コンテンツにスキップ

「クロスオーバーSUV」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
1行目: 1行目:
[[Image:Infiniti FX45.jpg|thumb|250px|right|[[インフィニティ・FX]] (日本製 海外専売)]]
[[Image:Infiniti FX45.jpg|thumb|250px|right|[[インフィニティ・FX]] (日本製 海外専売)]]
[[Image:Ladaniva.jpg|right|thumb|250px|[[w:AutoVAZ|VAZ]] [[ラーダ (自動車)|ラーダ]]・[[w:Lada Niva|ニーヴァ]] ([[ソビエト連邦|ソ連]])<br />ポルシェが設計に関与、フィアットが生産に協力したフルタイム4WD乗用車。<br />良くできた(あくまでも設計、品質ではない)「実用車」であり、CUVとは路線が異なる。]]
[[Image:Ladaniva.jpg|right|thumb|250px|[[w:AutoVAZ|VAZ]] [[ラーダ (自動車)|ラーダ]]・[[w:Lada Niva|ニーヴァ]] ([[ソビエト連邦|ソ連]])<br />ポルシェが設計に関与、フィアットが生産に協力したフルタイム4WD乗用車。<br />良くできた(あくまでも設計であり、品質ではない)「実用車」であり、CUVとは路線が異なる。]]
[[Image:AMC Eagle wagon.jpg|right|thumb|250px|1980年発売の[[イーグル (自動車) |AMC イーグル]] ワゴン(米国)<br />乗用車の皮を被った「[[ジープ|Jeep]]」とも言えるもので、現在のCUVに比べると本格的なオフロードカーである。<!-- 乗用車ベースでオフロードに味付けされた例:現在であればクロスオーバーSUVに分類される   ←味付けどころでは無く、ハイリフトジャッキも使える、真正オフロ-ダーです]]--> ]]
[[Image:AMC Eagle wagon.jpg|right|thumb|250px|1980年発売の[[イーグル (自動車) |AMC イーグル]] ワゴン(米国)<br />乗用車の皮を被った「[[ジープ|Jeep]]」とも言えるもので、現在のCUVに比べると本格的なオフロードカーである。<!-- 乗用車ベースでオフロードに味付けされた例:現在であればクロスオーバーSUVに分類される   ←味付けどころでは無く、ハイリフトジャッキも使える、真正オフロ-ダーです]]--> ]]
[[Image:Talbot-Matra Rancho.jpg|right|thumb|250px|1977年発売の[[タルボ]]-[[マトラ (自動車)|マトラ]] [[w:Matra Rancho|ランチョ]](フランス )<br />[[w:Simca 1100|シムカ 1100]]の[[貨物自動車|フルゴネット]]([[ライトバン]])である「VZ2」のコスメティックモデル。<br />商用車ベースであることとFF(2WD)のみであることから、自動車史ではレジャーカーとして分類されることが多く、最近のCUVとは毛色が異なる。[[:en:Peugeot Partner|プジョー・パルトネール]]のご先祖様。]]
[[Image:Talbot-Matra Rancho.jpg|right|thumb|250px|1977年発売の[[タルボ]]-[[マトラ (自動車)|マトラ]] [[w:Matra Rancho|ランチョ]](フランス )<br />[[w:Simca 1100|シムカ 1100]]の[[貨物自動車|フルゴネット]]([[ライトバン]])である「VZ2」のコスメティックモデル。<br />商用車ベースであることとFF(2WD)のみであることから、自動車史ではレジャーカーとして分類されることが多く、最近のCUVとは毛色が異なる。[[:en:Peugeot Partner|プジョー・パルトネール]]のご先祖様。]]
[[Image:Australia 2 202.jpg|thumb|250px|[[w:Ford Territory|フォード・テリトリー]](オーストラリア)]]
[[Image:Australia 2 202.jpg|thumb|250px|[[w:Ford Territory|フォード・テリトリー]](オーストラリア)]]


'''クロスオーバーSUV'''(Crossover Sport Utility Vehicle '''CUV''')とは、主に[[北米]]での[[自動車]]の区分の1つ。[[SUV]]とスポーティーカーやプレミアムカー([[高級車]])のテイストを融合させたクルマのこと。多くは乗用車とプラットフォームやパワートレインを共用しており、オフロードを連想させる地上高と、大径タイヤが外観上のセールスポイント。
'''クロスオーバーSUV'''(Crossover Sport Utility Vehicle '''CUV''')とは、主に[[北米]]での[[自動車]]の区分の1つ。[[SUV]]とスポーティーカーやプレミアムカー([[高級車]])のテイストを融合させたクルマのこと。
オフロードを連想させる地上高と、大径タイヤが外観上のセールスポイントとなっているが、そのほとんどは乗用車とサスペンションやパワートレインを共用している


==特徴==
==特徴==
CUVの要件は「カッコよくて目立つ」こと。
CUVの要件は「カッコよくて目立つ」こと。


ボディーの見切りや室内容積を犠牲にしてまでも、北米市場好みの、スポーティーで大胆(日本人の感覚ではいささか奇異)なスタイルとすることが最優先とされている。基本的に富裕層向けとなるためデザインも早めに陳腐化する(短いスパンで次のクルマを物色する客が多いため、買い換えの理由をメーカーが用意するよう、極めて派手なものにされている。
ボディーの見切りや室内容積を犠牲にしてまでも、北米市場好みの、スポーティーで大胆(日本人の感覚ではいささか奇異)なスタイルとすることが最優先とされている。基本的に富裕層向けであり、短いスパンで次のクルマを物色する客が多いため、買い換えの理由をメーカー自身が用意するかのごとく、デザインも早めに陳腐化するよう、極めて派手なものにされている。


[[ピックアップ]]出自のSUVと較べ、モノコックボディーにより[[NVH]]に優れること、走りの面でも、乗用車系のシャーシに起因して、特にFRレイアウトがベースのクルマではオンロードでのパフォーマンスが高いこともアドバンテージとなっている。
[[ピックアップ]]出自のSUVと較べ、モノコックボディーにより[[NVH]]に優れること、走りの面でも、乗用車系のシャーシに起因して、特にFRレイアウトがベースのクルマではオンロードでのパフォーマンスが高いこともアドバンテージとなっている。


米国ではクロスオーバーSUVは乗用車に含まれるカテゴリー名であり、税区分や保険区分上もトラックであるSUVとは異なり、区別されている。
そこまでしてオフローダーやSUVと差別化する理由は、ブランドイメージを高め、(販売価格を高額にし)収益性を上げるためである。

そこまでしてオフローダーやSUVと差別化する理由は、上級イメージを市場に浸透させ、販売価格を高めに設定するため。もともと乗用車との部品の共用で、開発、製造コストを抑えているため、収益性が非常に高くなり、これがメーカーにとっての旨みとなる。


メカニズムを共有する兄弟SUVがある場合でも、各メーカー内でのCUVの企画とスタイリングは高級車部門が担当しているケースが多い。販売面でもイメージを保つことには留意されており、たとえば[[レクサス・RX]]と[[トヨタ・ハイランダー]]を同じショールームに置くことは、契約上禁止されている。
メカニズムを共有する兄弟SUVがある場合でも、各メーカー内でのCUVの企画とスタイリングは高級車部門が担当しているケースが多い。販売面でもイメージを保つことには留意されており、たとえば[[レクサス・RX]]と[[トヨタ・ハイランダー]]を同じショールームに置くことは、契約上禁止されている。
20行目: 24行目:
SUVでは2輪駆動の比率が増える傾向にあるが、CUVには今のところ2駆の設定は無く、[[エアサス]]などを利用した車高調整機能を装備するものも多く、収益性向上に貢献している。
SUVでは2輪駆動の比率が増える傾向にあるが、CUVには今のところ2駆の設定は無く、[[エアサス]]などを利用した車高調整機能を装備するものも多く、収益性向上に貢献している。


