「ヨハン・シュトラウス2世」の版間の差分
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* シンデレラ(Aschenbrödel) |
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*:3幕のバレエ。第1幕のみ完成。第2幕、第3幕はスケッチがある。後にヨーゼフ・バイヤーが加筆。 |
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===オペレッタ=== |
===オペレッタ=== |
2009年3月12日 (木) 13:39時点における版
クラシック音楽 |
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作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 ルネサンス - バロック 古典派 - ロマン派 近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 木管楽器 - 金管楽器 打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 交響曲 - ピアノ協奏曲 ピアノソナタ ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリンソナタ チェロ協奏曲 フルート協奏曲 弦楽四重奏曲 - オペラ 指揮者 - 演奏家 オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 宗教音楽 |
イベント |
音楽祭 |
メタ |
ポータル - プロジェクト カテゴリ |
ヨハン・シュトラウスII世(Johann Strauß II, 1825年10月25日 - 1899年6月3日)はオーストリアのウィーンで活躍した作曲家/指揮者/ヴァイオリニスト。遠祖はユダヤ系ハンガリー人やロマの血が入っているという説もある(欧州人はさかのぼれば色々な血が入っているものだからそれ自体は否定できないが、シュトラウスという姓はドイツ圏ではありふれており、ナチスやドイツ右翼関係者にもこの姓が見られるので、姓そのものをユダヤの根拠とはできない)。ヨハン・シュトラウスI世の長男。弟には、次男のヨーゼフ・シュトラウスと三男のエドワルト・シュトラウスがいる。生涯の多くを、ウィンナワルツの作曲に捧げ、「ワルツ王」と評される。また、ワルツの他オペレッタ、ポルカなども作曲。毎年、元日に行われる「ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート」は、彼やシュトラウス・ファミリーの作品を中心にプログラムを組まれる。音楽の都「ウィーン」の代表的な作曲家であり、その肖像はかつて、オーストリアの100シリング紙幣に描かれていた。
生涯
父は、すでにウィンナワルツの作曲家として著名であったが、息子たちが音楽家としての道を歩むことには反対していた。音楽の基礎的素養は母親から受けていた。シュトラウスII世も、父と同じく音楽家としての才能に恵まれていたが、父の考えで大学では音楽とは関係のない経済学を専攻させられる。やがて、父親に愛人ができ、家族内で関係が悪化。やがて、父親は愛人と蒸発してしまう。従って、ヨハンが作曲家として活動しはじめたのは、父から独立してからであり、父と同じく管弦楽団を設立。たちまち、人気の楽団になり、父とはライバル作曲家となる。互いに競争を余儀なくされるも、父親が1849年に他界してからは、いよいよII世が正真正銘の「ワルツ王」として君臨することになった。
また、作曲家ヨハネス・ブラームスと厚い親交を結んでいたことは、有名。他にフランツ・リスト、リヒャルト・ワーグナーなどとも。ジャック・オッフェンバックの勧めでオペレッタなども晩年には手がける。「こうもり」は有名。生涯を通じ、作曲・演奏活動などで欧米各地でも活躍。父の名声、世紀末の風潮への社会的不安・商業演奏活動なども相まって世紀末のウィーンで一世を風靡した。ワーグナーはシュトラウスのワルツを指揮して、「自分にこのような軽い音楽を書けないのが残念だ」と語ったといわれる。チャイコフスキーも彼の作品を愛したひとりで、バレエ音楽「くるみ割り人形」の「花のワルツ」は、シュトラウスの様式に倣っている。
三度目の結婚に際し、法的な制限から国籍をドイツ(連邦帝国内のザクセン・コーブルク・ゴータ公国)へ移籍。住居はウィーンのままだったが、死の直前に作られた行進曲「狙って!」は”我等ひとつのドイツ”をテーマに掲げたドイツ射撃連盟のイベントに寄せられたものであり、晩年は大ドイツ主義的な立場への傾斜が伺われる。
20世紀を代表する作曲家であるグスタフ・マーラーは、それまでオペレッタを上演することがなかったウィーン宮廷歌劇場で「こうもり (オペレッタ)」を正式にレパートリーとした(1897年)。さらに、ウィーン宮廷歌劇場で上演するバレエ曲(「灰かぶり姫」というシンデレラ物語)をJ.シュトラウスに委嘱した。しかしJ.シュトラウス存命中には完成せず、書きかけのバレエを気にしながら6月3日に世を去った。(「ヨハン・シュトラウス~ワルツ王と落日のウィーン」小宮正安 中央公論新社)
