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|全長=178mm |
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'''コルト・ディテクティブスペシャル''' |
'''コルト・ディテクティブスペシャル'''({{Lang-en|Colt Detective Special}})は、[[コルト・ファイヤーアームズ]]社が開発したコンパクトな[[回転式拳銃]]{{Sfn|床井|1996|pp=238-239}}{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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== 設計 == |
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本銃は、小型のDフレームに基づいて設計されており、6連発の[[シリンダー]]を備えている{{Sfn|Yano|2015}}。長期にわたって多数が生産されたことから、順次に改良が重ねられている。 |
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「ディテクティブ」([[刑事]]または[[探偵]])の名が示す通り、主に私服[[警察官]]や[[探偵]](アメリカの)、[[麻薬取締官]]の護身用として使用される。そのため、5連発のポケットリボルバーである [[S&W M36]] ほどではないが小型である。同銃には前期型と後期型があり、前期型はエジェクターロッドが剥き出しの[[バレル (銃身)|銃身]]を持っているもので、後期型はエジェクターロッドが銃身に隠れる(バレル・シュラウドという)ものである。 |
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; 1st issue{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}} |
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: [[1927年]]から[[1946年]]まで生産された最初期型。基本的には、先行する{{仮リンク|コルト・ポリスポジティブ|en|Colt Police Positive Special|label=コルト・ポリスポジティブ・スペシャル}}を元に[[銃砲身|銃身]]を2インチに短縮して[[:en:Snubnosed revolver|スナブノーズ]]としたモデル。当初は[[:en:.32 S&W Long|.32ニューポリス(.32 S&Wロング)弾]]、[[:en:.38 S&W|.38ニューポリス(.38 S&W)弾]]もラインナップされていたが、こちらは[[1930年代]]のうちに生産終了となり、[[.38スペシャル弾]]モデルのみが継続された。なお、後の[[S&W_M36#ボディーガードシリーズ|S&W ボディーガード]]{{Enlink|Smith & Wesson Bodyguard}}のように、フレーム後端部を延長してシュラウドとし、ハンマーをフレーム内に挟み込んだモデルも少数生産された。仕上げはブルーフィニッシュ、グリップは[[木]]製あるいは[[合成樹脂|プラスチック]]製とされていた{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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1927年、先に発売されていた[[コルト・ポリスポジティブ]]シリーズの内、ポリスポジティブスペシャルのバリエーションとしてデティクティブは発売された。短銃身のリボルバーを"スナッブノーズ(獅子っ鼻)"と呼んだのはこのモデルが初めてと言われている。当初、2インチバレルのみ生産され、後に3インチモデルも加わったがこちらはごく少数の生産数しかなかったと言う。1927年発売型(俗に言う1stモデル)は後の物よりフレームの前後幅が短く、またグリップ基部のえぐり込みが大きいためグリップが長く見える。ごくごく初期のものは原型となったポリスポジティブと同じくスクエアバットだった。 |
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: [[1947年]]から[[1972年]]まで生産された改良型。フレームの前後幅が延長され、全体に流線型となった。銃身長は、2インチのほかに3インチもラインナップされていた。グリップは当初はプラスチック製だったが、[[1955年]]以降はメダリオン入りの木製グリップが供給された。仕上げはブルーフィニッシュのほか、25[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]追加すればニッケルフィニッシュも選択できた{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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: [[1973年]]から[[1986年]]までの生産モデル。基本的に2nd issueと同様だが、銃身下のエジェクターロッドに覆い(バレル・シュラウド)が付された{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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; 4th issue{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}} |
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: [[1997年]]以降の生産モデル。インターナルロックおよび改良された[[安全装置]]を備えている。銃身長は2インチのみ、当初は.38スペシャル弾仕様とされていたが、[[1998年]]以降は[[.357マグナム弾]]の運用にも対応した。グリップは[[ゴム]]製が標準装備、仕上げは[[ステンレス鋼]]であった。なお、当初はディテクティブスペシャルII(DS-II)として、[[1998年]]から[[2000年]]にかけてはマグナム・キャリーとして販売されていた{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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== 派生型 == |
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第2次大戦を経て、1950年ごろに2ndモデルに移行する。フレームの前後幅が延長され、グリップの長さが今と同じになり、短いエジェクションロッドとプラスティック製グリップを付けた物になった。これはすぐに改められ、長いエジェクションロッドとメダリオン入りの木製グリップを付けた物に変更された。その後、グリップの長さの変更やフロントサイトのデザイン変更などのマイナーチェンジを繰り返しながら生産を続けていたが、1972年にバレルをブルバレル化し、エジェクションロッドシュラウドを付けた3rdモデルに移行する。 |