乗用車で主流の[[モノコック構造|モノコックボディ]]構造であり、[[足回り]]など乗用車の乗り心地がベースとなっている点が[[貨物自動車|トラック]]のシャシーをベースとするSUVとは異なる。一見SUV風の外観をしているが、[[フレーム形式 (自動車)|フレーム]]を持たないため、[[ヘビーデューティー]]用途には向いていない。つまり、一般的には[[オフロード]]性能が劣る。一方、[[燃費]]やハンドリング、[[NVH]]性能には一般的に優れる。米国ではSUVはトラックに含まれるカテゴリ名であり税区分異なる乗用車クロスオーバーSUVとは区別される
車台は乗用車で主流の[[モノコック構造]]であり、[[足回り]]など乗用車ベースとなっている点が[[貨物自動車|トラック]]のシャシーをベースとするSUVとは異なる。一見オフローダー風の外観をしていても、[[フレーム形式 (自動車)|フレーム]]を持たないため、[[ヘビーデューティー]]用途には向いていない。つまり、一般的にはフロード性能が劣る。一方、操縦安定性やハンドリング、[[NVH]]、[[燃費]]性能には一般的に優れる。ドイツ車では、性能の向上を目的とした「専用に近い車両プラットフォム」を持つものが多い

クロスオーバーSUVが人気を得るにつれ、SUV性能の向上を目的とした「専用に近い車両プラットフォーム」も開発され、たとえば、モノコック構造の前後にフレーム構造を取り込むなどの技術によりフレームを持つ車種と比較しても遜色ない悪路走破性を発揮する車種も登場している。


==クロスオーバーという概念の起こり==
==クロスオーバーという概念の起こり==
29行目: 31行目:
<small>(*1:[[ハイブリッド]]は、日本語における自動車関係の文章では[[電気モーター]][[エンジン]]と[[ガソリンエンジン]]を併用した自動車に使われることが多いが、第一義の意味では[[遺伝学]]の分野で[[動物]]や[[植物]]で異なる親から生まれた(発生した)[[子孫]]を指す[[用語]]。この意味で、ハイブリッドの日本語訳としても[[雑種]]、[[混合]]、[[まじりっ気]]のあるというのが基本的な意味である。[[英語]]での同義の用語として[[クロスブリーディング]]があり、同様に車においてもクロスオーバーとハイブリッドは同義となる。)</small>
<small>(*1:[[ハイブリッド]]は、日本語における自動車関係の文章では[[電気モーター]][[エンジン]]と[[ガソリンエンジン]]を併用した自動車に使われることが多いが、第一義の意味では[[遺伝学]]の分野で[[動物]]や[[植物]]で異なる親から生まれた(発生した)[[子孫]]を指す[[用語]]。この意味で、ハイブリッドの日本語訳としても[[雑種]]、[[混合]]、[[まじりっ気]]のあるというのが基本的な意味である。[[英語]]での同義の用語として[[クロスブリーディング]]があり、同様に車においてもクロスオーバーとハイブリッドは同義となる。)</small>


2006年時点で、米国では「SUV」という用語がすでに20年以上使用され、カテゴリー用語として定着した一方で、消費者の心をつかむためのマーケティング用語としては陳腐化も起こっている。1990年代末から、SUVに対する安全性への指摘がなされ、SUV批判が起こったが、まだ有識者の間でのみだった。しかし、2003年末から起こったガソリン価格の高騰は1ガロン=2ドルを超え、3ドルに達する。高騰が長引くにつれ、燃費の悪いSUVの販売は落ち込む。SUVブームの中心にあり、ブームを自身で推し進めていた米国の2大メーカー、GM、フォードはこの10年間の収益の軸をSUVにおいていたため、SUVの落ち込みは会社の経営に影響した。そのため、特に両社では、SUVのマイナスイメージに引きずられないよう、クロスオーバー系の車両に関わらずマーケティングにおいてSUVを想起させない(思わせない)アプローチがなされはじめている。つまり、SUVという言葉を使わない方向に向かいつつある。
2006年時点で、米国では「SUV」という用語がすでに30年以上にわたって使用され、カテゴリー用語として定着した一方で、消費者の心をつかむためのマーケティング用語としては陳腐化も起こっている。1990年代末から、SUVに対する安全性への指摘がなされ、SUV批判が起こったが、まだ有識者の間でのみだった。しかし、2003年末から起こったガソリン価格の高騰は1ガロン=2ドルを超え、3ドルに達する。高騰が長引くにつれ、燃費の悪いSUVの販売は落ち込む。SUVブームの中心にあり、ブームを自身で推し進めていた米国の2大メーカー、GM、フォードはこの10年間の収益の軸をSUVにおいていたため、SUVの販売落ち込みは会社の経営に影響した。そのため、特に両社では、SUVのマイナスイメージに引きずられないよう、クロスオーバー系の車両に関わらずマーケティングにおいてSUVを想起させない(思わせない)アプローチがなされはじめている。つまり、SUVという言葉を使わない方向に向かいつつある。


==歴史==
==歴史==
===元祖===
===元祖===
歴史を遡(さかのぼ)れば、乗用車をオフロード風に仕立てた車がある。英語版Wikipediaによれば、この始祖が[[1957年]]旧[[ソ連]]で生産された[[モスクビッチ410]](Moskvitch 410)であるが、これは日本の感覚では「[[生活4駆]]」の範疇に含まれる。乗用車ベースのものでは、他にも1971年の[[スバル・レオーネ]]、1977年の[[w:Lada Niva|ラーダ・ニーヴァ]]、1980年の[[イーグル (自動車) |AMC イーグル]]がよく知られている。イーグルは[[ジープ]]一族ならではの造り本格オフロードカーであり、XJチェロキー誕生の原動力ともなった。一方、欧州でも、欧州[[クライスラー]]の[[タルボ]]-[[マトラ (自動車)|マトラ]]が1977年、[[w:Matra Rancho|ランチョ]]を発表している。ランチョはFF乗用車の[[w:Simca 1100|シムカ 1100]]をベースとした[[貨物自動車|フルゴネット]]([[ライトバン]])である、「[[w:Simca 1100 VZ2|シムカ 1100 VZ2]]」にオフローダー風の「お化粧」を施したモデルであり、自動車史の上ではレジャーカーとして認識されている。<!--このランチョの後継は流転を重ね、[[ミニバン]]の始祖、[[ルノー・エスパス]]につながる。  ←マトラは[[PSAプジョー・シトロエン|PSA]]に吸収された際、ランチョの後継となる[[MPV]]を「[[モノスペース]]」で提案したが、PSAはこれを却下。しかしマトラはそのアイディアを[[ルノー公団|ルノー]]に売ることに成功、[[ミニバン]]の嚆矢ともいえる[[ルノー・エスパス|エスパス]]の誕生につながった。-->
歴史を遡(さかのぼ)れば、乗用車をオフロード風に仕立てた車がある。英語版Wikipediaによれば、この始祖が[[1957年]]旧[[ソ連]]で生産された[[モスクビッチ410]](Moskvitch 410)であるが、これは日本の感覚では「[[生活4駆]]」の範疇に含まれる。乗用車ベースのものでは、他にも1971年の[[スバル・レオーネ]]、1977年の[[w:Lada Niva|ラーダ・ニーヴァ]]、1980年の[[イーグル (自動車) |AMC イーグル]]がよく知られている。イーグルは[[ジープ]]一族ならではの造りを見せる、本格オフロードカーであり、XJチェロキー誕生の原動力ともなった。
一方、欧州でも、欧州[[クライスラー]]の[[タルボ]]-[[マトラ (自動車)|マトラ]]が1977年、[[w:Matra Rancho|ランチョ]]を発表している。ランチョはFF乗用車の[[w:Simca 1100|シムカ 1100]]をベースとした[[貨物自動車|フルゴネット]]([[ライトバン]])である、「[[w:Simca 1100 VZ2|シムカ 1100 VZ2]]」にオフローダー風の「お化粧」を施したモデルであり、4WDでもなく、自動車史の上ではレジャーカーとして認識されている。<!--このランチョの後継は流転を重ね、[[ミニバン]]の始祖、[[ルノー・エスパス]]につながる。  ←マトラは[[PSAプジョー・シトロエン|PSA]]に吸収された際、ランチョの後継となる[[MPV]]を「[[モノスペース]]」で提案したが、PSAはこれを却下。しかしマトラはそのアイディアを[[ルノー公団|ルノー]]に売ることに成功、[[ミニバン]]の嚆矢ともいえる[[ルノー・エスパス|エスパス]]の誕生につながった。-->


