模している。路線の大半がトンネルのため客車は密閉型。鉱山鉄道の乗車が体験できるという意味で、貴重な存在である。
* [[黒部峡谷鉄道]]
==== [[西日本旅客鉄道]](JR西日本) ====
*: [[関西電力]]の専用鉄道を一般開放した路線で、「トロッコ電車」の通称で親しまれる。日本を代表する観光鉄道であるが、今なお[[水力発電所|発電所]]関係の輸送にも使われている。
[[ファイル:Sagano_truck01.jpg|thumb|200px|嵯峨野観光鉄道 嵯峨野号1号車]]
* [[嵯峨野観光鉄道]]:「嵯峨野号」(嵯峨野トロッコ、保津峡トロッコ)
*: [[山陰本線]]([[嵯峨野線]])[[嵯峨嵐山駅|嵯峨駅(現在の嵯峨嵐山駅)]] - [[馬堀駅]]間の[[複線]][[鉄道の電化|電化]]に伴う線路の付け替えによって廃止された[[桂川 (淀川水系)|保津川]]沿いの旧線を利用して、[[1991年]](平成3年)に運転を開始したトロッコ列車。
*: けいてつ協會『知られざる鉄道』([[JTBパブリッシング|JTB]]、1997年)によると日本初の純粋な[[観光]]専用鉄道とされる。[[トロッコ嵯峨駅]] - [[トロッコ亀岡駅]]間の運転である。車両は[[国鉄トキ25000形貨車|トキ25000形無蓋貨車]]の改造車5両編成 (SK300-1+SK100-1+SK100-11+SK100-2+SK200-1) で、トロッコ嵯峨寄りにDE10形ディーゼル機関車 (1104) を連結する。機関車次位のSK300形は、「ザ・リッチ」と称する側板や床まで素通しとした「特別車」である。トロッコ亀岡寄りのSK200形には機関車を[[遠隔操作|遠隔制御]]する[[操縦席|運転台]]を装備する。
*: トロッコ亀岡駅から[[保津峡#保津川下り|保津川下り]]乗船場まで[[京阪京都交通]]バスが直通運行している。嵯峨野駅からトロッコ列車で亀岡駅に行き、そこから[[遊覧船]]で保津川を下って戻ってくるのは京都の観光ルートの一つになっている。5号車(「ザ・リッチ」)以外は、窓にガラスがはまっている。
<!--[[画像:Sagano_truck01.jpg|thumb|right|嵯峨野号1号車]] -->
[[ファイル:JRW series13 801 (Okuizumo Orochi).JPG|thumb|200px|奥出雲おろち号]]
[[ファイル:JRW series13 801 (Okuizumo Orochi).JPG|thumb|200px|奥出雲おろち号]]
* [[1998年]](平成10年)から専用塗装の[[国鉄12系客車|12系客車]]2両と[[国鉄DE15形ディーゼル機関車|DE15形ディーゼル機関車]]で編成を組む「[[奥出雲おろち号]]」を保有し、[[木次線]]で運行していた。車両の老朽化により、[[2023年]]([[令和]]5年)に運転を終了した。
* [[西日本旅客鉄道]](JR西日本):「[[奥出雲おろち号]]」
*: [[1998年]](平成10年)、[[木次線]]の[[木次駅]] - [[備後落合駅]]間で運転を開始したトロッコ列車。沿線付近の[[ヤマタノオロチ]]伝説や、[[出雲坂根駅]]構内の三段式[[スイッチバック]]、またこの路線の代替道路として整備された[[国道314号]]([[奥出雲おろちループ]])を逆に観光資源として利用し、観光客に人気の列車となっている。
*: 12系客車を種車として改造されたもので、[[国鉄DE15形ディーゼル機関車|DE15 2558]]+スハフ12 801+スハフ13 801で編成を組む。トロッコ車両のスハフ13形には折り返し駅での[[機回し|機関車付け替え]]の手間を省くために運転台が設置してあり、機関車の遠隔制御が可能である。なお沿線は雪が多い地域のため、冬季(12月 - 翌年3月)は運行されていない。
