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'''ハワイシロハラミズナギドリ'''(ハワイ白腹水薙鳥、{{Lang-haw|''{{オキナ}}Ua{{オキナ}}u''}}<ref name="Hawaii86">{{cite book|title=Hawaii's Birds|year=1986|publisher=Hawaii Audubon Society|location=Hawaii|page=14|edition=Sixth}}</ref>, [[学名]]:''Pterodroma sandwichensis'')は、[[ミズナギドリ目]][[ミズナギドリ科]]シロハラミズナキドリ属に分類される、大形で暗灰褐色の鳥類である。[[ハワイ]][[固有種]]。

'''ハワイシロハラミズナギドリ'''(ハワイ白腹水薙鳥、{{Lang-haw|''{{okina}}Ua{{okina}}u''}} 学名: ''Pterodroma sandwichensis'')は、[[ミズナギドリ科]]シロハラミズナキドリ属に分類される、[[ハワイ]][[固有種|固有]]の、大形で暗灰褐色の鳥類である


== 分類 ==
== 分類 ==
ハワイシロハラミズナギドリは、かつて[[ガラパゴス諸島]]に分布する[[ガラパゴスシロハラミズナギドリ]] (''[[w:Pterodroma phaeopygia|Pterodroma phaeopygia]]'') と同種と考えられていたが、最近、独立種として分割された。
かつて[[ガラパゴス諸島]]に分布する[[ガラパゴスシロハラミズナギドリ]] (''[[w:Galápagos Petrel|Pterodroma phaeopygia]]'') と同種と考えられていたが、独立種として分割された<ref name="san05">三省堂編修所・吉井正『三省堂 世界鳥名事典』[[三省堂]]、2005年、407頁。ISBN 4-385-15378-7</ref>。だが[[日本]]においては、ハワイシロハラミズナギドリを ''Pterodroma phaeopygia'' とし、亜種ハワイシロハラミズナギドリ ''Pterodroma phaeopygia sandwichensis'' として分類している<ref name="JB7th">{{Cite book|和書|editor=日本鳥学会(目録編集委員会)|year=2012|title=日本鳥類目録 改訂第7版|publisher=[[日本鳥学会]]|isbn=978-4-930975-00-3|page=55}}</ref>


== 分布 ==
== 分布 ==
ハワイシロハラミズナギド、かつて[[ニイハウ島]]を除く[[ハワイ諸島]]のすべての主要地に生息したが、今日では[[マウイ島]]の[[ハレアカラ国立公園|ハレアカラ]]・クレーターにほぼ限定される。少数の個体は[[ハワイ島]]の[[マウナ・ロア山]]、[[カウアイ島]]のワイメア・キャニオン ([[w:Waimea Canyon State Park|Waimea Canyon]]) 、[[ラナイ島]]の[[:de:Lānaʻihale|Lānaʻihale]] に生息し<ref>{{cite journal |url=http://www.nokaoimagazine.com/article.aspx?issue=v.12n.2&article_name=Elusive+_Uau |title=The Elusive {{okina}}Ua{{okina}}u |first=Shannon |last=Wianecki |volume=12 |issue=2 |month=March |year=2008 |journal=[[w:Maui No Ka 'Oi Magazine|Maui Nō Ka {{okina}}Oi Magazine]]}}</ref>、[[モロカイ島]]にも生息するとも考えられる。
[[ハワイ諸島]]周辺を中心として[[アューシャン列島]]以南の海洋上に分布する<ref name="jp630">『鳥630図鑑』増補改訂版日本鳥類保護連盟、2002年、22頁。</ref>。かつて[[ニイハウ島]]を除くハワイ諸島のすべての主要地に生息したが、今日では[[マウイ島]]の[[ハレアカラ国立公園|ハレアカラ]]・クレーターにほぼ限定される。少数の個体は[[ハワイ島]]の[[マウナ・ロア山]]、[[カウアイ島]]のワイメア・キャニオン ([[w:Waimea Canyon State Park|Waimea Canyon]])、[[ラナイ島]]のラナイハレ山(ラナイハレ、[[:de:Lānaʻihale|Lānaʻihale]]に生息し<ref>{{cite journal|url=http://www.nokaoimagazine.com/article.aspx?issue=v.12n.2&article_name=Elusive+_Uau|title=The Elusive {{オキナ}}Ua{{オキナ}}u|first=Shannon|last=Wianecki|volume=12|issue=2|month=March|year=2008|journal=[[w:Maui No Ka 'Oi Magazine|Maui Nō Ka {{オキナ}}Oi Magazine]]}}</ref>、[[モロカイ島]]にも生息するとも考えられる<ref name="Haw&trop">{{cite book|title=A Field Guide to The Birds of Hawaii and the Tropical Pacific|year=1987|publisher=[[プリンストン大学出版局|Princeton University Press]]|isbn=0-691-02399-9|pages=68, 330}}</ref>。12月から3月の非繁殖期には、やや東の熱帯域に移動する個体が多い<ref name="san05" />