経歴
- 1825年10月25日:ウィーンに生まれる
- 1831年: 6歳の時、最初の作品「最初の思想」(ワルツ、作品番号無し)を作曲する
- 1844年10月15日:ホール「ドムマイヤー・カジノ」でデビューする
- 1863年 宮廷舞踏会指揮者(1870年まで)
- 1871年2月10日:シュトラウス初の喜歌劇「インディゴと40人の盗賊」を初演
- 1892年 宮廷歌劇場にてはじめて彼の作品(オペラ《騎士パスマン》)が上演された
- 1899年5月22日:宮廷歌劇場で自作の喜歌劇「こうもり」序曲を指揮(シュトラウス最後の指揮)
- 1899年6月3日:肺炎により亡くなる(葬儀は同年6月6日)
作品
ワルツ
- 「格言詩」(Sinngedichte) Op.1
- 記念の歌という場合もあり
- 「統一の調べ」(Einheits-Klänge)Op.62
- 「メフィストの地獄の叫び」(Mephistos Höllenrufe) Op. 101
- 「ウィンザーの調べ」(Windsor-Klänge) Op. 104
- 「まつゆき草」(Schnee-Glöckchen)Op.143
- 「戴冠式の歌」(Krönungslieder)Op.184
- 「サイクロイド曲線」(Cycloiden)Op.207
- 「サンクト・ペテルブルクの別れ」(Abschied von St Petersburg)Op.210
- 「思想の飛翔」(Gedankenflug)Op.215
- 「加速度円舞曲」(Accelerationen) Op. 234
- 「モーター」(Motoren)Op.265
- 「朝の新聞」(Morgenblätter) Op. 279
- 朝刊と言う場合もあり
- 「市民の歌」(Bürgerweisen)Op.306
- 「ウィーンのボンボン」(Wiener Bonbons) Op. 307
- 「美しく青きドナウ」(An der schönen, blauen Donau) Op. 314
- 「芸術家の生活」(Künstlerleben) Op. 316
- 芸術家の生涯という場合もあり
- 「電報」(Telegramme)Op.318
- 「ジャーナリスト」(Die Publicisten)Op.321
- 「ウィーンの森の物語」(G'schichten aus dem Wienerwald) Op. 325
- (交響詩に分類されている)
- 「コヴェント・ガーデンの思い出」(Erinnerungen an Covent Garden) Op. 329
- 「酒、女、歌」(Wien,Weib und Gesang) Op. 333
- 「人生を楽しもう」(Freut euch den Lebens) Op. 340
- 「千夜一夜物語」(Tausend und eine Nacht) Op. 346
- オペレッタ「インディゴと40人の盗賊」からの旋律を元にした作品。
- 「ウィーン気質」(Wiener Blut) Op. 354
- 「謝肉祭の風景」(Carnevalsbilder)Op.357
- 「我が家で」(Bei uns z'Haus)Op.361
- 「レモンの花咲くところ」(Wo die Zitronen Blüh'n) Op. 364
- シトロンの花咲くところという場合もあり
- 「親しき仲」(Du und Du)Op.367
- 「カリオストロ・ワルツ」(Cagliostro-Walzer)Op.370
- 「おお、美しい5月よ!」(O schöner Mai!)Op.375
- 「私は誰?」(Kennst du mich?)Op.381
- 「南国のバラ」(Rosen aus dem Süden) Op. 388
- オペレッタ 「女王のレースのハンカチーフ」の旋律を元にした作品。
- 「北海の絵」(Nordseebilder) Op. 390
- 「ミルテの花」(Murthenblüten)Op.395
- 「キス・ワルツ」(Kuß-Walzer)Op.400
- 「イタリア・ワルツ」(Italienischer Walzer )Op.407
- 「春の声」(Frühlingsstimmen) Op. 410
- ソプラノの歌詞も付いている。
- 「入り江のワルツ」(Lagunen-Walzer)Op.411
- 「宝のワルツ」(Schatz-Walzer)Op.418
- 「ドナウの乙女」(Donauweibchen)Op.427
- 「皇帝円舞曲」(Kaiserwalzer) Op. 437
- 「大ウィーン」(Groß-Wien)Op.440
- 「もろ人手をとり」(Seid umschlungen,Millionen) Op. 443
- 「私はあなたにぴったり!」(Ich bin dir gut!)Op.455