* [[錦川鉄道]]:「とことこトレイン」
*: 開業することなく放棄された国鉄[[錦川鉄道錦川清流線#岩日北線|岩日北線]]の[[未成線|未成部分]]のうち[[錦町駅]] - [[雙津峡温泉]]駅(周防深川駅)間(約6 km)の路盤を整備し、2002年(平成14年)7月7日に運転開始。[[線路 (鉄道)|レール]]上の列車ではなく[[舗装]]された専用道路上のオープン形[[連節バス]]形式による日本では他で例を見ないトロッコ列車。法律上は公園上の[[遊具]]扱い。ユニークな点として、沿線にはかつて[[日本宝くじ協会]]「宝くじ桜若木植栽事業」の一環で植樹された[[サクラ|桜]]による春先の花のトンネルや[[蛍光石]]を使用した連続620 mにも及ぶ光るトンネル壁画が挙げられる。この壁画はトロッコ列車に乗車しない限り見ることはできない。この未成線活用策に対し2004年10月に[[国土交通省]]から地域活性化への貢献部門で「日本鉄道賞」を受賞している。
; 四国
[[ファイル:JR shikoku Shimantoroko kotora152462 takamatsu.jpg|thumb|200px|しまんトロッコ]]
[[ファイル:JR DC Kikuha32-502.jpg|thumb|right|200px|キクハ32形「瀬戸大橋トロッコ」2003年11月23日 岡山駅]]
[[ファイル:Anpanman torokko kikuha32 502+kiro185-26 utadu.jpg|thumb|right|200px|キクハ32形「アンパンマントロッコ」2015年5月4日 宇多津駅]]
* [[四国旅客鉄道]](JR四国)
** [[予土線]]:「清流[[四万十川|しまんと]]号」→「しまんトロッコ」
**: [[1984年]](昭和59年)に登場したトロッコ列車の草分け的存在で、[[国鉄トラ45000形貨車|トラ45000形無蓋貨車]](トラ152462)に布製の簡易な屋根と木製の座席、テーブルを設けたものである。[[国鉄キハ54形気動車|キハ54形]]・[[国鉄キハ32形気動車|キハ32形]]など気動車の牽引により運行されていたが、2013年(平成25年)に[[水戸岡鋭治]]のデザインにより牽引車のキハ54形とともにリニューアルされ、「しまんトロッコ」として運行されている。
** [[土讃線]]・[[本四備讃線]]([[瀬戸大橋線]]):「[[大歩危|おおぼけ]]トロッコ」「[[瀬戸大橋]]トロッコ」など
**: [[国鉄キハ32形気動車|キクハ32形]]と称し、トロッコ列車用車両としては[[JR]]グループ唯一の新製車である。ただし、[[鉄道車両の台車|台車]]は廃車となった車両から再利用され、金属バネの[[国鉄DT21形台車#国鉄気動車向け|TR51形]]となっている。1997年(平成9年)に1両 (501) が登場し、当初は予土線の「清流しまんと」の増発([[窪川駅]] - [[江川崎駅]]間)で使用が開始されたが、2011年(平成23年)現在は土讃線の「おおぼけトロッコ」などで使用されている。2003年(平成15年)には増備車 (502) が登場したが、腰板や床面の一部がガラス張りとなるなど、より開放的な構造となっている。同車は2006年(平成18年)にリニューアル工事を受けており、[[定員]]も52名から48名に変更され、「[[アンパンマン]]トロッコ」となった。牽引車(控車)としては[[国鉄キハ185系気動車|キハ185形気動車]]がその任に当たっている。
{{-}}
{{-}}