===SUV全盛の米国===
===SUV全盛の米国===
SUVは米国で広まった自動車のカテゴライズ概念。[[w:International Harvester Scout|インターナショナルハーベスタースカウト]]や、[[w:Jeep Wagoneer|ジープ・ワゴニア / チェロキー (XJ)]]SUVのパイオニアされている。その後、それらにヒントを得た[[ビッグ・スリー]]が、2代目[[フォード・ブロンコ]]、[[シボレー・ブレイザー(K5)]]、[[ダッジ・ラムチャージャー]]など、フルサイズピックアップの荷台にシェルを被せたワゴンをリリースし、一気に市民権を得たことから、SUVの呼び名が定着した。1984年頃[[ジープ・チェロキー|チェロキー (XJ)]]のヒットにより、それまでオフローダーに縁の無かった乗用車ユーザーにもSUVが浸透し、基本的なカテゴリーとして認知されるようになった。チェロキーはフルサイズSUVとは異なり、ビルドインフレームのモノコック構造である。しかしその市場に参入を目論んだGMとフォードは、一から起こすよりは開発が容易で、すぐさま市場投入可能な、コンパクトピックアップベースのフレーム構造としたこと、そして、その点を優遇税制に結びつけ、SUVのフレーム構造をウリにしたことにより、法律上(特に自動車税法上)のSUVの定義が定まっていった。米国の自動車税がトラックでは安価であることから、同じフレーム構造を持つSUVという点を強調し、業界をあげ、政府に働きかけた結果、SUVもトラックとして分類されるようになった。この点が、特に米国において、フレーム構造であるかどうかを重視する考え方のスタート地点となっている。政治的な面以外でも、フレームの「しなり」を好むユーザーが多く、オフローダーの中にはねじれるフレームもサスペンションやスプリングの一部、と肯定的に捉えている者も多い。かくして、日本人には線引きが判りづらいSUVとCUVとの違いが、米国では、税制と乗り味の両面の差が訴求ポイントとなっており、顧客の多くが関心を持つに至った。
SUVは米国で広まった自動車のカテゴライズ。SUVの本場である米国では、[[1961年]]の[[インターナショナルハーベスター]][[スカウト]][[:en:International Harvester Scout|Scout)や、[[1963年]]の[[ジープ・ワゴニア]]([[:en:Jeep Wagoneer|Jeep Wagoneer SJ]])をSUVの始祖ている資料が多い。その後、それらにヒントを得た[[ビッグ・スリー]]が、2代目[[フォード・ブロンコ]][[:en:Ford Bronco|(Bronco)]]、[[シボレー・ブレイザー|シボレー・K5 ブレイザー]]([[:en:Chevrolet K5 Blazer|K5 Brazer]])、[[ダッジ・ラムチャージャー]]([[:en:Dodge Ramcharger|Ramcharger]])など、フルサイズピックアップの荷台にシェルを被せたワゴンをリリースし、一気に市民権を得るに至り、SUVの呼び名が定着した。
1984年頃[[ジープ・チェロキー (XJ)|チェロキー (XJ)]]のヒットにより、それまでオフローダーに縁の無かった乗用車ユーザーにもSUVが浸透し、基本的なカテゴリーとして認知されるようになった。
チェロキーはフルサイズSUVとは異なり、ビルドインフレームのモノコック構造である。しかしその市場に参入を目論んだGMとフォードは、一から起こすよりは開発が容易で、すぐさま市場投入可能な、コンパクトピックアップベースのフレーム構造としたこと、そして、その点を優遇税制に結びつけ、SUVのフレーム構造をウリにしたことにより、法律上(特に自動車税法上)のSUVの定義が定まっていった。米国の自動車税がトラックでは安価であることから、同じフレーム構造を持つSUVという点を強調し、業界をあげ、政府に働きかけた結果、SUVもトラックとして分類されるようになった。この点が、特に米国において、フレーム構造であるかどうかを重視する考え方のスタート地点となっている。
政治的な面以外でも、フレームの「しなり」を好むユーザーが多く、オフローダーの中にはねじれるフレームもサスペンションやスプリングの一部、と肯定的に捉えている者も多い。
かくして、日本人には線引きが判りづらいSUVとCUVとの違いであるが、米国では、見た目や乗り味といった、商品性と、税制の両面の差が訴求ポイントとなっており、顧客の多くが関心を持つに至った。

[[w:Ford Bronco]]

===RV全盛時代の日本===
===RV全盛時代の日本===
1990年代にはSUVは米国で一般カテゴリーとなっていたが、日本では1990年代になっても、まだ「[[RV]]」や「オフロード車」といったカテゴリー表記が主流であり、2000年を越える頃まで「SUV」という表記は米国系SUVなどに対して『米国ではSUVというジャンルになる』という紹介や、一部の愛好家向けメディアで使用されるに過ぎなかった。日本では、1992年になって初めて統計上「RV」という言葉が用いられ<ref>自工振ニュース No.48(1997年2月10日) [http://www.jama.or.jp/release/jmif/news/19970210.html]</ref>、さらに1996年になってやっと[[自動車販売協会連合会]]が、RV統計を取り始める。RVは1980年中頃にはオフロード車のことを指すマーケティング用語として広く使用されていた言葉だったが、80年代後半にワンボックス、90年代になりステーションワゴンがRVの概念に追加され、ようやく1996年はRVという言葉を業界が統計上の公式に認めた年となったばかりであった。日本のマーケティングでは「SUV」など、まだ一般が耳にすることはなかった時代だった。
1990年代にはSUVは米国で一般カテゴリーとなっていたが、日本では1990年代になっても、まだ「[[RV]]」や「オフロード車」といったカテゴリー表記が主流であり、2000年を越える頃まで「SUV」という表記は米国系SUVなどに対して『米国ではSUVというジャンルになる』という紹介や、一部の愛好家向けメディアで使用されるに過ぎなかった。
日本では、1992年になって初めて統計上「RV」という言葉が用いられ<ref>自工振ニュース No.48(1997年2月10日) [http://www.jama.or.jp/release/jmif/news/19970210.html]</ref>、さらに1996年になってやっと[[自動車販売協会連合会]]が、RV統計を取り始める。
RVは1980年中頃にはオフロード車のことを指すマーケティング用語として広く使用されていた言葉だったが、80年代後半にワンボックス、90年代になりステーションワゴンがRVの概念に追加され、ようやく1996年はRVという言葉を業界が統計上の公式に認めた年となったばかりであった。日本のマーケティングでは「SUV」など、まだ一般が耳にすることはなかった時代だった。