日本では[[迷鳥]]として、[[1976年]]9月4日に初めて1羽が[[岩手県]][[滝沢市|滝沢村]]の水田で拾得されたが、翌日死亡した。この個体は当初[[オオシロハラミズナギドリ]]とされたが、その後本種と同定されたことにより、ハワイシロハラミズナギドリの和名がつけられた<ref>{{Cite journal|和書|author=[[中村一恵]]|title=[https://doi.org/10.3312/jyio1952.11.64 日本初記録のハワイシロハラミズナギドリ]|date=1979-01|publisher=[[山階鳥類研究所]]|journal=山階鳥類研究所報告|volume=11|number=1|pages=64-66}}</ref>。また[[千葉県]]でも保護されたことがある<ref name="fgTakano">{{Cite book|和書|author=高野伸二|year=2007|title=フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版|publisher=[[日本野鳥の会]]|isbn=978-4-931150-41-6|page=70}}</ref>。
また、以前同一種とされたガラパゴスミズナギドリは、ガラパゴス諸島に分布する。

== 形態 ==
全長およそ43[[センチメートル]]、翼開長は92センチメートル<ref name="jp630" /><ref name="fgTakano" />で、翼は長くて幅が狭い。翼や尾の上面は黒褐色<ref name="fgTakano" />で、煤けたような色。下面は白くて、翼下面は白色だが黒い縁がある<ref name="san05" /><ref name="fgTakano" />。また腋羽にも黒い色が認められるが目立たない<ref name="jp630" />。額は白く<ref>{{Cite book|和書|author=箕輪義隆|date=2007|title=海鳥識別ハンドブック|publisher=[[文一総合出版]]|isbn=978-4-8299-0025-3|page=24}}</ref>、頭は後頭にかけて黒色である<ref name="fgTakano" />。くちばしは黒く、足は桃色で水かきが黒色の2色である<ref name="jp630" />。


== 生態 ==
== 生態 ==
=== 食性 ===
=== 食性 ===
餌は50-75%が[[イカ]]で、その他は[[魚類]]や[[甲殻類]]となる。
餌は50-75[[パーセント]]が[[イカ]]で、その他は[[魚類]]や[[甲殻類]]である。


=== 繁殖 ===
=== 繁殖 ===
小動物の巣穴もしくは岩の割れ目に営巣する。繁殖は3月から10月におよぶ。雌は1個の白い卵を産む。雛が孵化すると親鳥は海洋に出て、日中ずっと採餌し、夜にのみ帰ってくる。親鳥は餌を吐き出して雛に給餌する。雛は石炭灰色であり、初期ハワイにおいてはごちそうとされていた。学者らはこれまで、ミズナギドリは繁殖期のあいだ沿岸の比較的近くにいると考えていたが、マイクロ波測定を用いた新しい研究により、2週間におよぶ長い採餌旅行中に、[[アラスカ]]から[[日本]]の海域にまで移動することが分かっている。
山の不毛な高所傾斜地において<ref name="Haw&trop" />、小動物の巣穴もしくは岩の割れ目に営巣する。繁殖は3月から10月におよび、雌は1個の白い卵を産む。雛が孵化すると親鳥は海洋に出て、日中ずっと採餌し、夜にのみ帰ってくる。親鳥は餌を吐き出して雛に給餌する。雛は石炭灰色であり、ハワイ先住民においてはごちそうとされていた。学者らはこれまで、ミズナギドリは繁殖期のあいだ沿岸の比較的近くにいると考えていたが、マイクロ波測定を用いた新しい研究により、2週間におよぶ長い採餌旅行中に、[[アラスカ]]から日本の海域にまで移動することが分かっている。