; 九州
==== [[九州旅客鉄道]](JR九州) ====
[[ファイル:Kyushu Railway - Series Kiha 58 - TORO-Q - 01.JPG|thumb|200px|TORO-Q]]
[[ファイル:Kyushu Railway - Series Kiha 58 - TORO-Q - 01.JPG|thumb|200px|TORO-Q]]
* [[1986年]](昭和61年)に[[国鉄トラ70000形貨車|トラ70000形無蓋貨車]]3両を改造したトロッコ車両を保有していた。2002年(平成14年)に[[大分県]][[湯布院町]](現・[[由布市]])で開催された「全国トロッコ列車サミット」に合わせ再整備を受けて「[[TORO-Q]]」と命名され、外板塗色は濃緑色に改められた。同時に[[国鉄キハ65形気動車|キハ65 36]]および[[国鉄キハ58系気動車|キハ58 569]]が専用牽引車として貨車と同色に塗装されている。[[2009年]](平成21年)に引退。
* [[九州旅客鉄道]](JR九州):「[[TORO-Q]]」(トロキュー、運転終了)
*: [[1986年]](昭和61年)に[[国鉄トラ70000形貨車|トラ70000形無蓋貨車]]3両 (74858, 72792, 74391) を改造したものであった。2002年(平成14年)に[[大分県]][[湯布院町]](現・[[由布市]])で開催された「全国トロッコ列車サミット」にあわせて再整備を受け、「TORO-Q」と命名され、外板塗色は濃緑色に改められた。同時に[[国鉄キハ65形気動車|キハ65 36]]および[[国鉄キハ58系気動車|キハ58 569]]が専用牽引車として貨車と同色に塗装されている。2003年(平成15年)から[[2009年]](平成21年)[[11月29日]]まで[[久大本線]][[南由布駅]] - [[由布院駅]]間で運転されていた。
* 「赤村トロッコ油須原線」
*: 開業することなく放棄された国鉄[[油須原線]]の未成部分のうち[[水道管]]を敷設し道路化した[[平成筑豊鉄道]][[赤駅]]周辺1.7 kmを整備して、[[軌間]]610 mmのミニトロッコを2003年(平成15年)10月5日に運転開始。法律上は遊具扱い。定員は少なめ。
[[ファイル:Minamiaso Torokko train Yusuge.jpg|thumb|200px|ゆうすげ号]]
* [[南阿蘇鉄道]]:「ゆうすげ号」
*: 1986年(昭和61年)に[[国鉄トラ70000形貨車|トラ70000形無蓋貨車]]2両を改造、[[南阿蘇鉄道トラ700形客車|トラ700形]]とし、同年[[7月26日]]に運転開始。2007年(平成19年)に機関車を交換し、客車1両を増強した。退役した機関車2台は[[北九州市]]に売却された。
* [[島原鉄道]]:「島鉄ハッピートレイン観光トロッコ列車」(運転終了、車両は北九州市に譲渡)
*: 1997年(平成9年)、[[島原外港駅]] - [[深江駅 (長崎県)|深江駅]]間の[[高架橋|高架]]化完成後に運転開始。3月末から11月末まで運行。[[島原駅]] - 深江駅間を1日3往復(多客期は4往復)していた。[[国鉄キハ20系気動車#同型車両|キハ20形気動車]]、[[島原鉄道キハ2500形気動車|キハ2500形気動車]]の間にトラ70000形無蓋貨車改造のトロッコ車両を2両連結する形で運転されていたが、2008年(平成20年)4月1日に島原外港駅 - [[加津佐駅]]間が廃止されたため、同年3月29日・30日の臨時運行をもって運転終了となった。車両は北九州市に売却された。売却後については[[平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線]]を参照。
[[ファイル:takachiho04.jpg|thumb|right|200px|「手力男(たぢからお)号」]]
* [[高千穂鉄道]]:「トロッコ神楽号」 [[高千穂鉄道TR-400形気動車|TR-400形]] (401, 402) (運転終了・車両はJR九州に譲渡、[[JR九州キハ125形気動車|JR九州キハ125形400番台]]となる)
*: 2003年(平成15年)3月に新製さ2れた[[新潟トランシス]]製の18 m級両運転台式の[[NDC (鉄道車両)|軽快気動車]]をベースにしたものである。401は黄色塗装で「[[アメノタヂカラオ|手力雄]]」(たぢからお)、402は緑色塗装で「[[アメノウズメ|天鈿女]]」(あまのうずめ)とそれぞれ愛称が付けられている。
*: 高千穂鉄道の[[廃線]]に伴い、車両は九州旅客鉄道(JR九州)に売却。改造の上JR九州車籍へ編入し、[[日南線]]の[[特別急行列車|観光特急]]「[[海幸山幸 (列車)|海幸山幸(うみさちやまさち)]]」として、2009年(平成21年)10月10日から運転を開始した。
[[ファイル:Trial run of retro line.jpg|thumb|150px|潮風号]]
*[[平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線]]:「潮風号」
*: 2009年(平成21年)4月26日に運転開始。元はの[[外浜駅#田野浦公共臨港鉄道|田野浦公共臨港鉄道]]であった線路を北九州市が購入した。
*: 使用車両は南阿蘇鉄道で使われた機関車2両と島原鉄道で使われた車両2両の計4両。1日14往復が運行されている。 
{{-}}
{{-}}