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ディテクティブスペシャルがトラディショナルな[[炭素鋼]]製であるのに対して、フレームに[[アルミニウム合金]]を導入して軽量化を図ったモデル。これによって{{Convert|7|oz|g}}もの軽量化に成功し、重量はわずか{{Convert|15|oz|g}}となった。使用[[弾薬]]としては、[[.38スペシャル弾]]のほか、[[.22ロングライフル弾]]、.32ニューポリス弾もラインナップされていたが、[[1973年]]以降の後期型 (2nd issue) では.38スペシャル弾のみとなった。こちらはディテクティブスペシャルの3rd issueと同様、エジェクターロッドがバレル・シュラウドに収容されたほか、[[ニッケル]]仕上げも選べるようになっていた{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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その後もしばらくは生産を続けていたが、1986年に一旦生産を中止する。後に名前とデザインを大幅に変えた類似モデルを発売するがここでは割愛する。 |
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[[Image:Colt Cobra-edit.jpg|thumb|right|250px|コブラ・ニューモデル]] |
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== バリエーション == |
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[[1950年]]に発売されたモデル。ディテクティブスペシャルがオールスチールモデルであるのに対して同モデルはアルミ合金製フレームを持つ軽量モデルである。この改良により、約170gもの軽量化に成功している。口径は.38スペシャルの他、.22ロングライフル、.32ニューポリス、.38コルトニューポリスの4種類があった。仕上げはブルー仕上げとニッケルメッキ仕上げが選べた。 |
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また、2016年には[[ステンレススチール]]フレームに黒いラバーグリップ、ファイバータイプのフロントサイトを備えた'''コブラ・ニューモデル、'''2017年には[[DLCコーティング]]によってブラックカラーとなったステンレスフレームにVZ G10グリップ、交換可能なフロントナイトサイトを備え、ボブドハンマーによって[[ダブルアクション]]オンリーとなった'''ナイト・コブラ'''も登場した。 |
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=== コルト・クーリエ === |
=== コルト・クーリエ === |
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[[#コルト・コブラ|コブラ]]をもとに、グリップフレームを短くし、3インチ[[銃砲身|バレル]]を装備したモデル。使用[[弾薬]]としては、[[.22ロングライフル弾]]と.32コルトニューポリス弾の2種類がラインナップされた。[[1955年]]から[[1956年]]にかけて約3,000丁が生産された{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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=== コルト・エージェント === |
=== コルト・エージェント === |
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[[#コルト・コブラ|コブラ]]をもとに、コンシールド・キャリーに対応してグリップフレームを短縮したモデル。コブラと歩調を合わせてバージョンアップしており、[[1955年]]から[[1973年]]まで生産された前期型 (1st issue) と、1973年から[[1986年]]まで生産された後期型 (2nd issue) がある{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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1962年に生産を開始し、1986年の生産終了までに50000丁を販売したモデル。コルト・コブラのバリエーションであり、グリップフレームが短い。そのため約20gの軽量化に成功している。 |
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=== コルト・エアクルーマン === |
=== コルト・エアクルーマン === |
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[[#コルト・コブラ|コブラ]]をもとに、フレームだけでなく、[[シリンダー]]も[[アルミニウム合金]]製としたモデル。重量はわずか{{Convert|11|oz|g}}であった。[[スミス&ウェッソン|S&W]]社が同時期に開発した[[S&W M12]](通称・S&Wエアクルーマン)と同様、[[アメリカ空軍]]の[[航空機]]搭乗員用として構想されており、[[.38スペシャル弾]]の米空軍仕様であるM41弾の使用が求められた{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。 |
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コルト・コブラのバリエーション。フレームのみをアルミとしたコブラと異なり、シリンダーまでアルミ化したモデルで重さは約310gしかなかった。アメリカ空軍のパイロット・ナビゲーター用としてテストされたが途中で不具合が発生し、生産した1189丁全てが返却され、そのほとんどが破壊処分された。コブラ等とは異なるデザインの木製グリップと、バックストラップに"米空軍の所有物"という刻印が入っているのが特徴。 |
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[[1951年]]に約1,200丁が生産された{{Sfn|Sapp|2007|pp=109-112}}。しかし、S&W エアクルーマンや[[S&W M37|チーフスペシャル・エアウェイト]]と同様、アルミニウム合金製シリンダーの強度不足が問題となり、運用は中止された{{Sfn|Williams|2009}}。 |
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=== コルト・コマンドスペシャル === |
=== コルト・コマンドスペシャル === |
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1980年代になって登場したデ |
