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あなご飯（あなごめし、穴子飯、穴子めし）は、広島県宮島口を発祥とする郷土料理^{[出典 1]}。牡蠣と並ぶ「宮島2大グルメ」などと紹介されることもある^[6]厳島（宮島）の代表的ご当地グルメ^{[出典 2]}。

歴史

明治の中頃、広島県厳島（宮島）でお米の商いをしていた上野他人吉が^{[出典 3]}、宮島への玄関口・宮島口の駅前参道に茶店を開業^[7]。他人吉が、地元の漁師を中心に食べられていた「あなごどんぶり」をヒントに「白飯をあなごのアラで炊きこんだ醤油味飯」を考案し^{[出典 4]}、これがコクがあると評判を呼んだ^{[出典 5]}。宮島周辺は瀬戸内海でも潮流が速いため、風味、柔らかさに優れ、脂も乗ることから「瀬戸のアナゴ」として珍重されていた^{[出典 6]}。江戸時代 1825年（文政8年）編纂の『芸藩通志』でも阿奈吾（あなご）について「当島辺りの産、味かなりとす」と記述されている^{[出典 7]}。山陽鉄道宮嶋駅（現・宮島口駅）が1897年（明治30）年に開通したことから、他人吉は宮嶋駅で駅売弁当を販売する事を考え、醤油味飯に穴子をびっしりと敷き詰めた「あなごめし」を山陽鉄道開通4年後の1901年（明治34年）に、宮島口駅でこれを駅弁として発売した^{[出典 8]}。これがあなご飯の始まりである^{[出典 9]}。以来、山陽本線で評判をとり^{[出典 10]}、昭和30年代には、観光や修学旅行のバスが宮島口に何十台も訪れるようになり「バス弁」としても有名になった^{[出典 11]}。当時、バスにお弁当を積み込む姿をNHKが取材し^{[出典 12]}、その様子が放送された翌年には、宮島を中心に他店でもあなご飯を販売するようになり、広島名物として有名になっていった^[3]。今日では宮島名物として、宮島参拝客の食事や土産物として全国に広く知られている^{[出典 13]}。あなご飯を提供する店は2017年現在、宮島口で4軒、宮島に12軒あり^[8]、それぞれの店により味は異なる^[8]。

元祖「あなごめしうえの」では駅弁の種類を増やさず、「穴子飯」^{[注釈 1]}弁当一本で商売を行っている事で知られる^[5]。1901年の発売時からその姿を変えていないとされる^[6]。かつては地元地御前で、網でなく一本釣りで釣れた穴子だけを直接漁師から買い付けていた。同店の「あなごめし弁当」は、駅弁日本一に輝いたこともあり^[7]、各地の駅弁大会に出品すると目玉企画扱いされるという^[4]。「あなごめし弁当」は、宮島口駅のほかに広島駅^[5]、三原駅、岡山駅、高松駅、今治駅の姫路駅でも販売実績がある^[4]。姫路駅では、明治21年創業の「まねき食品」でも駅弁「あなごめし」を昭和の頃から販売している^[9]。

食べ方など

アナゴの旬は1月中旬と夏。特に1月中旬のものが最高と言われている。
瀬戸内のアナゴを蒲焼き（地域によっては煮穴子で提供する店舗もある）にし、「うな丼」のように盛りつけて食べる。

作り方

まず、アナゴをウナギと同様に背開きにして、中骨、頭、尾、ひれを取って捌く^{[出典 14]}。
金串に刺して白焼きにした後、砂糖、醤油、みりん、日本酒を煮詰めた甘辛いたれを塗り、照りが出るまで焼く（地域によっては捌いた後に、甘辛いたれで煮る煮穴子で提供する店舗もある。また、煮穴子を炙った炙りとして提供する店舗もある。）。
途中、何度もたれを塗りながら焼き、3cm程度に切る。
飯は、たれを少し加えて炊きあげ、丼によそい、焼き上げたアナゴを載せれば出来上がり。飯にアナゴを混ぜ込む作り方もある。
生姜の甘酢漬けを添えるところもある。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