==== [[銚子電気鉄道]] ====
[[ファイル:Yu101CDK.jpg|thumb|right|200px|ユ101]]
* [[連続テレビ小説|NHKの連続テレビ小説]]『[[澪つくし]]』に因んで[[1985年]](昭和60年)から「澪つくし号」を運転していた。[[国鉄ワム80000形貨車|ワム80000形貨車]]を改造した[[銚子電気鉄道線#ユ101|ユ100形客車]]を電車が牽引する形だったが、保安上の課題から[[2007年]](平成18年)に運行終了。一度も復帰しないまま[[2012年]](平成24年)に廃車された。
{{-}}

==== [[大井川鐵道|大井川鉄道]] ====
[[ファイル:Oigawa-Tc861-outside.jpg|thumb|200px|クハ861形]]
* [[1986年]](昭和61年)に[[電車]]を改造したトロッコ車両([[大井川鉄道310系電車|クハ861]])が存在したが、使い勝手の悪さから長期[[休車]]を経て1998年(平成10年)に廃車となった。
{{-}}

==== [[天竜浜名湖鉄道]] ====
[[ファイル:Tenryu_Hamanako_Railroad_THT101.jpg|thumb|200px|THT101]]
* [[国鉄トキ25000形貨車|トキ25000形貨車]]を改造した[[天竜浜名湖鉄道THT100形客車|THT100形・THT200形客車]]を保有し、[[2000年]]から「トロッコそよかぜ号」として運行していた。[[2007年]]に客車に致命的な破損が見つかり運行を休止、修繕されずにそのまま廃車された。

==== [[長良川鉄道]] ====
* [[1992年]]から「トロッコ列車」を運行。専用車両として[[長良川鉄道ながら3形客車|ながら3形・ながら5形・ながら7形客車]](それぞれ[[国鉄ヨ8000形貨車|ヨ8000形]]・[[国鉄ヨ6000形貨車|国鉄ヨ6000形]]・[[国鉄トキ25000形貨車|国鉄トキ25000形]]貨車から改造)を保有していた。[[2003年]]に脱線事故を起こし、全車廃車となった。

==== [[島原鉄道]] ====
[[ファイル:Shimabara Railway Happy Train.JPG|thumb|200px|トラ700形(中間2両)]]
* [[1997年]](平成9年)から[[国鉄トラ70000形貨車|トラ70000形貨車]]を改造した[[島原鉄道トラ700形客車|トラ700形客車]]を保有し、気動車の間にトロッコ車両を2両連結する形(プッシュプル)で運転されていた。2008年(平成20年)に[[島原鉄道線|同社線]]の[[島原港駅|島原外港駅]] - [[加津佐駅]]間が廃止され同年の臨時運行をもって運転終了となり、車両は北九州市に売却された。その後は先述の通り、平成筑豊鉄道が「潮風号」として現在も運行している。
{{-}}