[[1980年代]]になって登場したディテクティブスペシャルのバリエーション。3rdモデルをベースにパーカーライジング仕上げ、ネオプレーンゴム製のグリップを付属する。 |
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=== SF-VI === |
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[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社いわく「新世代のディテクティブスペシャル」として[[1995年]]ごろ登場した。見た目や大きさはディテクティブスペシャルそのものだが、[[トリガー (銃)|トリガー]]の構造は[[コルト・ローマン|ローマン Mk.III]]と同じトランスファーバーである。ハンマースプリングはディテクティブスペシャルと同じリーフスプリング<ref>国際出版社刊 月刊Gun 1996年6月号特集</ref>{{要ページ番号|date=2019-12-18}}。姉妹品としてデホーンドハンマーのレディコルトがある<ref>国際出版社刊 月刊Gun 1996年6月号47頁</ref>。 |
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== 参考文献 == |
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=== 混同されがちなモデル === |
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* {{Citation|和書|last=床井|first=雅美|year=1996|title=最新ピストル図鑑〈Vol.2〉|publisher=[[徳間書店]]|isbn=978-4198904937|ref=harv}} |
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ポリスポジティブスペシャルはデティクティブの元になったモデルであり、ポリスポジティブシリーズのバリエーションに過ぎない。バンカーズモデルはポリスポジティブシリーズの内、ポリスポジティブ.38のバリエーションである。 |
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* {{Cite book|first=Rick|last=Sapp|year=2007|title=Standard Catalog of Colt Firearms|publisher=[[:en:F+W Media|F+W Media]]|isbn=978-0896895348|ref=harv}} |
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* {{Cite journal|first=Kevin|last=Williams|title=Colt Two-Inch Revolvers in U.S. Military Service||publisher=The Rampant Colt|journal=Colt Collectors Association Magazine|year=2009|month=June|ref=harv}} |
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* {{Cite journal|和書|first=Terry|last=Yano|year=2015|month=9|title=日本警察で使用されたコルトの拳銃|journal=[[Gun Professionals]]|pages=114-117|publisher=[[ホビージャパン]]|id={{NDLBibID|023443107-i26189344}}|ref=harv}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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*[[コルト・ファイヤーアームズ]] |
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* [[回転式拳銃]] |
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*[[コルト・ローマン]] |
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* [[コルト・オフィシャルポリス]] - [[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社製38[[口径]]リボルバーの[[メインストリーム]]。 |
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*[[S&W M36]] |
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* [[S&W M36]] - 本銃とともにスナブノーズ・リボルバーの代表格とされる。 |
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* [[スカイヤーズビンガム]] - 本銃をモデルとする[[サタデーナイトスペシャル]]。 |
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{{自衛隊の隊員用武器・弾薬}} |
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[[be:Рэвальвер Colt Detective Special]] |
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[[Category:コルト・ファイヤーアームズの回転式拳銃|ていてくていふすへしやる]] |
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[[Category:アメリカ合衆国の小火器]] |
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[[fr:Colt Detective Special]] |
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[[Category:陸上自衛隊の小火器]] |
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[[pl:Rewolwer Colt Detective Special]] |
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[[ru:Colt Detective Special]] |
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[[sk:Colt Detective Special]] |
2024年5月4日 (土) 02:59時点における最新版
概要 | |
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種類 | 回転式拳銃 |