夜間巣に戻ると、成鳥は "''oo-ah-oo ''" という特徴のあるうなり声をあげる。巣穴でもまた成鳥は様々に騒々しく鳴き立てる。
夜間巣に戻ると、成鳥は "''oo-ah-oo ''" という特徴のあるうなり声をあげる。巣穴でもまた成鳥はさまざまに騒々しく鳴き立てる。


親鳥は雛よりも2-3週間前に繁殖地から渡去する<ref name="Hawaii86" />。
== 特徴 ==

ミズナギドリ類の飛翔は、高くて急角度に傾斜した弧を描いて滑空するのが特徴である。ハワイシロハラミズナギドリの翼開長は 91cmで、翼は長くて幅が狭い。翼と尾は煤けたような色。足は桃色および黒色の2色
ミズナギドリ類の飛翔は、高くて急角度に傾斜した弧を描いて滑空するのが特徴である。


== 保全状況評価 ==
== 保全状況評価 ==
ハワイシロハラミズナギドリは、絶滅の危険性が高い1種であり、[[レッドリスト#IUCNレッドスト|IUCNレッドリスト]]においては[[危急種]]とされている。開発による生息地の損失に加え、ミズナギドリ類における最大の脅威は[[ネコ|猫]](ノネコ)[[ジャワマングース]][[クマネズミ属|クマネズミ類]]であり、それらはすべて巣穴の内部に入って無力である雛を食べる。[[ハレアカラ国立公園]]においては、ハワイシロハラミズナギドリのみでなく、捕食者の餌食となる多くの他の希少なハワイの鳥類の保全のために、野生化した動物の個体数を減らす多くの努力がなされている。
絶滅の危険性が高い種であり、[[レッドリスト#カテゴーと基準|IUCNレッドリスト]]においては[[危急種]]とされている。開発による生息地の損失に加え、最大の脅威は人的に移入された[[猫]](ノネコ)[[ジャワマングース]]<ref name="san05" />、[[クマネズミ属|クマネズミ類]]であり、それらはすべて巣穴の内部に入って無力である雛を食べる。[[ハレアカラ国立公園]]においては、ハワイシロハラミズナギドリのみでなく、捕食者の餌食となる多くの他の希少なハワイの鳥類の保全のために、野生化した動物の個体数を減らす多くの努力がなされている。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
*(2005). ''Hawaii's Birds''. Hawaii Audubon Society. Sixth ed.

== 関連項目 ==
* [[ガラパゴスシロハラミズナギドリ]] ([[w:Galápagos Petrel|Galápagos Petrel]])