==== [[高千穂鉄道]] ====
{{Double image aside|right|takachiho04.jpg|160|Takachiho03.jpg|160|手力雄号|天鈿女号}}
* 2003年(平成15年)3月に[[高千穂鉄道TR-400形気動車|TR-400形気動車]]2両を新製し、401は黄色塗装で「[[アメノタヂカラオ|手力雄]]」(たぢからお)、402は緑色塗装で「[[アメノウズメ|天鈿女]]」(あまのうずめ)とそれぞれ愛称が付けられて「トロッコ神楽号」として運行していた。
* しかし[[2005年]](平成17年)に高千穂鉄道を[[平成17年台風第14号|台風14号]]が襲い、甚大な被害を受けて運行を休止。2両とも休車状態だったが[[2008年]](平成19年)に正式に廃車となった。
** その後高千穂鉄道の打診で2車とも九州旅客鉄道(JR九州)に売却され、同社の[[JR九州キハ125形気動車|キハ125形400番台]]「[[海幸山幸 (列車)|海幸山幸]]」として2009年(平成21年)から運行されている。ただし窓が取り付けられてオープン構造ではなくなっている。
{{-}}

=== 鉄道事業でないもの ===
{{Main|保存鉄道#日本における保存鉄道}}

== 海外におけるトロッコ列車 ==
=== 台湾 ===
=== 台湾 ===
[[ファイル:Sihu DL 837 01.jpg|thumb|right|200px|渓湖糖廠のディーゼル機関車と客車]]
[[ファイル:Sihu DL 837 01.jpg|thumb|right|200px|渓湖糖廠のディーゼル機関車と客車]]
141行目: 169行目:
<!--[[File:Tren ecológico de la Selva Parque Nacional Iguazú.JPG|thumb|すれ違うトロッコ列車]]-->
<!--[[File:Tren ecológico de la Selva Parque Nacional Iguazú.JPG|thumb|すれ違うトロッコ列車]]-->
* [[:es:Tren Ecológico de la Selva]]<!-- [[:en:Rainforest Ecological Train]] -->
* [[:es:Tren Ecológico de la Selva]]<!-- [[:en:Rainforest Ecological Train]] -->

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}

=== 出典 ===
{{Reflist}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
146行目: 183行目:
* [http://www.jrkushiro.jp/ JR北海道釧路支社]
* [http://www.jrkushiro.jp/ JR北海道釧路支社]
* [http://www.kurotetu.co.jp/ 黒部峡谷鉄道]
* [http://www.kurotetu.co.jp/ 黒部峡谷鉄道]
* [http://www.toretabi.jp/train/vol10/01.html 愉快 爽快 トロッコ列車]:[[トレたび]]([[交通新聞社]])
* [http://www.toretabi.jp/train/vol10/01.html 愉快! 爽快! トロッコ列車]:[[トレたび]]([[交通新聞社]])

{{日本のトロッコ列車}}

{{Rail-stub}}


{{DEFAULTSORT:とろつこれつしや}}
{{DEFAULTSORT:とろつこれつしや}}


[[Category:鉄道と文化]]
[[Category:鉄道と文化]]
[[Category:列車]]
[[Category:ツーリスト・アクティヴィティズ]]
[[Category:観光]]

2024年6月17日 (月) 10:46時点における最新版

トロッコ列車(トロッコれっしゃ)は、車体の上半分が外気に開放された車両旅客が乗車することができる観光列車の通称である。なお、トロッコとは、土砂鉱石を運搬するための簡易な貨車のことである。

トロッコ列車「清流しまんと号」(窪川駅) 函館駅→森駅→大沼駅→森駅→函館駅間で運転された「くるくる駒ケ岳 遊・遊トレイン」(1986年、函館本線大沼駅付近)
トロッコ列車「清流しまんと号」(窪川駅
函館駅森駅大沼駅→森駅→函館駅間で運転された「くるくる駒ケ岳 遊・遊トレイン」(1986年、函館本線大沼駅付近)

概要

[編集]
瀬戸大橋トロッコ車内

トロッコ列車の特色は、乗客が外気に直接触れられることにあり、一般に風景が美しく自然が豊かな鉄道路線で運行され、ローカル線への集客の目玉として定期的に運転される例も多い。風景を楽しむという意味では、広義の展望車の一種と見ることができるが、トロッコ列車は貨車を起源としており、旅客用車両の改造車であってもあえて内装材を取り払ったり、座席を簡易なベンチ風にして貨車的な雰囲気を演出している例が多い。そのため、1950年代まで東海道本線などで運行されていた特別急行列車に連結される展望車とは、全く系譜を異にする存在である。