^ 社名・のれん・看板・Web等は仮名で「あなごめし」だが、駅弁梱包紙の表記は漢字で「穴子飯」。

出典

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出典（リンク）

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 [[File:Anago meshi , あなご飯 - panoramio.jpg|thumb|あなご飯]]
 [[File:Japanese anagomeshi.jpg|thumb|「うえの」の「穴子飯」弁当]]
+'''あなご飯'''（あなごめし、穴子飯、穴子めし）は、[[広島県]]宮島口を発祥とする[[郷土料理]]{{Refnest|group="出典"|{{R|kotobank|moj|Governmentoffice|newspaper|tvradio|travelguide|anagomeshi}}}}。[[カキ (貝)|牡蠣]]と並ぶ「宮島2大グルメ」などと紹介されることもある{{R|travelguide}}[[厳島|厳島（宮島）]]の代表的[[ご当地グルメ]]{{Refnest|group="出典"|{{R|kotobank|moj|Governmentoffice|newspaper|tvradio|travelguide|anagomeshi}}}}。
-'''あなご飯'''（あなごめし、穴子飯、穴子めし）とは、[[瀬戸内]]地域の[[郷土料理]]。
-== 概要 ==
+== 歴史 ==
+[[明治]]の中頃、[[広島県]][[厳島|厳島（宮島）]]で[[米|お米]]の商いをしていた上野他人吉が{{Refnest|group="出典"|{{R|Governmentoffice|anagomeshi}}}}、宮島への玄関口・宮島口の駅前参道に[[茶店]]を開業{{R|anagomeshi}}。他人吉が、地元の[[漁師]]を中心に食べられていた「あなごどんぶり」をヒントに「[[白飯]]を[[マアナゴ|あなご]]の[[粗|アラ]]で炊きこんだ醤油味飯」を考案し{{Refnest|group="出典"|{{R|Governmentoffice|newspaper|tvradio|travelguide|anagomeshi}}}}、これがコクがあると評判を呼んだ{{Refnest|group="出典"|{{R|newspaper|tvradio|anagomeshi}}}}。宮島周辺は[[瀬戸内海]]でも[[潮汐|潮流]]が速いため、[[風味]]、柔らかさに優れ、脂も乗ることから「瀬戸のアナゴ」として珍重されていた{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|newspaper|travelguide|anagomeshi}}}}。[[江戸時代]][[1825年]]（[[文政]]8年）編纂の『[[芸藩通志]]』でも阿奈吾（あなご）について「当島辺りの産、味かなりとす」と記述されている{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|newspaper|travelguide|anagomeshi}}}}。[[山陽鉄道]]宮嶋駅（現・宮島口駅）が[[1897年]]（[[明治]]30）年に開通したことから、他人吉は宮嶋駅で[[駅弁|駅売弁当]]を販売する事を考え、醤油味飯に穴子をびっしりと敷き詰めた「あなごめし」を山陽鉄道開通4年後の[[1901年]]（[[明治]]34年）に、宮島口駅でこれを[[駅弁]]として発売した{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|Governmentoffice|newspaper|tvradio|travelguide|anagomeshi}}}}。これがあなご飯の始まりである{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|Governmentoffice|newspaper|tvradio|travelguide|anagomeshi}}}}。以来、[[山陽本線]]で評判をとり{{Refnest|group="出典"|{{R|newspaper|travelguide|anagomeshi}}}}、昭和30年代には、[[観光]]や[[修学旅行]]の[[観光バス|バス]]が宮島口に何十台も訪れるようになり「バス弁」としても有名になった{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|Governmentoffice|anagomeshi}}}}。当時、バスにお弁当を積み込む姿を[[日本放送協会|NHK]]が取材し{{Refnest|group="出典"|{{R|Governmentoffice|tvradio}}}}、その様子が放送された翌年には、宮島を中心に他店でもあなご飯を販売するようになり、広島名物として有名になっていった{{R|Governmentoffice}}。今日では宮島名物として、宮島参拝客の食事や[[土産|土産物]]として全国に広く知られている{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|Governmentoffice|newspaper|tvradio|travelguide|anagomeshi}}}}。あなご飯を提供する店は2017年現在、宮島口で4軒、宮島に12軒あり{{R|mynavi170718}}、それぞれの店により味は異なる{{R|mynavi170718}}。
-* 本来は、瀬戸内の[[漁師]][[料理]]が発祥とされる。