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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{{wikispecies|Pterodroma sandwichensis}}
{{wikispecies|Pterodroma sandwichensis}}
*BirdLife International. (2005). Species factsheet: Pterodroma sandwichensis. Downloaded from [http://www.birdlife.org/datazone/species/index.html?action=SpcHTMDetails.asp&sid=3896&m=0 BirdLife International] on Nov. 3, 2005.
*BirdLife International. (2005). Species factsheet: Pterodroma sandwichensis. Downloaded from [http://www.birdlife.org/datazone/species/index.html?action=SpcHTMDetails.asp&sid=3896&m=0 BirdLife International] on Nov. 3, 2005.
*Oikonos. (September 2007). New Project: The Mystery of the {{okina}}Ua{{okina}}u. [http://www.oikonos.org/projects/uau.htm Oikonos]
*Oikonos. (September 2007). New Project: The Mystery of the {{オキナ}}Ua{{オキナ}}u. [http://www.oikonos.org/projects/uau.htm Oikonos]
* [http://www.nps.gov/hale/ Haleakalā National Park]
* [http://www.nps.gov/hale/ Haleakalā National Park]
* {{cite web |url=http://www.state.hi.us/dlnr/dofaw/cwcs/files/NAAT%20final%20CWCS/Chapters/Terrestrial%20Fact%20Sheets/Seabirds/Hawaiian%20petrel%20NAAT%20final%20!.pdf |title={{okina}}Ua{{okina}}u or Hawaiian Petrel |work=Hawaii’s Comprehensive Wildlife Conservation Strategy |publisher=State of Hawai{{okina}}i |date=2005-10-01 |accessdate= 2012-12-15 |language=英語}}
* {{Cite web|url=http://www.state.hi.us/dlnr/dofaw/cwcs/files/NAAT%20final%20CWCS/Chapters/Terrestrial%20Fact%20Sheets/Seabirds/Hawaiian%20petrel%20NAAT%20final%20!.pdf|title={{オキナ}}Ua{{オキナ}}u or Hawaiian Petrel|work=Hawaii's Comprehensive Wildlife Conservation Strategy|publisher=State of Hawai{{オキナ}}i|date=2005-10-01|accessdate=2012-12-15|language=英語|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110616062817/http://www.state.hi.us/dlnr/dofaw/cwcs/files/NAAT%20final%20CWCS/Chapters/Terrestrial%20Fact%20Sheets/Seabirds/Hawaiian%20petrel%20NAAT%20final%20%21.pdf|archivedate=2011-06-16|url-status=dead|url-status-date=2017-09}}
*[http://www.pref.iwate.jp/~hp0910/tayori/109p6.pdf {{Cite journal|和書|author=藤井忠志|title=テーマ展「岩手の鳥っこ」|date=2006-06|publisher=岩手県立博物館|journal=岩手県立博物館だより|number=109}}]


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[[Category:ミズナギドリ科]]
[[Category:ミズナギドリ科]]

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[[eu:Pterodroma sandwichensis]]
[[fr:Pétrel des Hawaï]]
[[sv:Hawaiipetrell]]

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ハワイシロハラミズナギドリ
ハワイシロハラミズナギドリ
ハワイシロハラミズナギドリ Pterodroma sandwichensis
(描画: Frohawk, 1890)
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ミズナギドリ目 Procellariiformes
: ミズナギドリ科 Procellariidae
: Pterodroma
: ハワイシロハラミズナギドリ
P. sandwichensis
学名
P. sandwichensis
(Ridgway, 1884)
和名
ハワイシロハラミズナギドリ
英名
Hawaiian Petrel

ハワイシロハラミズナギドリ(ハワイ白腹水薙鳥、ハワイ語: ʻUaʻu[2], 学名Pterodroma sandwichensis)は、ミズナギドリ目ミズナギドリ科シロハラミズナキドリ属に分類される、大形で暗灰褐色の鳥類である。ハワイ固有種

分類

[編集]

かつてはガラパゴス諸島に分布するガラパゴスシロハラミズナギドリ (Pterodroma phaeopygia) と同種と考えられていたが、独立種として分割された[3]。だが日本においては、ハワイシロハラミズナギドリを Pterodroma phaeopygia とし、亜種ハワイシロハラミズナギドリ Pterodroma phaeopygia sandwichensis として分類している[4]

分布

[編集]

ハワイ諸島周辺を中心としてアリューシャン列島以南の海洋上に分布する[5]。かつてニイハウ島を除くハワイ諸島のすべての主要地に生息したが、今日ではマウイ島ハレアカラ・クレーターにほぼ限定される。少数の個体はハワイ島マウナ・ロア山カウアイ島のワイメア・キャニオン (Waimea Canyon)、ラナイ島のラナイハレ山(ラナイハレ、Lānaʻihale)に生息し[6]モロカイ島にも生息するとも考えられる[7]。12月から3月の非繁殖期には、やや東の熱帯域に移動する個体が多い[3]

日本では迷鳥として、1976年9月4日に初めて1羽が岩手県滝沢村の水田で拾得されたが、翌日死亡した。この個体は当初オオシロハラミズナギドリとされたが、その後本種と同定されたことにより、ハワイシロハラミズナギドリの和名がつけられた[8]。また千葉県でも保護されたことがある[9]