====スズキ エスクードとトヨタ RAV4====
====スズキ エスクードとトヨタ RAV4====
1994年、ライトクロカンと当時の日本でよばれたカテゴリに[[トヨタ]]が参入する。それが初代[[トヨタ・RAV4|RAV4]]だった。当時の日本では[[RV]]が[[ブーム]]となっており、ライトクロカンも戦略上RVカテゴリへ編入された。「RAV」とは「Runnabout Activity Vehicle(ラナバウト・アクティビティ・ビークル)」の略語で、重厚長大な4クロスカントリーカーとは一線を画くクルマであることが車名に現れている。それ以前のRVは[[三菱・パジェロ]]などトラックベースのオフローダーが主流であり、トヨタも[[トヨタ・ランドクルーザー]]、[[トヨタ・ハイラックスサーフ]]などで時流に乗っていた。しかしながら、実際にオフロード性能を必要としているユーザーは数少なく、またボディの大きさに比べ車室は狭く、トラックベースの乗り心地は快適ではなく、車輌の重量のために燃費も悪かった1980年代後半から起こった[[バブル期|バブル経済]]の好況に支えられ、多くの乗用車からの乗り換えユーザーが、ファッションとしてRVを購入していた。そこで、[[トヨタ・セリカ|セリカ]]の[[プラットフォーム (自動車)|プラットフォーム]]をベースに、RV風の外観と、新たに起こされたリアサスペンションにより、侮りがたいオフロード性能を発揮し、乗用車としての経済性、快適性とRVの持つファッション性を両立させたのが初代RAV4で、日本国内や欧州の市場で好評を得た。一方、RVに与えた影響という観点から見ると、同年1994年はホンダからオデッセイが投入された年であり、多くの日本のメーカーが自社製オデッセイを求めた結果、ミニバンブームへとつながっていく。1990年にトヨタもエスティマを投入していたが、一般にはワンボックスカーととらえられていた。カテゴリとしてのRVはオデッセイの登場により大きく概念を変え、(ホンダ自体は初代オデッセイをミニバンとは決して呼ばなかったが)後にミニバンとよばれる車がRVカテゴリーに組み入れられるほど(のちにはミニバン自体がカテゴリとなるほど)、RVというカテゴリーに影響たが、RAV4の登場はカテゴリーへの影響というほどは捕らえられていなかった。ライトクロカン自体は1988年の[[スズキ・エスクード]]がパイオニアであた(開拓していた)ことや、[[スズキ・ジムニー|ジムニー]]や[[ダイハツ・タフト|タフト]]など、より小型のオフロードカーあったことで、日本の自動車業界は新しいカテゴリーとしてのインパクトとして、そう大きくは捉(と)えられていなかった。
1994年、ライトクロカンと当時の日本でよばれたカテゴリに[[トヨタ]]が参入する。それが初代[[トヨタ・RAV4|RAV4]]だった。当時の日本では[[RV]]が[[ブーム]]となっており、ライトクロカンも戦略上RVカテゴリへ編入された。「RAV」とは「Runnabout Activity Vehicle(ラナバウト・アクティビティ・ビークル)」の略語で、重厚長大な4クロスカントリーカーとは一線を画くクルマであることが車名に現れている。
それ以前のRVは[[三菱・パジェロ]]などトラックベースのオフローダーが主流であり、トヨタも[[トヨタ・ランドクルーザー]]、[[トヨタ・ハイラックスサーフ]]などで時流に乗っていた。しかしながら、実際にオフロード性能を必要としているユーザーは数少なく、またボディの大きさに比べ車室は狭く、トラックベースの乗り心地は快適ではなく、車輌の重量のために燃費も悪かったが、1980年代後半から起こった[[バブル期|バブル経済]]の好況に支えられ、多くの乗用車からの乗り換えユーザーが、ファッションとしてRVを購入していた。そこで、[[トヨタ・セリカ|セリカ]]の[[プラットフォーム (自動車)|プラットフォーム]]をベースに、RV風の外観と、新たに起こされたリアサスペンションにより、侮りがたいオフロード性能を発揮し、乗用車としての経済性、快適性とRVの持つファッション性を両立させたのが初代RAV4で、日本国内や欧州の市場で好評を得た。
一方、RVに与えた影響という観点から見ると、同年1994年はホンダからオデッセイが投入された年であり、多くの日本のメーカーが自社製オデッセイを求めた結果、ミニバンブームへとつながっていく。1990年にトヨタもエスティマを投入するが、一般にはワンボックスカーととらえられていた。カテゴリとしてのRVはオデッセイの登場により大きく概念を変え、(ホンダ自体は初代オデッセイをミニバンとは決して呼ばなかったが)後にミニバンとよばれる車がRVに組み入れられるほど(のちにはミニバン自体がカテゴリとなる)影響力であったが、一方のRAV4の登場、RV市場への影響はそれほどでもなかった。ライトクロカン自体は1988年の[[スズキ・エスクード]]が行きわたっていたことや、[[スズキ・ジムニー|ジムニー]]や[[ダイハツ・ロッキー|ロッキー]]など、より小型のオフロードカーあったことで、業界関係者が目を見張る内容の割りに、一般ユーザーに新しとしてのインパクトは伝わりづらかった。


===新しいタイプのSUV 米国===
===新しいタイプのSUV 米国===
米国では事情が違っていた。すでに[[スズキ・エスクード]]がGM傘下で、1989年から[[ジオ・トラッカー]][[GMCトラッカー]]、[[シボレー・トラッカー]]として投入されていたにも関わらず、GMのSUVの元ではそれらは注目を浴びていなかった。1996年、初代RAV4が北米投入される。乗車位置が高いため見晴らしがよく、そこそこ大きな荷室(カゴルム)がありオプションで四輪駆動も選択できるというSUV的な利点をもちながらも、一般公道を走る際の運転性能にすぐれ、燃費がいという、小型乗用車の利点を併せ持っていた。それまでのトラックベースSUVに対し、乗用車ベースでもこういうことができと思わせたのはRAV4が最初だった。こRAV4契機に米国自動車ジャーナリズムは乗用車ベースのSUV風車輌を『クロスオーバー』という「新カテゴリ」名でぶようになる。トヨタの動向をにらみ、ホンダも[[ホンダ・シビック|シビック]]をベースとし、日本国内で1995年に発表されていた[[ホンダ・CR-V|CR-V]]を、米国ホンダの要請で1997年2月に北米投入したが、RAV4共々サイズが小さいことが影響して、売れ行きは悪くは無かったものの、マーケットを席巻するまでにはならなかった
米国では事情が違っていた。すでに[[スズキ・エスクード]]が[[GM]]傘下で、1989年から[[ジオ・トラッカー]]([[:en:Geo Tracker|Tracker]])として投入されていたにも関わらず、GMのSUVの元ではそれらは注目を浴びていなかった。1996年、初代RAV4が北米投入される。視点が高く、そこそこのユティリティを備え、四輪駆動も選択できるというSUV利点ハンドリングや燃費がいという、乗用車の利点を併せ持っていた。米国自動車ジャーナリズムは、それまでのトラック出自のSUVに対るRAV4の洗練度して、『クロスオーバー』という「新カテゴリ」名でぶようになる。


トヨタの動向をにらみ、ホンダも[[ホンダ・シビック|シビック]]をベースとし、日本国内で1995年に発表されていた[[ホンダ・CR-V|CR-V]]を、米国ホンダの要請で1997年2月に北米投入したが、売れ行きは悪くは無かったものの、RAV4共々サイズが小さいことが影響して、マーケットを席巻するまでにはならなかった。
1998年には、スバルが1997年2月から日本で販売開始していた[[スバル・フォレスター|フォレスター]]を米国投入する。さらに、フォード買収以前から準備されていた[[ボルボ・カーズ|ボルボV70 XC AWD]](ボルボが[[ボルボ850]]ベース)が1998年モデルとして投入されている。これは後にXCシリーズとして独立発展する。作るほうの視点、つまりエンジニアリングの視点からはそのベースとなる考え方はRAV4と変わらない。しかしユーザーの視点からは、ステーションワゴンをベースにして、より車高を上げてSUVのメリットに近づけたように見えるクロスオーバー車の流れがた。


1998年には、スバルが1997年2月から日本で販売開始していた[[スバル・フォレスター|フォレスター]]を米国投入する。さらに、フォード買収以前から準備されていた[[ボルボ・カーズ|ボルボV70 XC AWD]](ボルボが[[ボルボ850]]ベース)が1998年モデルとして投入されている。これは後にXCシリーズとして独立発展する。ユーザーの視点からは、ステーションワゴンをベースに、より車高を上げてSUVのスタイルとメリットを享受できるクロスオーバーSUVはあっが、スバル・レオーネ([[:en:Subaru Reone|Reone]])やAMCイーグル([[:en:AMC Eagle|Eagle]])の焼き直しの感が強く、作る側、つまりエンジニアリングの視点からは、その考え方はRAV4よりも志が低い
1997年、トヨタが快適性や動に優れる特長をもつ高級クロスオーバー車として[[トヨタ・カムリ]]をベースとして[[トヨタ・ハリアー]]を日本に投入していた。それまでRVは[[高級車]]とはみられていなかった日本市場でも、ユーザーはハリアーをRVでありしかも高級車として受け入れはじめる。1999年に[[レクサスRX]]として米国に投入するやいなや、大きな反響を呼び、米国で高級SUVとして受け入れられ、ようやくクロスオーバーSUVがカテゴリとして認知されるようになった。この評判を元に、日本市場でもさらなる高級CUVを開発すべくマーケティングに力がはいった。レクサス RXの米国での成功は、SUV市場の成り行きを見守っていた欧州高級車メーカー勢をも刺激する。