+元祖「あなごめしうえの」では駅弁の種類を増やさず、「穴子飯」{{efn|社名・のれん・看板・Web等は仮名で「あなごめし」だが、駅弁梱包紙の表記は漢字で「穴子飯」。}}弁当一本で商売を行っている事で知られる{{R|tvradio}}。1901年の発売時からその姿を変えていないとされる{{R|travelguide}}。かつては地元地御前で、網でなく一本釣りで釣れた穴子だけを直接漁師から買い付けていた。同店の「あなごめし弁当」は、駅弁日本一に輝いたこともあり{{R|anagomeshi}}、各地の駅弁大会に出品すると目玉企画扱いされるという{{R|newspaper}}。「あなごめし弁当」は、[[宮島口駅]]のほかに[[広島駅]]{{R|tvradio}}、[[三原駅]]、[[岡山駅]]、[[高松駅 (香川県)|高松駅]]、[[今治駅]]の[[姫路駅]]でも販売実績がある{{R|newspaper}}。姫路駅では、明治21年創業の「[[まねき食品]]」でも駅弁「あなごめし」を昭和の頃から販売している<ref>「まねき食品」公式web（まねき食品ヒストリー）</ref>。
+== 食べ方など ==
 * [[マアナゴ|アナゴ]]の[[旬]]は[[1月]]中旬と[[夏]]。特に1月中旬のものが最高と言われている。
 * 瀬戸内のアナゴを[[蒲焼き]]（地域によっては[[煮穴子]]で提供する店舗もある）にし、「[[うな丼]]」のように盛りつけて食べる。
-* [[駅弁]]としても有名で、[[宮島口駅]]、[[広島駅]]、[[三原駅]]、[[岡山駅]]、[[高松駅 (香川県)|高松駅]]、[[今治駅]]などで購入可能。特に、宮島口駅近くの「うえの」では駅弁の種類を増やさず、「穴子飯」<ref>社名・のれん・看板・Web等は仮名で「あなごめし」だが、駅弁梱包紙の表記は漢字で「穴子飯」。</ref>弁当一本で商売を行っている事で知られる。上野他人吉が、宮嶋駅（明治30年開通）の駅売弁当として販売したのがはじまり<ref>「あなごめしうえの」公式web</ref>。かつては地元地御前で、網でなく一本釣りで釣れた穴子だけを直接漁師から買い付けていた。
-* [[姫路駅]]で明治21年創業の「[[まねき食品]]」でも駅弁「あなごめし」を昭和の頃から販売している<ref>「まねき食品」公式web（まねき食品ヒストリー）</ref>。
 == 作り方 ==
-* まず、アナゴを[[ウナギ]]と同様に背開きにして、中骨、頭、尾、ひれを取って捌く。
+* まず、アナゴを[[ウナギ]]と同様に背開きにして、中骨、頭、尾、ひれを取って捌く{{Refnest|group="出典"|{{R|moj|newspaper|travelguide}}}}。
 * 金串に刺して[[白焼き]]にした後、[[砂糖]]、[[醤油]]、[[みりん]]、[[日本酒]]を煮詰めた甘辛い[[たれ]]を塗り、照りが出るまで焼く（地域によっては捌いた後に、甘辛いたれで煮る[[煮穴子]]で提供する店舗もある。また、煮穴子を炙った'''炙り'''として提供する店舗もある。）。
 * 途中、何度もたれを塗りながら焼き、3cm程度に切る。
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 == 脚注 ==
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+{{Cite web|和書|url=https://trafficnews.jp/post/132916|title=駅で買えない＆大会でもほぼ見かけない 広島「幻の駅弁」とは？ 歴史は120年！|date=2024–06–02|author=安藤昌季|website=[[メディア・ヴァーグ|乗りものニュース10th ANNIVERSARY]]|publisher=[[メディア・ヴァーグ]]|accessdate=2024年6月21日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20240603072614/https://trafficnews.jp/post/132916|archivedate=2024年6月3日}}{{Cite news|url=https://www.zakzak.co.jp/article/20240228-H6PHJQHVQFJ2FI5YXNRIIIVMB4/|date=2024–02–28|title=高嶋政宏「こだわりの極意」 ひとくち食べてマネジャーにあげたことを後悔 香ばしさがたまらない！ 「あなごめし　うえの」の「あなご弁当」|author=|newspaper=[[夕刊フジ#ネット事業|ZAKZAK]]|publisher=[[産業経済新聞社]]|accessdate=2024年6月21日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20240319041554/https://www.zakzak.co.jp/article/20240228-H6PHJQHVQFJ2FI5YXNRIIIVMB4/|archivedate=2024年3月19日}}</ref>
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+<ref name="anagomeshi">[https://www.anagomeshi.com/ あなごめしうえの | ホームページ]</ref>
+<ref name="mynavi170718">{{Cite web|date=2014-07-18|author=|url=https://news.mynavi.jp/article/20140718-anago/|title=世界遺産・厳島神社に行くなら絶対外せない! 広島県「あなごめし」の魅力|website=[[マイナビニュース]]|publisher=[[マイナビ]]|accessdate=2024年6月21日|archiveurl=https://archive.md/OfU1e|archivedate=2024年6月20日}}</ref>
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+=== 出典（リンク） ===
+{{Reflist|group="出典"|2}}
 == 関連項目 ==
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表話編歴 JR西日本岡山駅
乗り入れ路線	山陽新幹線東海道・山陽新幹線山陽・九州新幹線山陽本線赤穂線伯備線宇野みなと線瀬戸大橋線津山線桃太郎線（吉備線）
駅弁	あなご飯三好野本店
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