- 「今日は今日」(Heut' ist heut')Op.471
- 「エルベ河のほとりで」(An der Elbe)Op.477
ポルカ
- 心からの楽しみ(Herzenslust) Op. 3
- 「こころゆくまで」とも訳す。1844年10月15日に行われたヨハン・シュトラウスII世のデビュー・コンサートで演奏。
- ホプサー・ポルカ(Hopser-Polka)Op.28
- 爆発ポルカ(Explosionnen-Polka) Op. 43
- 曲の最後に爆発音が入る。
- 冗談ポルカ(Scherz-Polka)Op.72
- ハイリゲンシュタットのランデブー(Heiligenstädter Rendezvous) Op. 78
- アルビオン・ポルカ(Albion-Polka)Op.102
- 電磁気ポルカ(Elektro-magnetische Polka)Op.110
- 花祭り(Blumenfest-Polka)Op.111
- アンネン・ポルカ(Annen-Polka) Op. 117
- すみれのポルカ(Veilchen-Polka)Op.132
- ミューズ・ポルカ(Musen-Polka)Op.147
- エリーゼ・ポルカ(Elisen-Polka)Op.151
- 小さなもの(Etwas Kleines)Op.190
- 気まぐれ(Spleen)Op.197
- 無邪気な子供(L'Enfantillage)Op.202
- ヘレーネ・ポルカ(Helenen-Polka)Op.203
- シャンペン・ポルカ(Champagner-Polka) Op.211
- 曲の中間部と最後の部分にシャンペンの音が入っている。
- トリッチ・トラッチ・ポルカ(Tritsch-Tratsch-Polka) Op. 214
- オーロラ舞踏会ポルカ(Auroraball-Polka)Op.219
- パリの娘(Die Pariserin)Op.238
- 狂乱のポルカ(Furioso-Polka)Op.260
- 取りこわしポルカ Op.269
- 観光列車(Vergnügungszug) Op. 281
- 訴訟ポルカ(Proceß-Polka )Op.294
- 浮気心(Leichtes Blut) Op. 319
- フィガロ・ポルカ(Figaro-Polka)Op.320
- 雷鳴と稲妻(Unter Donner und Blitz) Op. 324
- ハンガリー万歳(Eljen a Magyar) Op. 332
- クラップフェンの森で(Im Krapfenwald'l) Op. 336
- 鳥の鳴き声を真似る笛が使われる
- 自由の身(Auf freiem Fuße)Op.345
- 突進!(Im Sturmschritt!)Op.348
- 陽気な役人(Lust'ger Rath)Op.350
- インドの舞姫(Die Bajadere)Op.351
- こうもりポルカ(Fledermaus-Polka)Op.362
- チック・タック・ポルカ(Tik-Tak-Polka) Op. 365
- オペレッタ こうもり から旋律を流用。
- モルダウのほとり(An der Moldau)Op.366
- 狩り(Auf der Jagd) Op. 373
- オペレッタ「ウィーンのカリオストロ」の旋律をモチーフにしている。
- 電光石火(Rasch in der That!)Op.409
- 外交官のポルカ(Diplomaten-Polka)Op.448
- 新ピチカートポルカ(Neue Pizzicato-Polka) Op.449
- ピツィカート・ポルカ(Pizzicato-Polka)
- ヨーゼフ・シュトラウスとの合作
ポルカ・マズルカ
- 女性賛美(Lob der Frauen) Op.315
- 町と田舎(Stadt und Land) Op. 322
- 心と魂(Ein Herz und ein Sinn) Op.323
- 蜃気楼(Fata Morgana) Op.330
- オーストリアへの挨拶(Gruß aus Österreich) Op.359
- アンニーナ(Annina) Op.415
- ボルガ川のほとり(An der Wolga) Op. 425
カドリーユ
- デビュー・カドリーユ(Debut-Quadrille)Op.2
- ノクターン・カドリーユ(Nocturne-Quadrille) Op.120
- インドラ・カドリーユ(Indra-Quadrille) Op.122
- サタネッラ・カドリーユ(Satanella-Quadrille)Op.123
- 芸術家のカドリーユ(Künstler-Quadrille) Op.201
- オルフェウス・カドリーユ(Orpheus-Quadrille) Op.236
- 仮面舞踏会によるカドリーユ(Un ballo in maschera Quadrille)Op.272
- インディゴ・カドリーユ(Indigo-Quadrille)Op.344