1997年、トヨタが[[トヨタ・カムリ|カムリ]]をベースとして、快適性や動性に優れる高級クロスオーバーSUVである、[[トヨタ・ハリアー]]を日本に投入した。それまでSUV、高額ではあったが[[高級車]]として認知されていなかった市場でも受け入れられた。1999年に[[レクサス]]([[:enLexus RX|RX]])として米国に投入するやいなや、大きな反響を呼び、ようやくクロスオーバーSUVが、米国でカテゴリとして認知されるようになった。この評判を元に、日本市場でもさらなる高級CUVを開発すべくマーケティングに力がった。レクサス RXの米国での成功は、SUV市場の成り行きを見守っていた欧州高級車メーカー勢をも刺激することになった
<!--1998年に登場した[[レクサス・LX]]と[[トヨタ・ランドクルーザー|トヨタ・ランドクルーザー100]]はランドクルーザーとしてはじめてSUVの呼称を用いた。--><!--LXやランクル100はCUVなんでしょうか?SUVならここに書くべきことではないと思いますが。-->
<!--1998年に登場した[[レクサス・LX]]と[[トヨタ・ランドクルーザー|トヨタ・ランドクルーザー100]]はランドクルーザーとしてはじめてSUVの呼称を用いた。--><!--LXやランクル100はCUVなんでしょうか?SUVならここに書くべきことではないと思いますが。-->


初代RAV4により市場の手ごたえをたトヨタは2000年に2代目RAV4として海外、特に北米での市場を明確に狙ったテイストに変更し、好評を博した。2代目ホンダCR-V2代目(2001年)同様に迎えた。新たな市場が出現し、フレーム式シャシーを持たないメーカーでも車種投入できるため日本国内外からクロスオーバーが続々と登場することとなる。
初代RAV4により手ごたえを感じたトヨタは2000年に発表した2代目RAV4では、特に北米での市場を明確に狙ったテイストに変更た。2001年には2代目ホンダCR-V登場したが、どちもやはり、サイズの面から、販売のメインは欧州に移っていった。しかし、新たな市場が出現したことで、フレーム式シャシーを持たないメーカーでも車種展開できる環境が整い、各からクロスオーバーSUVが続々と登場することとなる。


===日本でのSUVカテゴリーとクロスオーバー・カテゴリーの普及===
===日本でのSUVカテゴリーとクロスオーバー・カテゴリーの普及===
日本では2000年を過ぎるとSUVがカテゴリとして自動車業界自身がマーケティングに使用するようになった。従来はRVカテゴリにあった「クロスカントリー車輌(オフロード車輌)」および「ライト・クロカン(オフロード風車輌)」を置き換える用語となった。この時点でもまだ日本ではクロスオーバーというカテゴリはまだ一般に使用されていなかった。一方、自動車ジャーナリズムでもSUVが根付きはじめた2004年頃から、乗用車ベース車輌を米国同様にクロスオーバーと表現するようになってきた。日本では税もふくめてSUVとクロスオーバーSUVを法律上明確にカテゴライズする必要性がないこともあり、メーカーの表現はSUVれるものが多い
日本では2000年を過ぎるとSUVがカテゴリとして自動車業界自身がマーケティングに使用するようになった。従来はRVカテゴリにあった「クロスカントリー車輌(オフロード車輌)」および「ライト・クロカン(オフロード風車輌)」を置き換える用語となった。この時点でもまだ日本ではクロスオーバーというカテゴリはまだ一般に使用されていなかった。一方、自動車ジャーナリズムでもSUVが根付きはじめた2004年頃から、乗用車ベース車輌を米国同様にクロスオーバーと表現するようになってきた。日本では税もふくめてSUVとクロスオーバーSUVを法律上明確にカテゴライズする必要性がないこともあり、メーカーの表現が変わるのこれから見られる。


===欧州メーカーの米国市場攻略===
===欧州メーカーの米国市場攻略===
[[Image:VW Touareg.jpg|thumb|right|250px|VW・トゥアレグ]]
[[Image:VW Touareg.jpg|thumb|right|250px|VW・トゥアレグ]]
米国でのSUVブームとそれにつづくクロスオーバーブームを見た欧州勢も同様のアプローチをおこない、2000年にはBMW X5(E39 5シリーズベース)投入。X5米国でデザインされている。1994年にローバーを買収したことで[[レンジローバー]]の技術にふれられたことも強い動機となっている(ランドローバーの権利のちフォードに売却された)。BMW X3(2004年モデルとして2003年後半投入)が続く
米国でのSUVブームとそれにくクロスオーバーブームを見た欧州勢も同様のアプローチをい、2000年には[[BMW]]は米国でデザインさた[[BMW X5|X5]](E39 5シリーズベース)を北投入。これ1994年に[[ローバー]]を買収したことで[[レンジローバー]]の技術とマーケットれたことも強い動機となっている([[ランドローバー]]後にフォードに売却された)。

これまでSUVを手がけたことが無かったBMWであったが、X5はその驚異的な走りから、瞬く間に各メーカーのベンチマークとなった。

[[BMW X3|X3]]がそれに続き、2004年モデルとして2003年後半、北米に投入された。


==米国でのクラス分け==
==米国でのクラス分け==
クロスオーバー車が認められると、米国では、エスクード市場は、ミニ・クロスオーバーSUV市場として、RAV4、CR-V市場はコンパクト・クロスオーバーSUV市場として、レクサスRXは、ミッドサイズ・エントリーレベルラグジュアリー・クロスオーバーSUV市場としてそれぞれのマーケット(市場)を確保した。
クロスオーバー車が認められると、米国では、エスクード市場は、ミニ・クロスオーバーSUV市場として、RAV4、CR-V市場はコンパクト・クロスオーバーSUV市場として、レクサスRXは、ミッドサイズ・エントリーレベルラグジュアリー・クロスオーバーSUV市場としてそれぞれのマーケット(市場)を確保した。


現在、[[日産・ムラーノ|日産ムラーノ]]、[[アキュラ・RDX|アキュラRDX]](2006年8月から:MDX後継)、[[マツダ・CX-7|Mazda CX-7]]、[[リンカーン・MKX|Lincoln MKX]]([[2007年]]モデル)等々が続く。
現在、[[日産・ムラーノ|日産ムラーノ]]、[[アキュラ・RDX|アキュラRDX]](2006年8月から:MDX後継)、[[マツダ・CX-9]]、[[マツダ・CX-7]]、[[リンカーン・MKX|Lincoln MKX]]([[2007年]]モデル)等々が続く。


==日本の現状==
==日本の現状==

2007年3月7日 (水) 12:16時点における版

ファイル:Infiniti FX45.jpg
インフィニティ・FX (日本製 海外専売)
VAZ ラーダニーヴァ (ソ連)
ポルシェが設計に関与、フィアットが生産に協力したフルタイム4WD乗用車。
良くできた(あくまでも設計であり、品質ではない)「実用車」であり、CUVとは路線が異なる。
1980年発売のAMC イーグル ワゴン(米国)
乗用車の皮を被った「Jeep」とも言えるもので、現在のCUVに比べると本格的なオフロードカーである。
1977年発売のタルボ-マトラ ランチョ(フランス )
シムカ 1100フルゴネット(ライトバン)である「VZ2」のコスメティックモデル。
商用車ベースであることとFF(2WD)のみであることから、自動車史ではレジャーカーとして分類されることが多く、最近のCUVとは毛色が異なる。プジョー・パルトネールのご先祖様。
ファイル:Australia 2 202.jpg
フォード・テリトリー(オーストラリア)

クロスオーバーSUV(Crossover Sport Utility Vehicle CUV)とは、主に北米での自動車の区分の1つ。SUVとスポーティーカーやプレミアムカー(高級車)のテイストを融合させたクルマのこと。

オフロードを連想させる地上高と、大径タイヤが外観上のセールスポイントとなっているが、そのほとんどは乗用車とサスペンションやパワートレインを共用している。

特徴

CUVの要件は「カッコよくて目立つ」こと。

ボディーの見切りや室内容積を犠牲にしてまでも、北米市場好みの、スポーティーで大胆(日本人の感覚ではいささか奇異)なスタイルとすることが最優先とされている。基本的に富裕層向けであり、短いスパンで次のクルマを物色する客が多いため、買い換えの理由をメーカー自身が用意するかのごとく、デザインも早めに陳腐化するよう、極めて派手なものにされている。