一般に、観光シーズンや休日に運行されている。設備の制約や安全上の理由から、あまり速度は出さない。

新規に製作された車両は少なく、ほとんどが既存車からの改造である。また、牽引車・機関車についても、荒天時や乗客の安全確保対策のために自車を控車としたり、別に控車を連結していることが多い。

歴史

[編集]

スイスレーティッシュ鉄道ベルニナ線1926年から無蓋車を改造した車両を使用したトロッコ列車が運行されている。

日本では1984年昭和59年)に日本国有鉄道(国鉄)が四国予土線無蓋貨車トラ45000形)に簡易な屋根座席ベンチ)を設置した車両を定期列車併結し、「トロッコ清流しまんと号」として運行したのが始まりで、以降こうした列車が各地で運転されるようになるにつれ、それ以前から運転されていた黒部峡谷鉄道などの類似例も含めて「トロッコ列車」という呼称が一般的になっていった。

当初はほとんどが貨車であったが、貨車であるという性格上、乗り心地や運用面に問題があり、1990年代以降では客車気動車も見られる。また、運転上の要請から、客車に設置した運転台から機関車遠隔制御プッシュプル運転)が可能な機能を備えたものがある。

台湾では台湾糖業鉄道サトウキビ輸送用の貨車を改造した車両を蒸気機関車ディーゼル機関車で牽引している。

日本におけるトロッコ列車

[編集]

運営事業者ごとに記載する。

現行事業者

[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)

[編集]
釧路湿原ノロッコ号
釧路湿原ノロッコ号
富良野・美瑛ノロッコ号
富良野・美瑛ノロッコ号

東日本旅客鉄道(JR東日本)

[編集]
びゅうコースター風っこ
  • キハ48形気動車を改造した「びゅうコースター風っこ」2両編成1本を保有する。仙台支社の所属だが、首都圏や長野地区などJR東日本の路線で広範に運用されている。
    • かつてトラ90000形無蓋貨車の改造車6両 (トラ91328, 91395, 91325, 92047, 91714, 91727)が東北地区に配置され、機関車牽引または気動車に挟まれて運用されていたが「風っこ」と入れ替わりに廃車された。

四国旅客鉄道(JR四国)

[編集]
しまんトロッコ
しまんトロッコ
藍よしのがわトロッコ
藍よしのがわトロッコ
瀬戸大橋アンパンマントロッコ
瀬戸大橋アンパンマントロッコ
  • トラ45000形無蓋貨車改造車1両、キクハ32形気動車2両を保有する。
    • トラ45000形は1984年に改造を受け、布製の簡易な屋根と木製の座席、テーブルが設けられたものである。キハ54形キハ32形など気動車の牽引により運行されていたが、2013年に水戸岡鋭治のデザインにより牽引車のキハ54形とともにリニューアルされ、新たに「しまんトロッコ」の愛称が付されて予土線で運行されている。
    • キクハ32形はトロッコ列車用車両としてはJRグループ唯一の新製車である[1]1997年に1両 (501) が登場し、当初は予土線の「清流しまんと」の増発で使用が開始されたが、その後土讃線の「おおぼけトロッコ」に転用。2017年には「志国高知 幕末維新号」向けにラッピングを受けて2019年まで運用された。さらに2020年からは「藍よしのがわトロッコ」として徳島線で運行されている。
      2003年には増備車 (502) が登場したが、腰板や床面の一部がガラス張りとなるなど、より開放的な構造となっている。同車は「瀬戸大橋トロッコ」で使用され、2006年(平成18年)に車体にアンパンマンが描かれ「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」となった。
AT-350形
トロッコわたらせ渓谷号
トロッコわたらせ渓谷号
トロッコわっしー号
トロッコわっしー号
  • 「トロッコわたらせ渓谷号」用にわ99形客車「かわせみ」2両、「トロッコわっしー号」用にWKT-550形気動車1両を保有する。
    • 「トロッコわたわせ渓谷号」は1998年(平成10年)に登場し、大間々駅 - 足尾駅間を運転している。編成は4両だが、このうち中間2両は京王初代5000系電車を改造したトロッコ車両で、その両端をJR東日本から購入したスハフ12形の控車が挟んでいる。
    • 「トロッコわっしー号」はトロッコ列車の需要増加に伴って2012年(平成24年)に導入された。控車としてWKT-510形と組む。
里山トロッコ
  • 「里山トロッコ」として100形客車4両を保有する。牽引機はコッペル社製の蒸気機関車を模したDB4形ディーゼル機関車となっている。
本線の列車(後部6両がトロッコ車両)
  • 関西電力の専用鉄道を一般開放した路線で、一般客が利用可能な全ての列車にオープン客車が連結されている。また、発電所関係の輸送に利用される作業員専用列車もオープン客車が使用されている。
SK300形客車
潮風号
ゆうすげ号