形態

[編集]

全長およそ43センチメートル、翼開長は92センチメートル[5][9]で、翼は長くて幅が狭い。翼や尾の上面は黒褐色[9]で、煤けたような色。下面は白くて、翼下面は白色だが黒い縁がある[3][9]。また腋羽にも黒い色が認められるが目立たない[5]。額は白く[10]、頭は後頭にかけて黒色である[9]。くちばしは黒く、足は桃色で水かきが黒色の2色である[5]

生態

[編集]

食性

[編集]

採餌は50-75パーセントイカで、その他は魚類甲殻類である。

繁殖

[編集]

山の不毛な高所傾斜地において[7]、小動物の巣穴もしくは岩の割れ目に営巣する。繁殖期は3月から10月におよび、雌は1個の白い卵を産む。雛が孵化すると親鳥は海洋に出て、日中ずっと採餌し、夜にのみ帰ってくる。親鳥は餌を吐き出して雛に給餌する。雛は石炭灰色であり、ハワイ先住民においてはごちそうとされていた。学者らはこれまで、ミズナギドリは繁殖期のあいだ沿岸の比較的近くにいると考えていたが、マイクロ波測定を用いた新しい研究により、2週間におよぶ長い採餌旅行中に、アラスカから日本の海域にまで移動することが分かっている。

夜間巣に戻ると、成鳥は "oo-ah-oo " という特徴のあるうなり声をあげる。巣穴でもまた成鳥はさまざまに騒々しく鳴き立てる。

親鳥は雛よりも2-3週間前に繁殖地から渡去する[2]

ミズナギドリ類の飛翔は、高くて急角度に傾斜した弧を描いて滑空するのが特徴である。

保全状況評価

[編集]

絶滅の危険性が高い種であり、IUCNレッドリストにおいては危急種とされている。開発による生息地の損失に加え、最大の脅威は人的に移入された野猫(ノネコ)やジャワマングース[3]クマネズミ類であり、それらはすべて巣穴の内部に入って無力である雛を食べる。ハレアカラ国立公園においては、ハワイシロハラミズナギドリのみでなく、捕食者の餌食となる多くの他の希少なハワイの鳥類の保全のために、野生化した動物の個体数を減らす多くの努力がなされている。

脚注

[編集]
  1. ^ IUCN 2012. IUCN Red List of Threatened Species. version 2012.2 Pterodroma sandwichensis” (英語). IUCN. 2012年12月15日閲覧。
  2. ^ a b Hawaii's Birds (Sixth ed.). Hawaii: Hawaii Audubon Society. (1986). p. 14 
  3. ^ a b c d 三省堂編修所・吉井正『三省堂 世界鳥名事典』三省堂、2005年、407頁。ISBN 4-385-15378-7
  4. ^ 日本鳥学会(目録編集委員会) 編『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会、2012年、55頁。ISBN 978-4-930975-00-3 
  5. ^ a b c d 『鳥630図鑑』増補改訂版、日本鳥類保護連盟、2002年、22頁。
  6. ^ Wianecki, Shannon (March 2008). “The Elusive ʻUaʻu”. Maui Nō Ka ʻOi Magazine 12 (2). http://www.nokaoimagazine.com/article.aspx?issue=v.12n.2&article_name=Elusive+_Uau. 
  7. ^ a b A Field Guide to The Birds of Hawaii and the Tropical Pacific. Princeton University Press. (1987). pp. 68, 330. ISBN 0-691-02399-9 
  8. ^ 中村一恵日本初記録のハワイシロハラミズナギドリ」『山階鳥類研究所報告』第11巻第1号、山階鳥類研究所、1979年1月、64-66頁。 
  9. ^ a b c d e 高野伸二『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』日本野鳥の会、2007年、70頁。ISBN 978-4-931150-41-6 
  10. ^ 箕輪義隆『海鳥識別ハンドブック』文一総合出版、2007年、24頁。ISBN 978-4-8299-0025-3 

外部リンク

[編集]