ピックアップ出自のSUVと較べ、モノコックボディーによりNVHに優れること、走りの面でも、乗用車系のシャーシに起因して、特にFRレイアウトがベースのクルマでは、オンロードでのパフォーマンスが高いこともアドバンテージとなっている。

米国ではクロスオーバーSUVは乗用車に含まれるカテゴリー名であり、税区分や保険区分上もトラックであるSUVとは異なり、区別されている。

そこまでしてオフローダーやSUVと差別化する理由は、上級イメージを市場に浸透させ、販売価格を高めに設定するため。もともと乗用車との部品の共用で、開発、製造コストを抑えているため、収益性が非常に高くなり、これがメーカーにとっての旨みとなる。

メカニズムを共有する兄弟SUVがある場合でも、各メーカー内でのCUVの企画とスタイリングは高級車部門が担当しているケースが多い。販売面でもイメージを保つことには留意されており、たとえばレクサス・RXトヨタ・ハイランダーを同じショールームに置くことは、契約上禁止されている。

SUVでは2輪駆動の比率が増える傾向にあるが、CUVには今のところ2駆の設定は無く、エアサスなどを利用した車高調整機能を装備するものも多く、収益性向上に貢献している。

車台は乗用車で主流のモノコック構造であり、足回りなども乗用車ベースとなっている点がトラックのシャシーをベースとするSUVとは異なる。一見オフローダー風の外観をしていても、フレームを持たないため、ヘビーデューティー用途には向いていない。つまり、一般的にはラフロード性能が劣る。一方、操縦安定性やハンドリング、NVH燃費性能には、一般的に優れる。ドイツ車では、性能の向上を目的とした「専用に近い車両プラットフォーム」を持つものが多い。

クロスオーバーという概念の起こり

クロスオーバーSUVはCUV(Crossover Utility Vehicle)またはCrossをXと表記してXUVとも表記される。「クロスオーバー・ビークル(Crossover Vehicle)」という考え方が米国で1990年後半に形作られる。これは「異なる種別の車を混ぜ合わせた」という意味で直訳で「クロスオーバー車」ともいわれ、また、英語でも略してCrossoverのみでも使用される。この意味では、車輌製作側の概念上、特にSUVに限らず、多くは試作車として「クロスオーバー・ビークル」が作られていた。これらは『ハイブリッド・ビークル』と呼ばれることもある(*1)。その中で市場に最も受け入れられたもの、つまり販売可能なものが「SUVと乗用車とのクロスオーバー車」だった。これがクロスオーバーSUVである。

(*1:ハイブリッドは、日本語における自動車関係の文章では電気モーターエンジンガソリンエンジンを併用した自動車に使われることが多いが、第一義の意味では遺伝学の分野で動物植物で異なる親から生まれた(発生した)子孫を指す用語。この意味で、ハイブリッドの日本語訳としても雑種混合まじりっ気のあるというのが基本的な意味である。英語での同義の用語としてクロスブリーディングがあり、同様に車においてもクロスオーバーとハイブリッドは同義となる。)

2006年時点で、米国では「SUV」という用語がすでに30年以上にわたって使用され、カテゴリー用語として定着した一方で、消費者の心をつかむためのマーケティング用語としては陳腐化も起こっている。1990年代末から、SUVに対する安全性への指摘がなされ、SUV批判が起こったが、まだ有識者の間でのみだった。しかし、2003年末から起こったガソリン価格の高騰は1ガロン=2ドルを超え、3ドルに達する。高騰が長引くにつれ、燃費の悪いSUVの販売は落ち込む。SUVブームの中心にあり、ブームを自身で推し進めていた米国の2大メーカー、GM、フォードはこの10年間の収益の軸をSUVにおいていたため、SUVの販売落ち込みは会社の経営に影響した。そのため、特に両社では、SUVのマイナスイメージに引きずられないよう、クロスオーバー系の車両に関わらずマーケティングにおいてSUVを想起させない(思わせない)アプローチがなされはじめている。つまり、SUVという言葉を使わない方向に向かいつつある。

歴史

元祖

歴史を遡(さかのぼ)れば、乗用車をオフロード風に仕立てた車がある。英語版Wikipediaによれば、この始祖が1957年ソ連で生産されたモスクビッチ410(Moskvitch 410)であるが、これは日本の感覚では「生活4駆」の範疇に含まれる。乗用車ベースのものでは、他にも1971年のスバル・レオーネ、1977年のラーダ・ニーヴァ、1980年のAMC イーグルがよく知られている。イーグルはジープ一族ならではの造りを見せる、本格オフロードカーであり、XJチェロキー誕生の原動力ともなった。

一方、欧州でも、欧州クライスラータルボ-マトラが1977年、ランチョを発表している。ランチョはFF乗用車のシムカ 1100をベースとしたフルゴネット(ライトバン)である、「シムカ 1100 VZ2」にオフローダー風の「お化粧」を施したモデルであり、4WDでもなく、自動車史の上ではレジャーカーとして認識されている。

SUV全盛の米国

SUVは米国で広まった自動車のカテゴライズ。SUVの本場である米国では、1961年インターナショナルハーベスタースカウト([[:en:International Harvester Scout|Scout)や、1963年ジープ・ワゴニアJeep Wagoneer SJ)をSUVの始祖としている資料が多い。その後、それらにヒントを得たビッグ・スリーが、2代目フォード・ブロンコ(Bronco)シボレー・K5 ブレイザー(K5 Brazer)、ダッジ・ラムチャージャー(Ramcharger)など、フルサイズピックアップの荷台にシェルを被せたワゴンをリリースし、一気に市民権を得るに至り、SUVの呼び名が定着した。

1984年頃チェロキー (XJ)のヒットにより、それまでオフローダーに縁の無かった乗用車ユーザーにもSUVが浸透し、基本的なカテゴリーとして認知されるようになった。

チェロキーはフルサイズSUVとは異なり、ビルドインフレームのモノコック構造である。しかしその市場に参入を目論んだGMとフォードは、一から起こすよりは開発が容易で、すぐさま市場投入可能な、コンパクトピックアップベースのフレーム構造としたこと、そして、その点を優遇税制に結びつけ、SUVのフレーム構造をウリにしたことにより、法律上(特に自動車税法上)のSUVの定義が定まっていった。米国の自動車税がトラックでは安価であることから、同じフレーム構造を持つSUVという点を強調し、業界をあげ、政府に働きかけた結果、SUVもトラックとして分類されるようになった。この点が、特に米国において、フレーム構造であるかどうかを重視する考え方のスタート地点となっている。

政治的な面以外でも、フレームの「しなり」を好むユーザーが多く、オフローダーの中にはねじれるフレームもサスペンションやスプリングの一部、と肯定的に捉えている者も多い。

かくして、日本人には線引きが判りづらいSUVとCUVとの違いであるが、米国では、見た目や乗り味といった、商品性と、税制の両面の差が訴求ポイントとなっており、顧客の多くが関心を持つに至った。


RV全盛時代の日本

1990年代にはSUVは米国で一般カテゴリーとなっていたが、日本では1990年代になっても、まだ「RV」や「オフロード車」といったカテゴリー表記が主流であり、2000年を越える頃まで「SUV」という表記は米国系SUVなどに対して『米国ではSUVというジャンルになる』という紹介や、一部の愛好家向けメディアで使用されるに過ぎなかった。

日本では、1992年になって初めて統計上「RV」という言葉が用いられ[1]、さらに1996年になってやっと自動車販売協会連合会が、RV統計を取り始める。

RVは1980年中頃にはオフロード車のことを指すマーケティング用語として広く使用されていた言葉だったが、80年代後半にワンボックス、90年代になりステーションワゴンがRVの概念に追加され、ようやく1996年はRVという言葉を業界が統計上の公式に認めた年となったばかりであった。日本のマーケティングでは「SUV」など、まだ一般が耳にすることはなかった時代だった。