- ロトゥンデ館のカドリーユ(Rotunde-Quadrille)Op.360
- こうもりカドリーユ(Fledermaus-Quadrille)Op.363
- カリオストロ・カドリーユ(Cagliostro-Quadrille)Op.369
- メトゥザレム・カドリーユ(Methusalem-Quadrille)Op.376
- 歌劇場仮面舞踏会カドリーユ(Opern-Maskenball-Quadrille)Op.384
- レースのハンカチーフ・カドリーユ(Spitzentuch-Quadrille) Op.392
- ジプシー男爵カドリーユ(Zigeunerbaron-Quadrille) Op.422
- ニネッタ・カドリーユ(Ninetta-Quadrille) Op.446
- ヤーブカ・カドリーユ(Jabuka-Quadrille) Op.460
- くるまば草カドリーユ(Waldmeister-Quadrille) Op.468
行進曲
- 愛国者行進曲(Patriotenmarsch) Op. 8
- 革命行進曲(Revolutions-Marsach)Op.54
- ナポレオン行進曲(Napoleon-Marsch)Op.156
- ペルシャ行進曲(Persischermarsch) Op. 289
- エジプト行進曲(Ägyptischermarsch) Op. 335
- スエズ運河開通を記念した作品。
- インディゴ行進曲(Indigo-Marsch) Op.349
- ヨハン・シュトラウスII世の音楽を使ったバレエ「卒業記念舞踏会」(アンタル・ドラティ編曲)のフィナーレで使用
- オーストリア万歳!(Hoch Österreich!)Op.371
- 愉快な戦争(Der lustige Krieg)Op.397
- いざ戦場へ!(Frisch in's Feld!)Op.398
- ハプスブルグ万歳!(Habsburg Hoch!)Op.408
- ロシア行進曲(Russischermarsch) Op. 426
- 騎兵行進曲(Reitermarsch)Op.428
- スペイン行進曲(Spanischer Marsch)Op.433
- ニネッタ行進曲(Ninetta-Marsch)Op.447
- 祝典行進曲(Fest-Marsch)Op.452
- 乾杯!(Zivio!)Op.456
- 我らの旗が翻るところ(Wo uns're Fahne weht)Op.473
- 狙いをつけろ(Aufs Korn)Op.478
バレエ
- シンデレラ(Aschenbrödel)
- 3幕のバレエ。第1幕のみ完成。第2幕、第3幕はスケッチがある。後にヨーゼフ・バイヤーが加筆。
オペレッタ
- 「インディゴと40人の盗賊」(Indigo und die viezig Räuber / Tausend und eine Nacht)
- 千夜一夜物語とも。3幕。1871年初演。
- 「ローマの謝肉祭」(Der Carneval in Rom)
- 3幕。1873年初演。
- 「こうもり」(Die Fledermaus)
- ウィンナオペレッタの代表的な作品。1874年初演。3幕。
- 「ウィーンのカリオストロ」(Cagliostro in Wien)
- 3幕。1875年初演。
- 「メトゥザレム王子」(Prinz Methusalem)
- 3幕。1877年初演。
- 「鬼ごっこ」(Blindekuh)
- 3幕。1878年初演。
- 「女王のレースのハンカチーフ」(Das spitzentuch der Königin)
- 3幕。1880年初演。
- 「愉快な戦争」(Der lustige Kreig)
- 3幕。1881年初演。
- 「ヴェネツィアの一夜」(Eine Nacht in Venedig)
- 3幕。1883年初演。
- 「ジプシー男爵」(Der Zigeunerbaron)
- 3幕。1885年初演。
- 「ジンプリツィウス」(Simplicius)
- 3幕。1887年初演。
- 「ニネッタ侯爵夫人」(Fürstin Ninetta)
- 3幕。1893年初演。「ニネッタ公妃」と訳すことも
- 「ヤーブカ」(Jabuka, oder Das Apfelfest)
- りんご祭とも。3幕。1894年初演。
- 「くるまば草」(Waldmeister)
- 3幕。1895年初演。
- 「理性の女神」(Die Göttin der Vernunft)
- 3幕。1897年初演。
- 「ウィーン気質」(Wiener Blut)
- 3幕。1899年初演。これは、シュトラウス死後、ミュラーがシュトラウス作品を使ってオペレッタに仕上げたもの。
オペラ
- 「騎士パズマン」(Ritter Pásmán)
- 3幕。1892年初演。
その他
- 常動曲(Perpetuum mobile) Op. 257
- 無窮動とも。TV番組オーケストラがやってきたのテーマ曲であった。
映画
- グレートワルツ ジュリアン・デュヴィヴィエ監督により1938年に製作された若き日のシュトラウスを主人公とする映画。