過去の事業者

[編集]

東海旅客鉄道(JR東海)

[編集]
オハフ17形
  • 1988年(昭和63年)ごろから飯田線で「トロッコファミリー号」を運行していた。当初は越美南線から転用されたトラ90000形無蓋貨車3両 (91388, 91402, 91818) を控車のオハフ46形客車2両 (2009, 2027) が挟む編成であったが、1993年(平成5年)にマニ44形を改造したオハフ17形を投入するとともに控車を12系客車に置き換えた。1996年(平成8年)にはオハフ17形が増備され、トラ90000形は引退した。
  • 牽引機は運転当初DE10形ディーゼル機関車であったが、1989年(平成元年)からはEF58形1992年からはED18形といった旧形電気機関車が牽引機となり、その点でも人気を集めていた。しかし故障や老朽化によってこれらの機関車が使用できなくなったことで、2006年(平成18年)に運転を終了した。

西日本旅客鉄道(JR西日本)

[編集]
奥出雲おろち号

九州旅客鉄道(JR九州)

[編集]
TORO-Q
  • 1986年(昭和61年)にトラ70000形無蓋貨車3両を改造したトロッコ車両を保有していた。2002年(平成14年)に大分県湯布院町(現・由布市)で開催された「全国トロッコ列車サミット」に合わせ再整備を受けて「TORO-Q」と命名され、外板塗色は濃緑色に改められた。同時にキハ65 36およびキハ58 569が専用牽引車として貨車と同色に塗装されている。2009年(平成21年)に引退。
ユ101
クハ861形
  • 1986年(昭和61年)に電車を改造したトロッコ車両(クハ861)が存在したが、使い勝手の悪さから長期休車を経て1998年(平成10年)に廃車となった。
THT101
トラ700形(中間2両)
  • 1997年(平成9年)からトラ70000形貨車を改造したトラ700形客車を保有し、気動車の間にトロッコ車両を2両連結する形(プッシュプル)で運転されていた。2008年(平成20年)に同社線島原外港駅 - 加津佐駅間が廃止され同年の臨時運行をもって運転終了となり、車両は北九州市に売却された。その後は先述の通り、平成筑豊鉄道が「潮風号」として現在も運行している。
手力雄号 天鈿女号
手力雄号
天鈿女号
  • 2003年(平成15年)3月にTR-400形気動車2両を新製し、401は黄色塗装で「手力雄」(たぢからお)、402は緑色塗装で「天鈿女」(あまのうずめ)とそれぞれ愛称が付けられて「トロッコ神楽号」として運行していた。
  • しかし2005年(平成17年)に高千穂鉄道を台風14号が襲い、甚大な被害を受けて運行を休止。2両とも休車状態だったが2008年(平成19年)に正式に廃車となった。
    • その後高千穂鉄道の打診で2車とも九州旅客鉄道(JR九州)に売却され、同社のキハ125形400番台海幸山幸」として2009年(平成21年)から運行されている。ただし窓が取り付けられてオープン構造ではなくなっている。

鉄道事業でないもの

[編集]

海外におけるトロッコ列車

[編集]

台湾

[編集]
渓湖糖廠のディーゼル機関車と客車

スイス

[編集]
アルブラ線で運行されているトロッコ車両

アルゼンチン

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ ただし、台車は廃車となった車両から再利用され、金属バネのTR51形となっている。

外部リンク

[編集]