スズキ エスクードとトヨタ RAV4

1994年、ライトクロカンと当時の日本でよばれたカテゴリにトヨタが参入する。それが初代RAV4だった。当時の日本ではRVブームとなっており、ライトクロカンも戦略上RVカテゴリへ編入された。「RAV」とは「Runnabout Activity Vehicle(ラナバウト・アクティビティ・ビークル)」の略語で、重厚長大な4クロスカントリーカーとは一線を画くクルマであることが車名に現れている。

それ以前のRVは三菱・パジェロなどトラックベースのオフローダーが主流であり、トヨタもトヨタ・ランドクルーザートヨタ・ハイラックスサーフなどで時流に乗っていた。しかしながら、実際にオフロード性能を必要としているユーザーは数少なく、またボディの大きさに比べ車室は狭く、トラックベースの乗り心地は快適ではなく、車輌の重量のために燃費も悪かったが、1980年代後半から起こったバブル経済の好況に支えられ、多くの乗用車からの乗り換えユーザーが、ファッションとしてRVを購入していた。そこで、セリカプラットフォームをベースに、RV風の外観と、新たに起こされたリアサスペンションにより、侮りがたいオフロード性能を発揮し、乗用車としての経済性、快適性とRVの持つファッション性を両立させたのが初代RAV4で、日本国内や欧州の市場で好評を得た。

一方、RVに与えた影響という観点から見ると、同年1994年はホンダからオデッセイが投入された年であり、多くの日本のメーカーが自社製オデッセイを求めた結果、ミニバンブームへとつながっていく。1990年にはトヨタもエスティマを投入するが、一般にはワンボックスカーととらえられていた。カテゴリとしてのRVはオデッセイの登場により大きく概念を変え、(ホンダ自体は初代オデッセイをミニバンとは決して呼ばなかったが)後にミニバンとよばれる車がRVに組み入れられるほど(のちにはミニバン自体がカテゴリとなる)の影響力であったが、一方のRAV4の登場では、RV市場への影響はそれほどでもなかった。ライトクロカン自体は1988年のスズキ・エスクードが行きわたっていたことや、ジムニーロッキーなど、より小型のオフロードカーもあったことで、業界関係者が目を見張る内容の割りに、一般ユーザーには、新しさとしてのインパクトは伝わりづらかった。

新しいタイプのSUV 米国

米国では事情が違っていた。すでにスズキ・エスクードGM傘下で、1989年からジオ・トラッカー(Tracker)として投入されていたにも関わらず、GMのSUVの元ではそれらは注目を浴びていなかった。1996年、初代RAV4が北米投入される。視点が高く、そこそこのユーティリティーを備え、四輪駆動も選択できるというSUVの利点と、ハンドリングや燃費がよいという、乗用車の利点を併せ持っていた。米国自動車ジャーナリズムは、それまでのトラック出自のSUVに対するRAV4の洗練度をして、『クロスオーバー』という「新カテゴリ」名で呼ぶようになる。

トヨタの動向をにらみ、ホンダもシビックをベースとし、日本国内で1995年に発表されていたCR-Vを、米国ホンダの要請で1997年2月に北米投入したが、売れ行きは悪くは無かったものの、RAV4共々サイズが小さいことが影響して、マーケットを席巻するまでにはならなかった。

1998年には、スバルが1997年2月から日本で販売開始していたフォレスターを米国投入する。さらに、フォード買収以前から準備されていたボルボV70 XC AWD(ボルボがボルボ850ベース)が1998年モデルとして投入されている。これは後にXCシリーズとして独立発展する。ユーザーの視点からは、ステーションワゴンをベースに、より車高を上げてSUVのスタイルとメリットを享受できるクロスオーバーSUVではあったが、スバル・レオーネ(Reone)やAMCイーグル(Eagle)の焼き直しの感が強く、作る側、つまりエンジニアリングの視点からは、その考え方はRAV4よりも志が低い。

1997年、トヨタがカムリをベースとして、快適性や運動性に優れる高級クロスオーバーSUVである、トヨタ・ハリアーを日本に投入した。それまでSUVは、高額ではあったが高級車としては認知されていなかった市場でも受け入れられた。1999年にレクサス(RX)として米国に投入するやいなや、大きな反響を呼び、ようやくクロスオーバーSUVが、米国でカテゴリとして認知されるようになった。この評判を元に、日本市場でもさらなる高級CUVを開発すべくマーケティングに力が入った。レクサス RXの米国での成功は、SUV市場の成り行きを見守っていた欧州高級車メーカー勢をも刺激することになった。

初代RAV4により手ごたえを感じたトヨタは、2000年に発表した2代目RAV4では、特に北米での市場を明確に狙ったテイストに変更た。2001年には2代目ホンダCR-Vも登場したが、どちらもやはり、サイズの面から、販売のメインは欧州に移っていった。しかし、新たな市場が出現したことで、フレーム式シャシーを持たないメーカーでも車種展開できる環境が整い、各国からクロスオーバーSUVが続々と登場することとなる。

日本でのSUVカテゴリーとクロスオーバー・カテゴリーの普及

日本では2000年を過ぎるとSUVがカテゴリとして自動車業界自身がマーケティングに使用するようになった。従来はRVカテゴリにあった「クロスカントリー車輌(オフロード車輌)」および「ライト・クロカン(オフロード風車輌)」を置き換える用語となった。この時点でもまだ日本ではクロスオーバーというカテゴリはまだ一般に使用されていなかった。一方、自動車ジャーナリズムでもSUVが根付きはじめた2004年頃から、乗用車ベース車輌を米国同様にクロスオーバーと表現するようになってきた。日本では税もふくめてSUVとクロスオーバーSUVを法律上明確にカテゴライズする必要性がないこともあり、メーカーの表現が変わるのはこれからと見られる。

欧州メーカーの米国市場攻略

VW・トゥアレグ

米国でのSUVブームと、それに続くクロスオーバーブームを見た欧州勢も、同様のアプローチを行い、2000年にはBMWは米国でデザインさたX5(E39 5シリーズベース)を北米へ投入。これは、1994年にローバーを買収したことで、レンジローバーの技術とマーケットに触れたことも、強い動機となっている(ランドローバーは後にフォードに売却された)。

これまでSUVを手がけたことが無かったBMWであったが、X5はその驚異的な走りから、瞬く間に各メーカーのベンチマークとなった。

X3がそれに続き、2004年モデルとして2003年後半、北米に投入された。

米国でのクラス分け

クロスオーバー車が認められると、米国では、エスクード市場は、ミニ・クロスオーバーSUV市場として、RAV4、CR-V市場はコンパクト・クロスオーバーSUV市場として、レクサスRXは、ミッドサイズ・エントリーレベルラグジュアリー・クロスオーバーSUV市場としてそれぞれのマーケット(市場)を確保した。

現在、日産ムラーノアキュラRDX(2006年8月から:MDX後継)、マツダ・CX-9マツダ・CX-7Lincoln MKX(2007年モデル)等々が続く。

日本の現状

1997年、スバル・フォレスターステーションワゴンSUVの融合という形で「クロスオーバー」を具現化。2001年には三菱・エアトレックがそれを追随するように登場。そして2006年、スズキ・SX4が「スポーツコンパクトとSUVのクロスオーバー」という形を提示した。
又、スバルは1995年よりレガシィツーリングワゴンをSUV風にアレンジした「レガシィグランドワゴン」(→「レガシィランカスター」→現在は「スバル・アウトバック」)を販売し、定評を獲得している。

代表的な車種一覧

(*1:販売開始年は米国系はモデルイヤーのものもあり。モデルイヤーとは通常前年度中に翌年モデルとして販売開始される。) (*2:クロスオーバーSUVが米国由来のカテゴリーであるため、カテゴリーも米国の各車種の記事を参考にした。SUVというよりRVとして開発されたものにはRVとしている。)