製造国 | アメリカ合衆国 |
設計・製造 | コルト・ファイヤーアームズ |
性能 | |
口径 | 9mm |
銃身長 | 51mm |
ライフリング | 6条左回り |
使用弾薬 | .38スペシャル弾 |
装弾数 | 6発 |
作動方式 | シングル/ダブルアクション |
全長 | 178mm |
重量 | 595g |
コルト・ディテクティブスペシャル(英語: Colt Detective Special)は、コルト・ファイヤーアームズ社が開発したコンパクトな回転式拳銃[1][2]。
設計
[編集]本銃は、小型のDフレームに基づいて設計されており、6連発のシリンダーを備えている[3]。長期にわたって多数が生産されたことから、順次に改良が重ねられている。
- 1st issue[2]
- 1927年から1946年まで生産された最初期型。基本的には、先行するコルト・ポリスポジティブ・スペシャルを元に銃身を2インチに短縮してスナブノーズとしたモデル。当初は.32ニューポリス(.32 S&Wロング)弾、.38ニューポリス(.38 S&W)弾もラインナップされていたが、こちらは1930年代のうちに生産終了となり、.38スペシャル弾モデルのみが継続された。なお、後のS&W ボディーガード (Smith & Wesson Bodyguard) のように、フレーム後端部を延長してシュラウドとし、ハンマーをフレーム内に挟み込んだモデルも少数生産された。仕上げはブルーフィニッシュ、グリップは木製あるいはプラスチック製とされていた[2]。
- 2nd issue[2]
- 1947年から1972年まで生産された改良型。フレームの前後幅が延長され、全体に流線型となった。銃身長は、2インチのほかに3インチもラインナップされていた。グリップは当初はプラスチック製だったが、1955年以降はメダリオン入りの木製グリップが供給された。仕上げはブルーフィニッシュのほか、25ドル追加すればニッケルフィニッシュも選択できた[2]。
- 3rd issue[2]
- 1973年から1986年までの生産モデル。基本的に2nd issueと同様だが、銃身下のエジェクターロッドに覆い(バレル・シュラウド)が付された[2]。
- 4th issue[2]
- 1997年以降の生産モデル。インターナルロックおよび改良された安全装置を備えている。銃身長は2インチのみ、当初は.38スペシャル弾仕様とされていたが、1998年以降は.357マグナム弾の運用にも対応した。グリップはゴム製が標準装備、仕上げはステンレス鋼であった。なお、当初はディテクティブスペシャルII(DS-II)として、1998年から2000年にかけてはマグナム・キャリーとして販売されていた[2]。
派生型
[編集]コルト・コブラ
[編集]ディテクティブスペシャルがトラディショナルな炭素鋼製であるのに対して、フレームにアルミニウム合金を導入して軽量化を図ったモデル。これによって7オンス (200 g)もの軽量化に成功し、重量はわずか15オンス (430 g)となった。使用弾薬としては、.38スペシャル弾のほか、.22ロングライフル弾、.32ニューポリス弾もラインナップされていたが、1973年以降の後期型 (2nd issue) では.38スペシャル弾のみとなった。こちらはディテクティブスペシャルの3rd issueと同様、エジェクターロッドがバレル・シュラウドに収容されたほか、ニッケル仕上げも選べるようになっていた[2]。
ジャック・ルビーが、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺犯とされるリー・ハーヴェイ・オズワルドを射殺した際に使用した銃でもある。
また、2016年にはステンレススチールフレームに黒いラバーグリップ、ファイバータイプのフロントサイトを備えたコブラ・ニューモデル、2017年にはDLCコーティングによってブラックカラーとなったステンレスフレームにVZ G10グリップ、交換可能なフロントナイトサイトを備え、ボブドハンマーによってダブルアクションオンリーとなったナイト・コブラも登場した。
コルト・クーリエ
[編集]コブラをもとに、グリップフレームを短くし、3インチバレルを装備したモデル。使用弾薬としては、.22ロングライフル弾と.32コルトニューポリス弾の2種類がラインナップされた。1955年から1956年にかけて約3,000丁が生産された[2]。
コルト・エージェント
[編集]コブラをもとに、コンシールド・キャリーに対応してグリップフレームを短縮したモデル。コブラと歩調を合わせてバージョンアップしており、1955年から1973年まで生産された前期型 (1st issue) と、1973年から1986年まで生産された後期型 (2nd issue) がある[2]。
コルト・エアクルーマン
[編集]コブラをもとに、フレームだけでなく、シリンダーもアルミニウム合金製としたモデル。重量はわずか11オンス (310 g)であった。S&W社が同時期に開発したS&W M12(通称・S&Wエアクルーマン)と同様、アメリカ空軍の航空機搭乗員用として構想されており、.38スペシャル弾の米空軍仕様であるM41弾の使用が求められた[2]。
1951年に約1,200丁が生産された[2]。しかし、S&W エアクルーマンやチーフスペシャル・エアウェイトと同様、アルミニウム合金製シリンダーの強度不足が問題となり、運用は中止された[4]。
コルト・コマンドスペシャル
[編集]1980年代になって登場したディテクティブスペシャルのバリエーション。3rdモデルをベースにパーカーライジング仕上げ、ネオプレーンゴム製のグリップを付属する。
SF-VI
[編集]コルト社いわく「新世代のディテクティブスペシャル」として1995年ごろ登場した。見た目や大きさはディテクティブスペシャルそのものだが、トリガーの構造はローマン Mk.IIIと同じトランスファーバーである。ハンマースプリングはディテクティブスペシャルと同じリーフスプリング[5][要ページ番号]。姉妹品としてデホーンドハンマーのレディコルトがある[6]。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 床井雅美『最新ピストル図鑑〈Vol.2〉』徳間書店、1996年。ISBN 978-4198904937。
- Sapp, Rick (2007). Standard Catalog of Colt Firearms. F+W Media. ISBN 978-0896895348
- Williams, Kevin (June 2009). “Colt Two-Inch Revolvers in U.S. Military Service”. Colt Collectors Association Magazine (The Rampant Colt).
- Yano, Terry「日本警察で使用されたコルトの拳銃」『Gun Professionals』、ホビージャパン、2015年9月、114-117頁、国立国会図書館書誌ID:023443107-i26189344。
関連項目
[編集]- 回転式拳銃
- コルト・オフィシャルポリス - コルト社製38口径リボルバーのメインストリーム。
- S&W M36 - 本銃とともにスナブノーズ・リボルバーの代表格とされる。
- スカイヤーズビンガム - 本銃をモデルとするサタデーナイトスペシャル。