販売開始年月(*1) (クロスオーバーSUV以外の)カテゴリー(*2) 車名 プラットフォーム / ベース車種 備考 (ベース共有車種、その他)
1994.5 RVコンパクト トヨタ・RAV4 トヨタ セリカ リアサスペンションを新規開発
1994.8 RVコンパクト・スポーティカー 三菱 ギャランスポーツ ギャラン スポーティカーとRVとのクロスオーバー
1994.12 RVコンパクト 日産 ラシーン サニー 一連のパイクカーのひとつ。2.0Lの「Forza」は輸出もされた。
1995.8 RVコンパクト・ステーションワゴン レガシィグランドワゴン レガシィ 走破性の高いレオーネ4WDの生産終了の穴を埋めるべく、サスペンションを新規設計し、レガシィツーリングワゴンの地上最低高を200mmに上げたモデル。ステーションワゴンとRVとのクロスオーバー。
1995.10 RVコンパクト ホンダ CR-V シビック シビックシャトルの後継
1995.10 RVコンパクト・スポーティカー スバル インプレッサ グラベルEX スバル・インプレッサのRV特別仕様車 スポーティカーとRVとのクロスオーバー。コンセプトはフォレスターに継承。
1997.2 RVコンパクト・ステーションワゴン スバル フォレスター インプレッサ
1997.8 RVコンパクト・ステーションワゴン スバル レガシィ アウトバック / ランカスター レガシィ レガシィグランドワゴンの後継。サスペンションジオメトリーをよりオンロード向けとした。
1997.10 ミッドサイズ・ステーションワゴン ボルボV70 XC AWD V70エステート ボルボV70の足回りを変更し、車高を上げたクロスカントリー(XC)全輪駆動(AWD)仕様の限定モデル。
1997.12 ミッドサイズ・エントリーラグジュアリー トヨタ ハリアー / レクサス RX カムリ
1997 ミッドサイズ・ラグジュアリー メルセデス・ベンツ Mクラス
1999 ワゴン・クロスオーバー アウディ・オールロードクワトロ (en:Audi Allroad Quattro) A6 (en:Audi A6)
2000 ミッドサイズ・ラグジュアリー BMW X5 (en:BMW X5) BMW E46 (en:BMW E39) BMW 5シリーズ (en:BMW 5 Series)
2000.11 ミッドサイズ トヨタ クルーガー / ハイランダー カムリ
2000 コンパクト 日産 エクストレイル サニー
2001 ミッドサイズ ヒュンダイ サンタフェ (en:Hyundai Santa Fe) ソナタ
2001 ミッドサイズ・ラグジュアリー ホンダMDX (アキュラMDX) USアコード / インスパイア
2001 ミッドサイズ ポンティアック アズテック (en:Pontiac Aztek) GM Uプラットフォーム (GM U platform) GMのミニバン系車種
2001 コンパクト フォード エスケープ/マツダ トリビュート フォードCD3プラットフォーム (en:Ford CD3 platform)
2001.10 ミッドサイズ 日産ステージアAR-X FOUR 最低地上高を拡大し、足回りを強化した日産ステージアのバリエーション車種。
2001 コンパクト 三菱エアトレック (en:Mitsubishi Outlander (2003-2005)) 三菱ランサー
2002 ミッドサイズ・ラグジュアリー ポルシェ カイエン フォルクスワーゲン・7Lプラットフォーム (en:Volkswagen 7L platform) VWトゥアレグと兄弟車
2002 ミッドサイズ フォルクスワーゲン トゥアレグ フォルクスワーゲン7Lプラットフォーム (en:Volkswagen 7L platform) ポルシェ カイエン
2002 ミッドサイズ ホンダ パイロット ホンダ アコード
2002 ミッドサイズ ビュイック・ランデブー (en:Buick Rendezvous) GM Uプラットフォーム (GM U platform) GMのミニバン系車種
2002.11 ミッドサイズ・ステーションワゴン ボルボXC70 英国などではXC70となったが米国では「ボルボV70 XC」のまま販売されている。
2003 コンパクト・ラグジュアリー BMW X3 (en:BMW X3) BMW E46 (en:BMW E46) BMW 3シリーズ
2003 ミニ フォード エコスポート (en:Ford Ecosport) フォードMk6プラットフォーム (en:Ford Mk6 platform フォード フィエスタ
2003 ミッドサイズ 日産ムラーノ 日産アルティマ
2003 コンパクト ホンダ・エレメント ホンダ シビック
2003 ミッドサイズ・ラグジュアリー ボルボ XC90 ボルボP2プラットフォーム (en:Volvo P2 platform) ボルボS80
2003 コンパクト トヨタ マトリックス (en:Toyota Matrix)/ポンティアック バイブ (en:Pontiac Vibe) トヨタ カローラ
2003 ミッドサイズ・ラグジュアリー インフィニティ FX 日産FMプラットフォーム (en:Nissan FM platform インフィニティG35en:Infiniti G35)
2003 ミッドサイズ 三菱エンデバー 三菱ギャラン
2004.5 三菱eKアクティブ 三菱eK
2004 フルサイズ・ラグジュアリー キャディラック SRX (en:Cadillac SRX) GM シグマ プラットフォーム (Sigma platform (Cadillac CTS & STS))
2004 ミッドサイズ クライスラー パシフィカ (en:Chrysler Pacifica) シボレーSプラットフォーム (en:Chrysler S platform) クライスラー タウン アンド カントリー (en:Chrysler Town and Country) / ダッジ・キャラバン)en:Dodge Caravan)
2004 フルサイズ フォード テリトリー (en:Ford Territory) フォードEA169プラットフォーム (en:EA169 platform) フォード ファルコン (en:Ford Falcon)
2004 ミッドサイズ/フルサイズ ホールデン アドベントラ (en:Holden Adventra)/HSV アバランチェ (en:HSV Avalanche) ホールデン コモドール (en:Holden Commodore)
2004 ミッドサイズ/フルサイズ ホールデン クルーメン (en:Holden Crewman)/HSV アバランチェ XUV (en:HSV Avalanche XUV) ホールデン コモドール (en:Holden Commodore)
2004 コンパクト ヒュンダイ ツーソン (en:Hyundai Tucson) ヒュンダイ エラントラ (en:Hyundai Elantra)
2005 コンパクト キア スポルタージュ2代目 (en:Kia Sportage) ヒュンダイ エラントラ (en:Hyundai Elantra) (初代(1995-2002)はマツダ・ボンゴベースのミニSUV)
2005 コンパクト マーキュリー マリナー (en:Mercury Mariner) フォードCD3プラットフォーム (en:Ford CD3 platform)
2005 ミッドサイズ フォード フリースタイル フォードD3プラットフォーム (en:Ford D3 platform (ボルボP2プラットフォームベース) フォード500en:Ford Five Hundred
2005.5 ミニバン 三菱グランディスSPORT GEAR ミニバンにSUV風味付けをしたマイナーチェンジモデル
2005 コンパクト 三菱アウトランダー 三菱GSプラットフォーム (en:Mitsubishi GS platform)
2005 コンパクト トヨタRAV4 3代目 トヨタ新MCプラットフォーム
2006 コンパクト シボレー HHR (en:Chevrolet HHR) GM・デルタ・プラットフォーム (en:GM Delta platform) (en:Chevrolet Cobalt)
2006 ミッドサイズ マツダCX-7 フォードCD3プラットフォーム (en:Ford CD3 platform (CX-5/Mazda6/Mazda CX-9/Ford Edge/Lincoln MKX)
2006 ミッドサイズ スバルB9トライベッカ スバル レガシィ
2006 一般にはミニバンとして取扱 メルセデスベンツ Rクラス Mクラスの派生車両
2006 フルサイズ・ラグジュアリー メルセデスベンツ GLクラス
2006 ミニ スズキSX4/フィアット セディチ (en:Fiat Sedici) ランチア パンゲア(Lancia Pangea)
2006 フルサイズ・ラグジュアリー アウディQ7 フォルクスワーゲン4Lプラットフォーム (7Lの派生)(en:Volkswagen 7L platform)
2007 ミディアムサイズ プジョー 4007 (en:Peugeot 4007) 三菱 アウトランダー(en:Mitsubishi Outlander)のOEM
2007 フルサイズ・ラグジュアリー アウディQ7 フォルクスワーゲン4Lプラットフォーム (7Lの派生)(en:Volkswagen 7L platform)

リファレンス

  1. ^ 自工振ニュース No.48(1997年2月10日) [1]